90分の講義を最初から最後の隅々の時間まで、大切に使うように設計している「土木史と技術者倫理」(都市科学部では「土木史と文明」に講義名が変わりました)ですが、紹介した図書もファイルにまとめてあります。
合計で60冊でしょうか。2/2時点では最新版がアップされていませんが、すぐに最終版がアップされます。
紹介する対象が学生ですので、その点をご勘案の上、参考にしていただければと思います。
学部3年の今井 健太朗君のレポートです。
①はじめに
「7つの習慣」の第1から第3の習慣までを読んで考えたこと、感じたこと、議論の中で生まれた考えなどを以下に記述し、最後に現時点でのミッション・ステートメントを述べる。これから記載する範囲に第1から第3の習慣までと制限を設けたのは、第4以降は他者との関係性や関わり方について述べたものであったため、現時点でのわたしのとっては主体的であるなどの私的成功に至っておらず、机上の空論になってしまうためである。
②読書し考えたこと、感じたこと
インサイドアウトやパラダイム、原則という概念の導入から、主体的であること、最優先事項を優先することなどさまざまな項目があるが、そのどれかを実践するという話ではなく、自身の生活においてその全てが自然に行われているようにあるというのが最終目標であるということが重要であるように思う。
なかでも、主体的な人間であるということは達成することが非常に困難な状態の課題である。他者からの影響によってではなく自分の選択によって結果が決まるという項目を理解することは可能でも、日常生活で唯一、簡単には実践の段階に至れないものであるよう思えた。
③議論の中で感じたこと
同じ本を読んで議論に向かっているのに、誰一人として感想や意見が一致せず聞いていて非常に面白かった。語句や内容の解釈が違うことで同じ文章から受ける印象が違い、実例に則した課題や相談に対して自分では考えられないようなアプローチを聞くことができ、非常に有意義な時間をすごせたように思える。
④議論を通して自分の中で変化が見られたこと
主体的な人間の特徴として、他人の話をよく聞き、立場を理解することに努めるという記述が本書の中にあったとおり、議論の場では極力他人の話に耳を傾けることにしていた。ミッション・ステートメントを仮作成して行った議論では他人に対する配慮が欠けていることを気付かされ、細田先生が死生観についておっしゃっていたときも、まわりとの意見の違いから改めて「死」というものについて考えさせられる好機を得た。パラダイムが凝り固まったものであったことを痛感させられ、主に「他者」という存在を意識して思考するようになった。
⑤現在のミッション・ステートメント
以上より、わたしのミッション・ステートメントにおいて「主体性」という方針に「他者」という要素が加わり、「自主的な思考判断により、人生を自由に選択する」というミッションを達成するために以下の原則を持つ。
・他者の影響を恐れない
外的要因による変化を受け入れる
・選択を他者に委ねない
常に思考した上での行動を心がける
・役割を意識し、さまざまなアプローチを心がける
兄、3年生、アルバイトなど状況に応じて考え方を変え、その場に応じた最適解を探す。
・優先順位に基づいた行動をとる
第2領域を意識しつつ行動の優先順位を把握するよう努力する。
・他者への配慮を忘れない
相手の立場を理解すること、発言の意図を考慮することに努める
以上の原則を自分の中心におく。2017年12月7日現在のミッション・ステートメントであり、更新を怠らない。
⑥少人数ゼミを受けた感想
対話形式で議論を行うことで刺激的な経験を得ることができた。また、7つの習慣という本との出会いもこのゼミがなければ無いものだったので、これからの人生に活かしていくエッセンスを多く得られた、非常に有意義な時間をすごすことができた。ミッション・ステートメントを考え始めてから日が浅いため、拙い内容で再構成の余地が大いにあると思われる。簡潔にまとめるつもりが長くなってしまったのは、文章力と発想をまとめる力の欠如の表れなので反省したい。
