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将棋駒作家のつぶやき

香落ち上手戦記 下手居飛車穴熊1  ~その2~

2019年06月16日 | 対局日誌
●第3図までの指し手
▲9九玉
△9五歩
▲8八銀
△6四歩
▲6八金寄
△6三金
▲7八金寄
△7四歩
▲6八角
△7三桂
▲4六銀


下手が一直線に穴熊へ潜る間に、上手は玉頭攻撃の準備を整えます。
第3図の局面は下手からの▲3五銀が受からず、一本取ったように見えると思いますが、上手としてもこの局面ならまずまず戦える、ぐらいに見ています。
なんといっても、下手の玉が上手の9一香と3三角の筋にダブルで入っているのが大きいですね。

●第4図までの指し手
△4五歩
▲3五銀
△同 銀
▲同 角
△4六歩
▲同 角
△8五桂
▲8六銀
△8四歩


下手は一歩得で銀交換が実現し、悪いはずはない、と思っているでしょう。
それに対する上手の反撃第一弾は1秒で手筋の△4六歩!
▲同歩だと角の動きが悪くなるだけでなく、角が動くと△4六飛が実現するので、下手は悩んで▲同角としましたが、これで上手は下手の角を質駒にしました。
準備が整ったところで、上手は読みを入れてから△8五桂です。局面は香落ちに加え下手の2歩得です。
しかし、駒の効率が全く違いますし、下手はもらったハンディキャップを活かす展開に出来ていません。
次に上手から△9七桂成とされると、下手玉は相当に危険です。事の重大さに気付いた下手は、▲8六銀と辛抱しました。
相手が適切な辛抱をした場合は、こちらも相応の手(△8四歩)で応えるのが基本です。

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