細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

生産性向上

2017-11-25 08:40:17 | 研究のこと

総人口の減少は軽微で、生産年齢人口が急減し始めてた、というのが正しい現状認識かと思います。

総人口はすなわち需要に相当する、とも解釈でき、生産年齢人口は供給の中核に相当する、と解釈できます。

需要を満たす供給力が相対的に減少する度合いが大きくなっていくので、生産性向上は国家としての大きな課題です。同時に、自然と給料も大幅に上がっていくべきですが、その真逆の方向に向かっている業種もあります。不適切な政策のせいです。

建設(土木)の分野でも生産性向上が大きなテーマとなり、国交省の主導で実践も始まっています。

コンクリートの分野でも、最先端の技術と社会で実装されているシステムに乖離があるものも少なくありませんでしたが、少しずつ、確実に社会実装が進んでいく雰囲気を感じています。システムの革新を唱えるかたもおられますが、私は先人への敬意も大切に、システムの改善の方を好みます。

まだ時間はかかるかもしれませんが、現場の生産性向上のために高流動コンクリート(願わくば、人が手をかけないことでこそ最大のパフォーマンスが発揮される、自己充填コンクリート)が普通に用いられ、しかもひび割れ等につながる発熱や収縮を低減するためにフライアッシュや砕石粉等のいわゆる廃棄物が有効に活用され、施工に起因する初期欠陥もなく、社会を支えるインフラが建設されていく。生産性向上、高品質、環境負荷低減、国土強靭化、経済発展、等がコンクリートを通して実現されていく。

これはワクワクする状況です。

上記のような観点を、現在行っている私の研究プロジェクトにおいても盛り込んでいくことにしました。研究の方向性を大きく変える必要はなく、そういう観点を付加していくだけでよいと思っています。

11月22日に香川の高松で行われた品質・耐久性確保の講習会・シンポジウムにおいても、上記の観点で講演をしました。

約1ヵ月後が締切りの研究予算申請においても、上記の観点で申請書を作成します。まだ完全にクリアではありませんが、少し新たな視野が開けたような感覚を持っています。