私の研究室は、来られたことがある方はご存知と思いますが、多くの小さな居室に分かれて教員、スタッフ、学生が活動しています。
私自身は大部屋が好きな人間ですが、教授、准教授は個室、スタッフ、学生も4つの居室に分かれて活動しています。それとは別に、研究資料やミーティングをするための部屋が一つあります。
現在、カイロ大学教授のHamed先生が、私の招へいにより3週間弱の日本滞在中のため、このミーティングスペースで仕事をしています。
私も彼の滞在期間中、なるべく余計な出張を入れないようにして、共同で指導している複数の研究の議論や実験、数値解析などに時間を費やしています。
昨日、4日は私も終日大学にいたので、ミーティングスペースでなるべく一緒に仕事するようにしました。
共同で指導している中国人留学生の趙君は、レンガアーチ高架橋の耐震解析を研究していますが、Hamed先生の滞在中にレンガ積み部材の載荷試験も行い、数値シミュレーションもHamed先生に指導してもらっています。
昨日の午後は、ミーティングスペースで、趙君がHamed先生に数値シミュレーションの指導を受けていたので、私と、同様の研究に関わってきたバングラデシュの留学生のZerinさんも同席していました。
私は、最終審査の迫ったChamilaの博士論文の添削が急務であったため、ミーティングスペースにいるものの英語の博士論文の添削をしていました。しかし、耳では数値解析の指導の議論を聴いているので、重要な局面になると手を止めて、議論に加わりました。
Hamed先生が、「ミーティングスペースで皆で仕事をするのはとても良いね。お互いに刺激し合うし、何より楽しいし、アイディアも色々と出るし。」と話しました。
皆、同感でした。
大部屋で仕事をする方が、私も集中します。私の仕事をしている姿を皆、見ていると感じるのもその理由の一つでしょう。
自分の仕事をしながらですが、ときどき手を止めて参加する議論では、様々なアイディアも出て、研究が前進します。
小松助教もミーティングスペースでの共有の時間を有効活用しようと努力しているようですが、研究室全体で様々な議論が活性化することを願っています。
昨夜は久しぶりに娘二人と一緒に三人で寝ました。
子どもたちが小さいころは当たり前の光景で、絵本や世界・日本の民話を読み聞かせながら寝ることもしばしばでした。
2013年秋からのフランス渡航、2015年1月の私以外の家族のフランスからの帰国、により、住居環境についても激動が続き、特に家族全員が日本に戻ってからは、娘二人と三人で寝る機会も大きく減ってしまいました。今年は長女が中学受験ということもありなおさらです。
昨夜は、奥さんの帰宅が遅く、私が子供たちと過ごす役割だったので、夏季講習からの帰りの長女のお迎え、夕食、風呂などを済ませ、子ども部屋で三人で寝ました。
次女は久しぶりに三人で寝ることもあり、何か本を読んでほしいと言い出し、結局、宮沢賢治の「注文の多い料理店」になりました。
これまで何度も何度も読んだ本ですが、子どもたちがとても好きな本の一つで、改めて読んでもいろいろと感じさせられる本でした。
風呂に入る前に、子どもたちが写真集をひっぱり出してきて、自分たちの小さいころの保育園に通っていたころの写真を、三人でワイワイ言っていたことも、子どもたちにも何かを感じさせたのでしょうか。
絵本の読み聞かせの後、川の字になって寝る、というのは大人にとっても、子どもにとってもよいものです。何か安らかな気持ちで安心して眠りに付く感覚を抱きます。
いずれ無くなってしまう機会です。まだもうちょっと、自分の娘たちに本の読み聞かせをする機会があるでしょうから、大事にしたいと思います。
年を重ねるごとに、家族との関係は変化していきますが、今は今でもちろん楽しく、今後も変化していくこと自体を味わっていければと思います。