今日の午前、私が主査を務める博士論文の審査会が無事に終わりました。
スリランカからの留学生、Chamilaの博士論文で、論文タイトルの和訳は「NATMトンネルの二次覆工コンクリート天端部に発生する軸方向ひび割れ抑制のための応力の経時変化の分析」です。
東北の復興道路等で、トンネルの品質確保に深く関わるようになったため、この研究テーマを設定しました。
私が主査を務める博士論文は、これで6つ目になります。そのうちの一つは2016年3月に修了の二宮さんの山口システムのもので、残りの5つが研究室の博士課程の学生たちのものになります。5つのうち4つが留学生(ベトナム、パキスタン、ベトナム、スリランカ)の論文です。残りの1つが、助教の小松さんの論文です。
博士課程の学生たちの博士論文は毎回死闘に近い様相となりますが、今回もよく頑張ってくれたと思います。私も、温度応力解析や、トンネルの二次覆工コンクリートの挙動、実構造物での計測等について深く勉強させてもらいました。学んだことは、もちろん今後の実構造物での品質確保、ひび割れ抑制、に活用させていただきます。
博士論文の研究は、大学の教員の仕事の中でも最重要業務の一つ、と私は思っておりまして、当然ですが相当に私の時間も費やします。今回のChamilaの場合も、トータルでは相当な時間を費やして、議論を重ねたかと思います。
彼の1年目に私のフランス渡航が重なっていたことや、実構造物での計測での検証も行っていたこともあり、ジャーナル論文への投稿ができておらず、それはこれからのお楽しみになります。
今夜は、彼の労をねぎらうための、二人での食事会です。お互い、いろいろと思いがあると思うので、それを交換し合って、今後の関係につなげます。
今後も、博士論文のテーマ設定に頭を悩まさないことはないだろうし、私の研究の力量からして、まだしばらく死闘が続くだろうし、最後までそうなるかもな、と思っています。
研究が上手な研究者ではありませんが、それでもやはり、研究から最も多くのことを学び続けていますし、やっぱり研究が好きなのだな、と感じます。
明日は、招へいしているカイロ大学のハメド先生の実質的な最終日。共同で指導している中国人留学生のレンガ積み供試体の載荷試験です。暑い実験室ですが、久しぶりの大型載荷試験で、私も楽しみです。