駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

卓上榧盤 ~その1~

2020年07月04日 | 将棋盤
出品中の卓上本榧盤です。

何年前か忘れましたが、

某将棋道場が閉店する際に引き取ったものです。

接合数の少なさと、

天面がオール柾目で揃えられているのが

気に入って譲り受けました。









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将棋盤修理 ~その5~ 

2020年06月15日 | 将棋盤
出品をしましたが、途中で取りやめた盤です。

ご入札がなかったのが不幸中の幸い、

でも「やっぱりやめた」は極力避けたいものです。

ウォッチリストに4名の方がご登録されていましたので、

この場を借りてお詫び申し上げます。



取りやめた理由はこの画像です。

盤が中心から左右に向って反っています。

天面は削りなおしたのですが、

反りは直しませんでした。

出品後、やはりそれがどうしても気になってしまい

取りやめた次第です。



脚を接合する関係上、裏面は無理ですが、

天面は高い部分を鉋(かんな)で削って平滑にしても問題ありません。

最初からちゃんと作業しておけば無駄なく出来たのに、、、馬鹿ですねぇ。







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ご参考 ~その6~

2020年06月11日 | 将棋盤
伐採した材木は最低10年以上、

物によっては30年以上寝かします。

では、寝かさないとどうなるのか?

その答えが(再掲)、



です。

乾燥が足りないと油滲みに加え、曲がりや割れが生じるんですね。

それが分かっていながら盤にして、市場に出すなんて、、、、

節以外の部分を使った卓上盤(接合)にしておけばよかったのに。

木が可哀そう。
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ご参考 ~その5~

2020年06月10日 | 将棋盤
その5まで書いちゃいました

ここまで来ると、ご参考ではありませんね。

さて、画像再掲です。

側面にある巨大な節です。

分かりやすく言えば、

この部分には「枝」があったんですね。

枝を切り落として丸太にしても、

その痕跡は消えません。

自然な姿ですから隠す必要はありません。

その意味において、この盤の作者は潔い。

ご参考 ~その1~の



これに比べれば10倍良いと私は思います。

しかーし、しかしですね、それでも悪意の存在が否定できない。

つづく
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ご参考 ~その4~

2020年06月07日 | 将棋盤
脚接合部分の周囲が凹んでますね。

当ブログをご覧頂いている方は既にご承知、

「オオイレ」ですね。

本榧材でオオイレまであるのですから、

それなりの仕事がなされた盤とおもいきや!



横っ腹に大きな節!



木口にもどーん!&ソバカスのような油滲み!



反対側の木口もバキバキ!

私はこの状態になっている物を、

承知かつ安い値段で買いました。

しかし、もし知らずに新品で買っていたら後悔しまくりでしょうね。

つづく


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ご参考 ~その3~

2020年06月01日 | 将棋盤
FYI..........

英語で「ご参考」はFor your information、

略してFYIって書くんですね。

この歳まで知りませんでした。

よく母親が

「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」

と言っていましたので、

周囲に教えてくれる人がいて幸いでした。

さて、前回の続きです。

私だけの右玉研究情報が漏えいしてはいけませんので(笑)、

駒を片付けました。

時間の経過とともに、本榧盤は艶が出てきます。

でも、この盤は残念ながら「油滲み」が出てますね。

これは主に乾燥不足と保管の仕方が原因です。

裏面を見てみましょう。



うーむ。。。。



割れてますね。痛々しい感じです。

つづく




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ご参考 ~その2~

2020年05月30日 | 将棋盤
駒ではなく盤の話題を取り上げるようになったら、

えらくアクセス数が増えました。

一瞬、複雑な心境になりましたが、

私がこの仕事をしている理由は、

皆様の将棋ライフの充実のためですので、

新たなニーズに気づけたと理解しております。

と言いましても盤は専門外、

発信のレベルは素人に毛の生えた程度ですので、

その点はお含みおき願います。

さて、冒頭の写真は当工房の将棋盤と自作の駒です。

角換わり右玉の棋譜並べをしているところです。

右玉の様に定跡があまり整備されていない戦型は、

事前研究がものを言います。

持ち時間の少ないアマチュアではなおさらです。



カメラを寄せてみました。

ん? 盤が汚れてる?