学部3年の三宅 佑君のレポートです。
タイトル「プレゼミを通して」
今回は、5回のプレゼミを通して自分の中で3つのパラダイム転換が起きたので、1つ1つここに書いていきたいと思っています。
まず1つ目は、いたって簡単なことで、読書がいかに大切であったかということです。常々、大学になってから本を読まなくてはとは思っていましたが、何かにつけて言い訳にしていて、実際はあまり本を読んでいませんでした。ですが、このプレゼミにおいて「7つの習慣」や、「後世の最大遺物」を読んでいくうちに、自分はとことん無知なのだと、強く感じました。本というのは、それを書いた人が生きている今を、どのように感じ、どのように解釈したかが鮮明に伝わってくるなと、この年になって理解しました。つまりその年代の鏡のような存在となって、今この瞬間を生きる自分たちに投げかけてくれているのが本だということに気づかされました。まさに自分にとって本というもののパラダイム転換でした。
2つ目は、日々自分にテコ入れをすることです。まさに、今までは流れによって生きてきました。その時が楽しければいいと言った変な偏見がありました。うすうすは気づいてはいました。それがいけないことであり、立ち返った後に必ず後悔するということはわかってはいました。しかしながら自分の意識の弱さと、その偏見を根こそぎ変えるだけのパラダイム転換に出会っていませんでした。しかし、今回の7つの習慣を読み、自分自身を律し、向き合っていけるのは自分しかいないということを痛感させられました。最優先事項を決めるということがまさに、自分のできていなかった最たる例だと思います。このことは、自分自身と向き合う時間を与えてくれて、また今やるべきこと、というのが見えてきました。常に日々の中でも「今これは大事なのか」ということは強く思うようになりました。時間を効率よく過ごすことができて、未熟ではありますが、この先も結果がどうあれ、納得して過ごしていくことができそうなので、とても為になったと感じています。
3つ目は、自分自身のミッションステートメントを立てるということです。これは正直まだまだ改善の余地があるし、日々更新していくものだと思います。ですが、そのミッションステートメントの土台となるようなもの、つまり自分は何のために生きているのかということは子供のころから決まっていたものがあったので、草案ではありますが、現時点でのミッションステートメントをここに記載したいと思います。
【大前提】
自分はより多くの人を助ける。
自分を貫く。
【自分自身】
何事にも全力でやる。
目的を持つ。
何事にも興味を持つ。
無知であると理解する。
日々テコ入れをする。(自分自身への報連相)
日々勉強をする
【対人関係】
悪いことを悪いといえる。
組織の中で一番率先して動く。
誰にでも聞く耳を持つ。
感謝の気持ちを伝える。(すみませんではなくありがとう)
学部3年の中村 航君のレポートです。
タイトル「少人数ゼミを通じて考えたこと」
これまでの私は、自身のコントロールややる気を他人に依存して生活してきた。過去の私を振り返ると、負けず嫌いで必要以上に集団での優劣を意識し、他人よりも優れていたい気持ちが先行しており視野が狭く無理をしていた。しかし未来の自分を想像したとき、このままでは仕事での成功ばかりを追い求め本当に必要なことに時間を使えず、人生に後悔してしまうと感じた。今回「7つの習慣」を読み、自分の中心にある物は“頼られたい気持ち”であり“周りの人が幸せに感じ生活できること”こそが自分の生きがいなのだと気づくことができた。そしてそのためには影響の輪を見極め、自らの原則に従い生活することが重要である。今回のゼミを通じて今後の人生におけるミッションステートメントを考えたので記していく。
1. 「正しさを理解し、表面的なルールでなく本質をとらえた行動をとる。」
私はこれまで結果にこだわって生活してきた。もちろん結果は重要だがその結果に至るまでの内容にこそ本当の価値が存在するのだと思う。日頃の取り組みを具現化するものが結果であり、結果までのプロセスを大事にする人間に今後はなる。
