不惑にも到達し,だんだんと世の中のことが分かってきたような気もします。
私は「現場」の人間である,と周囲にも言われるようになりましたし,私もそう思い始めています。
「てこの原理」で物事を動かす人間である,とも言われますし,そう思います。
私は頭があまり良くないので,数字や数学を使った方法論は使いません。「勘」で行きます。
以上のようになってくると,私は物事を動かせるし,世の中も変わってくるんだけど,いわゆる「大学の研究」ぽくないので,予算獲得などで苦労するようになってきました。
「あんたは勝手にできそうだから,勝手にやれ」というようになるわけです。まあ,確かに,私の本当にやりたいことは,そんなに金がかからない。旅費と消耗品費くらいあれば,後は世の中のネットワークでも何でも活用して,成し遂げてしまいます。
大型予算をばらまいて,その中からいくつか良い研究が育ってきます,という従来のトップダウンのやり方もよろしいですが,これからはそういう時代ではない。いろんなヒントが現場に転がっているし,現場で格闘する人たちの知恵が連携,連鎖することが大事。私はそっちで行きます。
すべてはバランスですので,私も何でもかんでも現場,ではありません。基礎研究と実践研究の両輪が重要であることも心底納得しておりますので,基礎研究もやります。SWAT研究会も立ち上げるし,高炉スラグの研究は企業からサポートを持続的に受けて細々と継続するし,自己治癒はここにきてサポートも手厚くなってきました。
最終手段?としては,私財を投入して研究するつもりですので,これ以上の開き直りはないかもしれません。
さすがに今年は当たるだろうと思っていた科研に外れて,開き直りました。
大型予算を獲得される方々は,ぜひ世の中に役立つ研究をなさってください。