7月末の幼稚園のサマースクールで大変貴重な贈り物をいただきました。
少しずつ丁寧に読み進めています。
昭和9年再版「グリム童話(上)」金田鬼一訳
幼稚園に通う男の子のおばあ様からの贈り物です。
グリム童話を語るというのでその日、お孫さんと一緒に来てくださったのです。
園長先生からお手紙と一緒にいただきました。
おばあ様にお会いできなかったことは、大変残念に思いますが、
その手紙から、私に託された想いをしっかり受け止めました。
また、愛情いっぱいに包まれたこの本自体から
「心と心をつなぐ架け橋に」と「グリムの会」を結成した原点に立ち返る機会を得ることができ、
大切なものを贈っていただいたこと、深く感謝しています。
本は、確かにとても傷んでいて、ページをめくるのも慎重になりますが、
旧字で、丁寧に訳された文章は、訳者の想いも知ることができるほどに
素晴らしいのです。
訳者金田鬼一といえば、日本で初めてグリム童話の完訳をした人物。
実は私も、岩波文庫発行「完訳グリム童話集」金田鬼一訳を持っているのですが、
改訳されているせいか、比べてみると、やはり趣に違いがあるのです。
近隣の図書館にあるグリム童話は古いものから新しいものまでほとんど読破していると思いますが、
この、金正堂発行のものは読んだことがありませんでした。
私にとって、本当に宝物の一冊になりました。
じっくり勉強し、脚本作りにも活かしたいと思います。
そして、語りにも活かしたいです。
この本から滲み出ている愛情に、深く心打たれ、感動しました。
まず、最初にはっとしたのは、表紙の裏に書かれたメッセージです。
丁寧なカタカナと漢字とで、
「グリムッテ ドイツノクニノ人デ ニイサンハ ヤーコブ・グリムッテイフノ。
オトウトサンハ ウヱルヘルム・グリムトイヒマス。--------- 」
と、グリム兄弟が聞き伝えしたお話をまとめたこと、グリム童話がたくさんの国で読まれていることなど紹介しています。
そして、
「オトウサンニデモ
カアチャンニデモ
ヨンデイタダキナサイ。
オハナシ オボヘタラ バウヤニ
ハナシテ ヤッテゴラン。」
と、書き記してあります。
なんと、優しい心のこもったお姉さまの贈り物でしょうか。
とても、胸が温かくなりました。
裏表紙には、
「(妹さんの名)チャンへ
プレゼント
セウ ワ 九ネン 十二月二十五日
(お姉さんの名)ネヱチャンヨリ 」
クリスマスのプレゼントだったのでしょうか。
愛が伝わります。
私は、心から思いました。
お姉さんのメッセージも深く胸に刻んで、
このメルヘンの源泉ともいうべき「グリム童話」を
愛情いっぱいに語り続けようと。
今や、グリムは、簡略化された絵本が主体です。
3分で語れるお話になっています。
ちょっと面白い話、ちょっと不思議な話、ちょっと怖い話になっています。
でも、児童の世界の聖書と言われ、何百年も語り継がれてきたグリム童話集は
純粋な真のメルヘンであると思います。
豊かな空想の世界の旅は、少々長い方が面白いのではないでしょうか?
そうは、簡単な道ではありません。
いろんなものに出会います。
知恵も勇気も必要です。
健気さも素直さも根気もです。
そこを通って行くうちに、心の糧になるものがあるのでしょう。
私も、グリム童話の語りレパートリーは、比較的広まっている20話くらいで留まっていました。
グリムのお話からすれば1割にも達していません・・・。
学校訪問などでじっくり語れる機会を検討しながら、
私も、日々、語りのレパートリーを増やせるように精進します。
「グリムを語る」おはなし会、
グリムの世界を存分に楽しめるストーリーテリングの会を開きたいと思っています。
しばらくお休みしていましたが、グリムの会、グリム童話研究も復活しなくちゃと思っています。
一緒に、子どもたち、大人の方にも、グリム語っていきましょう。
謎めいて魅力的なお話いっぱいです!
真面目に募集!!
グリムの会勉強会へ参加希望の方は、ご連絡くださいね~