駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

空蝉 Round 3 ~その12~

2021年05月13日 | 創作書体
空蝉です。

すべての彫が終わり、目止めをしています。

別の駒のオーダーが入った関係でスピードアップしました。

目止めは、目止め剤を惜しまず、

しかし、しっかり筆で掻き出すのがポイントです。

表裏2回ずつの塗布が終わり、乾燥させているところです。

問題がなければ予定より早く仕上がりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

求む! 西御門 ~その2~

2021年05月11日 | 創作書体
作者不明の書体「西御門」です。

こんな場末のブログでは何の情報も集まりませんでした。

関係していると思われることろに

こちらから連絡をしてみましたが、

やはり情報は得られず、

創作駒センターへも電話をしましたが、

「現在この電話は使われておりません。。」

のアナウンスで万策尽きてしまいました。

発信を続けていれば、

何らかのレスがあるかも知れません。

持っている画像がかなり粗いので、

そのまま字母にはできません。

仕方がないので写真を見ながら、

手書きで字母を作っています。




コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その11~

2021年05月09日 | 創作書体
空蝉の龍王です。

前作より字母紙の位置を数ミリ左へ変更しました。

理由は木地とのバランスですね。

私の場合、木地制作は複数の木地師さんに、

お願いしています。

木地師さんごとに拘りポイントに違いがあって、

それを生かそうとすると、

今回のような微調整が入ることがままあります。

特に最近流行の大振りの駒木地は、

字母紙のサイズを変更せずに、

そのまま貼りますと、

木地に対して駒字が小さく、

中央に集中した様に見える場合があります。

それが似合う書体もあるので、

一概に悪いとは言えないところが難しいところです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その10~

2021年05月05日 | 創作書体
空蝉の王将です。

画数にしてわずか4つですが、

シンプルな文字ほど、

バランスを崩すと酷くなりがちです。

最近、空蝉書の作品をよく見かけます。

どうやら人気のようですね。

ちょっと前に流行っていた魚龍のようになるかな?

書体には流行があるので、

その予兆を捕らえられる様、

アンテナを高くしておきたいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その9~

2021年05月03日 | 創作書体
空蝉の角行です。

天野宗歩の棋譜を並べていますと、

実に角交換型の将棋が多いと感じます。

有名な「遠見の▲1八角」など、

角づかいの名手として有名ですね。

角を手持ちにすることが多いので、

当然、△6九角を防ぐ天野矢倉※になりやすい理屈です。

<※天野矢倉>
  歩歩歩
歩歩銀金
  玉金
香桂

ただし、アマ強豪で有名な早咲誠和さん曰く、

「アマチュアは自陣角を打ったら勝てない」

とのことです。

どんなに格好よくても▲1八角打には注意ですね。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その8~

2021年04月28日 | 創作書体
空蝉の飛車です。

ここでご紹介させて頂いた禽将棋以外にも、

日本には実に多くの将棋(象戯)があるようで、

とある方のメールで和象戯というものを初めて知りました。

その和象戯の中に「飛」の字がついた駒が

飛鷹、鶏飛、鳫飛と3種類も登場します。

当時の方々の、飛ぶことに対する憧れは、

現代の我々が想像する以上に強かったのかもしれませんね。

ちょっとそこまで、、、、、

人もドローンで運んでもらえる日は、

そんなに先ではない気がします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その7~

2021年04月22日 | 創作書体
空蝉の金将です。

最近、天野宗歩の棋譜、

特に角落ち上手の棋譜をよく並べています。

このAI全盛の時代に、

江戸時代の棋譜、しかも角落ちなんか並べてどうしたの!?