2. 「全てのことは日々の積み重ねであり、負の感情を抱いたとき衝突せずに相手にどう映っているか考える。」
日々おこることは、私がこれまでに選択してきたことの結果であり、直面する問題は自らが導いたものだと思う。だからこそ問題の原因を相手でなく、自分にあると考えることで影響の輪を広げることができる。
3. 「人との関わりを大事にし、すべての人が心地よさを感じられるような行動をとる。」
私はいろんな人々に支えられて生活しており、日常を当たり前だと思わず感謝の心を持つようにする。そして自らも周りの人が心地よさを感じられるような行動をとることを意識し生活する。
4. 「自然を愛し、技術を愛するために勉学に対し真摯に取り組む。」
土木工学は人々のためにある学問である。先人方が築かれた物の偉大さに気づき、後世へと引き継ぐため、まずは勉学に対し清き心で取り組む。そして地球を愛し、環境への配慮ができる技術者になる。
今後はその日における全ての選択を自分の原則に従うようにし、毎朝ミッションステートメントを確認して日々を送ろうと思う。
私が開講した少人数ゼミ「人間学とリーダーシップについて考える」は昨年に終了しましたが、「7つの習慣」を共通の課題図書とし、副読本は各自が読み、すでに研究室配属されている先輩の学生4名も含め、私も一員となって議論しました。
昨年12月に提出してもらったレポートは公開を前提に書いてもらいましたので、遅くなりましたが一つずつ公開していきます。
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学部3年 福原冴基君のレポートです。
タイトル「私の生き方を考える」
1. ゼミを通した考察
① 自分を見る
あらゆる刺激に対して自分を客観視して行動の選択を行うことは,何者にも侵されることのない自分の自由な権利になる.刺激に反応的な人間は主体性がなく行動選択の自由権がないことから,関心の輪が拡大せずさらに周囲に影響の輪を拡大できない.主体的に自分を見ることで能動的に行動でき,関心の輪と影響の輪をバランスよく広げることで次のステップである自分の使命を考えることができる.
② 自分の使命を考える
人間の中心があるもの・人に偏っていると,他のもの・人に対する価値観を失ってしまう.主体的に自分の内面を深く見つめ,人間らしい自分の「高尚なる勇ましい生き方」を考えていく必要があると考えられる.この生き方を考えていくことで関心の輪と影響の輪のバランスを取りながらさまざまなもの・人に対する価値観もバランスよく向上する.さらに,この高尚なる勇ましい生き方を中心にもの・人に対する自分の役割‐使命を考えて行動することで適切な影響の輪を広げ,後世に自分が持っていた人生のバトンを託すことができるのである.
③ 自分を時間管理する
時間管理は緊急度と重要度の2つが関わるが,自分の使命をクリアするためには緊急でないが重要であることの活動を拡大することが重要である.活動例として挙げられるのは読書や趣味であると考えられ,本は多くの著者の精神を感じ取って言葉を咀嚼して吸収することで関心の輪が広がり,趣味は心身のリラックスにとても重要な活動となると考えられる.
2. 自分自身への適用と私の生き方
少人数ゼミを通して自分自身について考え始める前は,自分がどう生きたいか,といよりは,自分がなにをしたいか,に重点を置いて将来について考えていた.しかしそれでは私が生きた証が残るというよりは「漠然と自己中心にただ生きているような感覚」であるような偏った考え方をしていたと少人数ゼミを通して感じた.主体的に行動することによって自分を客観視できる上に関心の輪の拡大によって世の中の様々な課題把握をすることができる.その課題に対する当事者意識を持てるようになれば,自分の主体性が確保され,課題に対して自分自身がどのような役割を持って生きて,解決できるように努力できるかを考えることが私の生き方を考えるうえで重要なファクターになると考えられる.そのために私は使命を常に意識し,読書や趣味などの時間を拡大して個人のマネジメントを怠らないようにしたい.