お気づきになりましたね。

つづく







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将棋盤修理 ~その4~

2020年05月28日 | 将棋盤
駒作りに関する記事の掲載が止まっているのは、

前回記事でご説明のとおり、今回も盤に関することです。

冒頭の写真は現在ヤフオクに出品中の卓上盤、

桂(かつら)柾目の3接合です。

一枚板にしないのは曲がりを避ける意図ですね。

この盤も長年世話になりました。

天面を直しましたので、まだまだ長く使えると思います。

⇒YAHOOオークション
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ご参考 ~その1~

2020年05月22日 | 将棋盤
ネットで偶然みつけた将棋盤の画像です。

すでに違和感を覚えていらっしゃいますね。

近寄ってみましょう。



なんじゃこりゃぁぁぁぁ?

ん~ん?

これは「埋木(うめき)」ですか。

しかし巨大だな。

恐らくこの四角い部分に巨大な節(ふし)か何かが、

あったのでしょうね。

そこを四角くくりぬいて、埋木をして、

上から塗装で隠したと思います。

これだけ巨大な埋木の存在を告げたら誰も買いません。

おそらく黙って売ったのでしょうね。

材料代は二束三文、

知らずに買った方が本当に可哀そう。。。



木口部分です。

バッキバキに割れてます。

そりゃそうですよね、

中心部をガッツリくり抜いて、他の木材を埋め込んでいるんですから、

木は曲がって割れます。

木材を扱っている者には常識、つまりこれは確信犯です。

道徳なき経済は罪悪なり。

埋木だけに盤からうめき声が聞こえてきそう。。。











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将棋盤修理 ~その3~

2020年05月20日 | 将棋盤
盤の天面にマスキングテープを貼り、罫書きの準備です。

(この画像は別の盤です。イメージと思って下さい)

等間隔の印をこのテープに書き入れて、

罫書きが終ったらテープを剥がす要領です。



高級盤ではありませんので油性インクを用いますが、

色々試した結果、今は建築用のペンを使用しています。

これだと線にむらがなく強力です。



話が前後しますが、天面に小さな凹みが散見されます。

棋友の大半は昭和生まれのオジサン、

彼らは熱くなると駒を強打するのですが、

酔っているので駒がうまく着地せず、

駒は角が盤に当たってへんな方向へ飛んで行きます。

(野球の)ピッチャーの投げた球がすっぽ抜けた感じです。

その時に出来るのがこういう深いキズです。

本人たちは酔っぱらいながらも勝負に熱中しているので、

全く覚えていないし、当然悪気もありません。

集中のあまり駒で盤の側面を叩く人もいます。

愛すべき棋友たちが作ったキズも本当は削り落としたいのですが、

これが消えるまで削ると盤が薄くなってしまいますので、

プレーに支障がない程度に抑えます。

どうせまた、キズが出来るので。。。







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将棋盤修理 ~その2~

2020年05月18日 | 将棋盤
脚を外した盤の裏側です。

この画像も一般の方にはやや珍しいかと思います。

四角い接合部分の周囲が脚の形に彫られ凹んでますね。

これを「オオイレ」といいます。

漢字は分かりませんが、

たぶん「覆い入れ」ではないかと勝手に想像しております。

脚を安定させるためのもので、

古いタイプの将棋盤にはありますが、

近年製作されている将棋盤ではほぼ見かけなくなりました。



盤が高値で売れていた時代は、

職人さんが手間暇かけて丁寧に作っていたのが分かります。



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将棋盤修理 ~その1~

2020年05月16日 | 将棋盤
将棋はとても素晴らしいゲームですが、リアル対局の場合、

ソーシャルディスタンスはどうやっても守れませんね。

巷の将棋道場は大丈夫なのかと心配になりますが、

出かける訳にもいかず、毎日屋内で過ごしております。

コロナウイルスでお亡くなりになっている方もいらっしゃいますので、

対局を促進しかねないブログの更新は控えておりましたが、

緊急事態宣言が解除になるエリアも出てまいりましたので、

徐々に再開して参ります。

前置きが長くなりました。

冒頭の画像は我が家の将棋盤です。

桂(かつら)材の一枚板、木裏です。

普段は脚を外して使ってます。



アップで見ますと罫線が無いですね。

天面がかなり傷んだのでカンナで削りました。

すっぴんの桂材はこういう表情をしています。






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