今日もいい天気です。
昨日は道路に面した木の幹を夫に頼んで途中から切ってもらいました。
祝日でしたので、車の通りも少なくて、道路に幹を落とせ・・・普段、気にしていたことができてよかった。
「木さん、ありがとうね。また元気に芽を出してね」と話しかけることでした。
なんだか、虫にやられて青々とした葉っぱが出てこなくなって、かわいそうだったのです。
そして、今夜はおおぎやなぎちかさんの「友だちの木」を読んだ感想を書きたいと思います。
なんだか、ちかさんに「待っていてね」と申した分、緊張している私がいます
(でも、まあ、私らしく素直に書くことにします)
「友だちの木」この表紙、素敵でしょ。
手触りがよくて、軽くて、そして、なんといっても文字も大きくて、自然に読みたくなります。
私は手にしたときに、とてもワクワクしました。
というのも私は「木」が好き。「木」には「気」があると思っています。
ちかさんの本、グリーンがいいなあ。今の季節にぴったりです。

表紙をめくると、6編の短い物語があります。
30分余りで一気に読みましたが、「いやあ、ちかさん、やったね!」が最初の感想です。
年齢に合わせた文章を書いていることのすばらしさ。
それはその年齢の子どもたちをよく観察してないと書けない。
第一話の「登校班」
1年生のエミリ(絵美里)の気持ちが手に取るようにわかる。登校の集合場所はケヤキの木の下。1年生になって2か月のエミリ。緊張してるから、集合時刻に遅れると悪いなあと思うよね。でもね、上級生が温かい。「おもどりください おもどりください」っていいなあ。これは何のことかわかるかな。うふふ、読むしかないのです!(*^-^*)
リアルな生活も丁寧に描きながらのファンタジーの世界。昔は(今もそう思いたいけど)友だちを思いやるおおらかさがあった。きっと今もあるよね。
文章にあじさいが出てきて嬉しかったな。みんなの優しさを見た。
第二話の「友だちの木」
この話は大好きだった。
読み終わる頃には涙が出た。こういうの、苦手・・泣いちゃうもの。心にジーンときた。
アンズの木。4年生の耕介の気持ちが切々と伝わってくる。いつか海太と甲子園で戦ってほしい。
男の子の友情、男の子の心情もうまいなあ、ちかさん!
イギリス行きに旅情を搔き立てられた。
第三話の「お守り」
3年生のまりな(満里奈)のピアノのレッスンに関わる物語。ヘ音記号がゆかい。思わず、ラがドか・・なんて確認してしまった。自分のピアノレッスンを思い出す。ピアノを習っている子は多いから、興味深く読むだろうと思う。ゆり子先生との会話、この物語で大人も迷いがあることを知ることはいい。新鮮だ。
この物語は以前書かれたのを推敲して(勉強会での作品だ)ほんとに新しいものになっている。びっくり。とても読みやすくわかりやすくなっていた。そのときに書いた原稿はそのときにはどうにもならなくても取っておけば、推敲する日がきて日の目をみるということがひじょうにわかる。
りんごの木が出てくる。
昨年、北海道のリンゴ畑でりんご狩りをしたけど、あのかわいいらしいリンゴの木が浮かぶ。ラストがにくい。自分の力でやっていくのよね。ファンタジーだけど、ラストはリアリティで終わっている。それだからいいなと思う。「じょうぎ、かして」ってお願いするのが本当にいい。
第四話の「ちょっといいかも」
6年生の加奈子と牧帆と有理。この三人の微妙な関係をよく書いてある。複雑な思いの交錯する6年生。
カエデの木。文字式のXやaがおもしろい。読者もそうだ、そうだと思う子も多くて、親しみを感じるだろうなあ。ちかさんの取材力?それとも体験?なんて思ってしまった
第五話「桜の向こうへいったなら」
12歳のアミ(亜美)の物語。アミは私立の中学の受験に悉く落ちて・・・小学2年生のときに、病気で亡くなった双子のミキとおばあちゃん、桜の木、お地蔵さんがキーワード。
ああ、この物語も心にズーンときた。短いストーリーの中に「生きること」を考えさせれた。
好きな話だ。
ラストになるけど第6話「紙飛行機」
怜4年生。
再婚した母が新しく来たあのひとを「パパ」と呼びなさいという。父に対しての思い。
複雑な4年生の心情。離婚家庭も多い。ちかさん、よく書いたのねと思う。
彼女のメッセージが読み取れる。紙飛行機と龍。松の木。
おお、「ひまわり」の映画を思い出した。
そして、ラスト、ラスト・・・字体が変わるのだけど、これまでの6話の物語がつながっている。
すごい。
日常のつながり、ご縁ってこんなものかも。いや結構つながっているものだ。
上手に書いていて、唸ってしまった。
以上、簡単に・・というか、思うままに書いたけど、作者の意図と違うとらえ方をしているかもしれない。でも、本とは作者から離れて世に出れば、読者の解釈なのだ。
いちばんは、よかったかどうかでいいと思う。
その点では、この「友だちの木」は本当によかった。ぜひ、皆さまに薦めたい。
子ども対象の物語だけど、大人も読むべきだし、考えさせられるし、何よりも心が豊かになる気がする。
子どもへの理解も深まると思う。わが子であっても、教えている子どもであっても・・・ね。
そして何よりも自分の生き方を想うのです。
そして、また頑張ろうと思えるのです。
ちかさん、今回も素敵な物語をありがとう。
拙い感想でごめんなさい。
今日もやらなくちゃいけない懸案事項のふたつをクリア。
やはり、ほっとします。
また次の課題、ふたつに取り組みます。
おやすみなさい