細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

不調とともに (5) 品質確保の展開

2015-05-23 18:00:41 | 人生論

20日(水)の夜に前橋に入り、21日、22日と群馬県で開始されるコンクリート構造物の品質確保の研修会に参加してきました。山口県の二宮さんらとともに、研修会の講師としての参加でした。

非常に充実した、素晴らしい研修会になったと思います。これまでの種まきや、計画、研究、作戦、今回の研修会の準備などを主導してきた半井先生のご努力に感服いたします。これから素晴らしい展開になっていくと思いますが、ぜひ、立ち上がりの経緯も含めて、報告文等でしっかりと情報発信していただければと思います。

東日本大震災より前の話ですが、当時、群馬大学で勤務していた半井先生が留学中で、その代理、として私が群馬県の生コンの方々(が中心だったと記憶している。施工者もおられたのかもしれない。)を対象に、コンクリート構造物のひび割れ、について講義を行いました。すでに私が山口県のひび割れ抑制システムと出会った後、でした。かなり熱っぽく、山口県のシステムの素晴らしさを説明したようです。半井先生から、私のこの講義も、一連の群馬での取組みのきっかけになったようであることを、教えてもらいました。

その後、半井先生が主導的に段取りを進めていく中で、研究会で講師として呼ばれたのが、2012年の1月でした。このときは、徳山高専の田村先生、山口県の二宮さんとともに、講師を務めました。それから3年が経過し、群馬県でいよいよ試行工事が始まることになりました。

私も、行政での本格的な展開としては、山口県のシステムと、東北の復興道路のシステムには深く関わってきました。群馬県のシステムについては、側方支援的な関わり方ですが、今回の研修会でも多くの方々と新しく出会えたり、再会できたり、とってもありがたい経験をさせていただいています。「意識の波動」というのか、エネルギーの伝播、というのか、とにかく人と人が交わりあうことは生きていく上での根源であろうと、改めて感じました。

昨日、群馬からの帰りに二宮さんと話していましたが、半井先生がいなければ今日の研修会は無かった(と二宮さんは言いました)。でも、二宮さんがいなければ今日の研修会は無かった、と私は言った(そもそも山口システムが無かったことになるので)。その理屈で行くと、田村先生がいなくても、私がいなくても、今日の研修会は実現していなかった。そうやって、皆がそれぞれの役回りをきちんと演じていくことで、流れができていきます。自分にできることは限られているけれど、やっぱり自分にできることをやろう、と勇気が湧いてきます。新橋駅で二宮さんとお別れするとき、「幸せな気分ですね」と二人が口を揃えて言いました。

品質確保の取組みには、今後も私は関わり続けると思います。この取組みが、結局どのような形になるのか、まだ私にもイメージし切れません。これをしっかりとやり切ることは、私の人生に与えられたミッションの一つなのだろうな、と思い始めています。

どれだけ意義のあることなのか、は分かりません。でも、とんでもなく多くの方々が関わることであることは間違いありません。いろんな業種の方々が、いろんな思いを持って日々生きている。それらの方々が、コンクリートを通してつながるわけです。私の奥底の感性が、この取組みが少なくとも私にとっては極めて大事であることを、知らせてくれています。

そろそろ、「不調とともに」シリーズも終わりかな。今日は、夕方から学祭の巡回要員として出勤。。。終了後、教え子と横浜駅近くの立ち飲み屋で熱く語る予定。。。