細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

本日昼休みのYNU研究者哲学サロンでの冒頭あいさつ

2018-02-23 09:40:25 | 研究のこと

本日昼休み、図書館中央メディアホールにてYNU研究者哲学サロンです。

司会進行の私の冒頭あいさつを、珍しく文章にまとめました。以下が原稿です。

「皆さん,こんんちは。

今日は,YNU研究者哲学サロンにお越しいただき,ありがとうございます。

主催のYNU21を語る会を代表いたしまして,サロンの趣旨をご説明いたします。本日の司会進行を務めます,都市イノベーション研究院の細田 暁と申します。よろしくお願いいたします。

YNU21を語る会とは,本学のあり方等を議論するため,各分野の若手中堅教員が集まり,長谷部学長の下に設置されたチームです。2年強,活動してきました。各教員が自身の研究・教育活動を発表し合い,自由に哲学を語り合う場からスタートし,私自身も極めて楽しく会合に参加してまいりました。私見ですが,大学,社会がまさに音を立てて壊れんとする中,仮に私自身がまっとうな人間であるとすれば,まだいくばくかの常識,正気が大学に残っていることを感じる数少ない場であると思っています。

本日は,研究者哲学サロンです。J.S.ミルによれば,大学とは社会にすぐに貢献する人材を育てるところではなく,知性・教養のある人間が育つための場です。そういう人間は,自然に社会に貢献できる人材に育ちます。そして,真実を探求するという困難なプロセスにおいてのみ,真に知性が磨かれる,と説きました。よって,研究とは,大学がもっとも大切にすべき根幹的営みの一つであろうと考えます。

私は,会議などよりも,本当に聴きたい研究者哲学を聴き,語り合い,議論することの方が重要と思います。来年度からの本格シリーズ開催のために,今回は特別なプレ開催となりますが,藤野陽三先生と長谷部学長にご登壇いただくこととしました。

藤野先生は,内閣府SIPのインフラ維持管理・ 更新・マネジメント技術 のプログラムディレクターを務めておられ,まさに分野の境界を越えた総合的な共同研究を主導しておられます。先生の座右の書に,京都大学名誉教授の梅棹忠夫先生の「研究経営論」があり,本日は梅棹哲学も踏まえた先生の研究者哲学を存分に語っていただけるものと期待しております。

皆さんご存知の長谷部先生には,丸山真男の説いた,ささら型の大学と,ささらの根底にあるべき哲学,について語っていただけるものと思います。

サロンという場は,実は日本に向いているように私は思っています。歌会のように詩歌等の芸術は我が国ではサロン的な場から誕生する伝統があったようにも思います。

YNUが輝くように,そして日本が本来のまっとうなあり方を取り戻せるように,この研究者哲学サロンが有意義な時間になることを期待しております。」

ぜひ、今回のプレ開催、そして来年度の本格シリーズ開催にも、ご参加ください!