と言われそうですが、

これはこれで楽しいものなんです。

角落ち上手では、金将がよく活躍します。

角行が無いハンディキャップを、

接近戦に持ち込んで金将の機動力で補います。

よく「駒落ちの上手みたいな将棋」って言われます。

十中八九「変な将棋」って意味ですが、

私にとっては最高の誉め言葉です。

今日も金将を前線に繰り出します!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その6~

2021年04月20日 | 創作書体
空蝉一字書の銀将です。

最終画をどう仕上げるかが悩ましいところです。

字母紙は墨が滲んでいる関係で、

シマ(中間の空白部分)が無いのですが、

これをそのまま彫るのは、

あんまり格好良くないな、と私は思います。

そう考えて毎回漢字の「又」のように彫るのですが、

全体のバランスを保つのに苦労します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その5~

2021年04月11日 | 創作書体
空蝉の桂馬です。

字母紙では、木偏の一画目と二画目が

墨の滲みでつながってしまっていますが、

きちんと分けて滲みの部分は彫らないのが私流です。

彫駒は彫刻刀で字を刻むのであり、

彫刻刀で字が滲むことはありませんね。

なお、筆で表現する盛上駒は字母紙どおりに作ります。

では、彫埋駒はどうするかといいますと、

私の結論は「字母紙通りに作る」です。

表面が平滑な彫埋駒は、

見た目としては筆を使って、

紙に墨で文字を書いた状態を目指すのが

一番自然だと思っているためです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初桜 ~その1~

2021年04月01日 | 創作書体
新潟にきて一年が経過しました。

日本海側がこんなに寒いところとは予想しておらず、

極寒+コロナの影響で屋内生活がずっと続いていましたが、

そんな新潟にも春が訪れ、いま桜が満開です。


桜満開の公園の横にローソンを発見、

近いづいて行くと真っ先に桜の文字(冒頭の写真)が目に入りました。

うーん。。。。。。。うーん。。。。。。うーん?

。。。。。。。。。。。あっ!閃いた!

急いで家に戻ってパソコンをカタカタ動かし、

イメージができました。





こんなん作れませんかね?

書体名は季語と同じ「初桜」でどうでしょう?

また、お金にならないことを始めてしまいました。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その4~

2021年03月31日 | 創作書体
空蝉の香車です。

空蝉って、セミの抜け殻のことだけと思っていましたが、

他にもいろいろあるんですね。

意味を改めてwikiで調べてみました。

空蟬(うつせみ)は、

1、この世に生きている人間。古語の「現人(うつしおみ)」が訛ったもの。転じて、生きている人間の世界、現世。うつそみ。
2、空蝉 - セミの抜け殻(またはセミそのもの)を指す、夏の季語。
3、空蝉 (源氏物語) - 『源氏物語』五十四帖の巻名の一つ。第3帖。また、その帖を中心に登場する架空の女性の通称。
4、空蝉 (能) - 能の演目。三番目物の本髭物。

なるほどねー

この書体における意味は一体どれなんでしょうね。

どれでも無かったりして。。。。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その3~

2021年03月22日 | 創作書体
空蝉です。

歩兵の表面が彫り終わりました。

印刀の角度を一定に保って彫ると、

太いところは深く、

細いところは浅くなります。

メリハリある立体感が彫駒づくりの肝の一つ、

と私は思っています。

その意味においてこの空蝉書は、

表現がしやすい書体の一つです。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

求む西御門 ~その1~

2021年03月14日 | 創作書体
珍しくも素敵な書体を発見しました。

書体名は西御門(にしみかど)、作者は泉水師とのことです。

前川碁盤店のHPをなんとなーく見ていたら発見し、

画像を拝借致しました。

⇒前川碁盤店

泉水さんはどちらの方かな?

と思ってネット検索しましたが、

一時期、日本将棋連盟でも売っていたらしいこと、

創作駒センターというお店でも売っていたらしいこと、

西御門は鎌倉の方の地名らしいこと、

それ以外の情報はつかめない、謎多き駒の様です。

好みは分かれるかもしれませんが、

私はこういう個性的な書体は好きです。

できれば、ちゃんと許可を頂いた上で作ってみたいですね。

ご存じの方、私が強硬突破する前に、

情報をお寄せ頂きたくお願い申し上げます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その2~

2021年03月06日 | 創作書体
空蝉の歩兵です。

彫りはじめました。

もしかしたら、同じようなことを書いたかもしれませんが、

この書体の主役は、私的にはこの歩兵です。

理由は分かりませんが、

なんとも言えない素敵な字です。

空蝉は私が初めて将棋駒本組を作った書体で、

個人的にも思い入れがあります。

繰り返しになりますが、

書体の主は現代駒師の巨匠、熊澤良尊先生です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空蝉 Round 3 ~その1~

2021年02月22日 | 創作書体
英朋を一気に彫り上げ、

漆の乾燥を待っている間に、

新作の準備に入ります。

次はとあるお客様からオーダーを頂戴しました

空蝉(うつせみ・一字書)です。

以前オークションへ出した拙作をどこかで

ご覧になられたとのことで、

ご用命を頂戴致しました。

本当に有難い事です。

私の駒づくりのコンセプトはただ一つ、

将棋の好きな方が楽しめる駒を作ること。

この空蝉一字書も

「こんな駒あったら対局や棋譜並べが楽しいな」

という視点で創作しています。

普通、駒師は

「タイトル戦で使われるような駒」や

「歴史に残るような駒」づくりを目指すのですが、

そういうものにはまったく興味がないのでご免なさい。

木地は御蔵島黄楊の柾目、少々追い柾も入っていますが、

赤みが強い玄人好みの木地かと思います。

例によって源平に仕上げる予定です。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする