大学は年度末の繁忙期、ということで様々な業務を並行して行っていますが、土木史の講義のレポートの採点ももうすぐ終わりそうです。
以下、環境リスク共生学科という、私たちも属する都市科学部(H29年度創設)の他学科の女子学生(1年生)の最終回のレポートです。この学科の学生のレポートは面白いものが多く、今後、都市科学部は楽しみですね。
「タイトル:土木と人間
この土木史と文明という授業では、人間の暮らしの全てを支える土木について幅広く学ぶことができたのと同時に、人間として社会に貢献するためにあるべき姿を学ぶことができた。
講義の初めの方は正直不満であった。私は土木に興味があってもっと多くのことを知りたくてこの授業を取ったのに、どうして30分も精神論を聴かなくてはならないのだろうか。その30分でより深く土木の話をして欲しい。そう思っていた。しかし、講義の回数を重ねるにつれて、その考えが大変愚かなことであることに気付かされた。
土木とは普段、我々の意識の外に存在する。そこら中にありすぎて、あることが当たり前すぎて意識することができないでいる。それほどまでに土木とは無くてはならない、人間の暮らしを根底から支えるものである。そしてその土木を作るのは全て人間である。
人間が作り上げたものによって人間は暮らしている。土木とは人間であり、土木史とは人間の歴史なのである。人間がおかしくなったとき土木もおかしくなる。土木がおかしくなったとき人間は崩壊する。この悪循環がこれまで築いてきた文明を破壊するのだ。
強い社会をつくるためにも、新しい時代をつくる私たちこそが強くなる必要がある。毎授業で先生が熱く伝えてくれたことこそが人間を、土木を、そして社会を強くする。」
うーん、講義をさせていただき、感謝いたします。。。
大学の研究、教育環境が年々厳しい状況に追い込まれていることは、最近は報道等でもなされるようになってきました。実際に生身で体験している私からすると、やや麻痺している感もありますが、研究者、教育者として自分にでき得ることをやるしかない、と思って日々生きています。
このままの我が国の状況がいつまでも続くとは思わず(続けば破滅)、何かを契機にいつかは方向性も変化するとは思いますが、現状においても誠実に生きる我々にできることは、何かあるはずです。
2月23日(金)の昼休みに以下の「YNU研究哲学サロン」が開催されます。本格的には来年度にシリーズで開催される予定で、今回は豪華なスピーカーをお二人お呼びして、司会は私が務める「プレ開催」です。
YNU研究サロン、なるものを2/23昼に開催することだけが先に決まり、内容は何でもいい、とのことだったので、1/19のYNU21という会議で私が発案し、皆さんと議論しながら以下の企画に固まりました。「哲学」が重要と思っておりまして、藤野陽三先生に、先生の座右の書の一つである梅棹忠夫先生の「研究経営論」から学ばれた研究哲学も踏まえ、学際的な共同研究のあり方について語っていただくことにしました。
長谷部学長の「ささら」哲学のお話もいただき、その後には、活発な研究哲学談義が花咲くことを期待しております。
ぜひぜひご参集くださいませ!