猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

口径50cm, 焦点距離2,500mmの巨大ニュートン式望遠鏡

2019-12-05 18:41:54 | 天体望遠鏡

人生にはなにが起こるか、どんな出会いがあるか、わかったものではありませんね。

赤道儀と望遠鏡合わせて、総重量1トン級の機材を自由に使わせてもらう機会に恵まれています。

40年近く前に設置された望遠鏡らしい。
手作り感満載の望遠鏡です。
赤道儀もおそらくこの1台のみの特注品。

こんなものが、15年くらい放置されていたようです。

2018年12月にこの物件が発掘され、僕は今年の5月からこの望遠鏡や、望遠鏡が収納されている観測小屋の改修作業に参加してきました。

そしてこの2019/11/30に、やっと望遠鏡の稼働までたどり着いたのでした。

口径50cm、焦点距離2,500mmの巨大ニュートンは圧巻ですが、15年くらい放置されていた、40年前の望遠鏡ですので、主鏡は曇っています。
が、なんとか使えそうなレベル。

(巨大ニュートンが口径35cm, 焦点距離2,700のカセグレンをしょっていますが、カセグレンの主鏡は使い物にならないくらいに曇っています。)




赤道儀も望遠鏡もあまりに巨大で、一人では扱えないです。
使い方をわかっている人が最低2人がかりで稼働させるのが無難な代物です。

改修作業は難題に次ぐ難題を一つ一つ丁寧に解決していく、根性のいる作業でしたが、ほとんどは友人の創意工夫で乗り越えてきました。

その過程はまたの機会にお話しできればと。

今回は、この1年間の集大成を紹介するにとどめようかと思います。

15年ぶりくらいに再稼働した望遠鏡で撮った写真です。

オートガイドはできませんので、すべてノータッチガイド。
カメラはすべてEOS 60Daです。
EOS 60DaはセンサーがAPS-Cなので、画角は4,000mm相当になります。
下の写真は注釈がない限り、ノートリミングです。


M45 スバルのメローペ
ISO 6400 60sec 4枚コンポジット
焦点距離2,500mmなので、当然、M45は画面に収まり切りません。
なので、星間ガスを撮るべく、メローペのみに焦点を合わせました。
普段の常識では考えられない画角です。





M42 オリオン大星雲
ISO 6400 60sec 4枚コンポジット




馬頭星雲
ISO 6400 60sec 8枚コンポジット




M81 渦巻き銀河
ISO 6400 180sec 8枚コンポジット



トリミングしたのがこれ。




M82 葉巻銀河
ISO 6400 120sec 4枚コンポジット




M51 子持ち銀河
ISO 6400 180sec 4枚コンポジット





圧巻の画像です。
シンチレーションが悪く、星が揺らいでいる夜だったので、星が膨化して写ってしまうのはしかたがないかと。

スバルのメローペ以外の写真は、主鏡が結露したかな?

いずれにせよ、これは、今後が楽しみです。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
★凄い!凄い!★ ((^0^)コメト)
2019-12-10 22:24:36
いや~もの凄い望遠鏡です!○ 〇;
それと、良くぞここ迄整備されました。
1年掛かったと言いますが、設計がしっかりとした望遠鏡なので、
それも適ったのだと思います。

実物を拝見させて頂きましたが、可動にはやはり安全を考えて
2人態勢が必要に感じます。(^0^;
これを前任者は一人で操作していたのでせうか?
また、何を主目的に観測されちたのでせうか?
写真?眼視?興味が湧きます。

星像が一部で甘いようにも感じますが、少しの曇りがどこかに
あるようにも見え、結露。。かもしれませんネ。
いずれにしてもこれは改善の余地があるように思え、今後が楽しみであります。(^0^v

実は先日来、大型の望遠鏡に何かと触れる機会があり、
逃しはしましたが、1m反射、50㎝反射の方、、以前に何度か
お伺いはしております。
今回は観望会が延期となって再見とはなりませんでしたが、
四国からの知人とかは訪問でした。(^0^8

この四国の方は、前夜に某望遠鏡メーカで忘年会、翌日は1mの方を訪問、
翌月曜に横浜の高校の47cmニュ-トンを分解し、四国へ運搬する
前作業でした。
来週末には搬出を完了させる予定にしており、いや~タフでつ。〇 〇8

分解だけは一部お手伝いしましたが、70年以上前のニュ-トンは
頑丈な造りで重くて大きくて難物でした。(~ ~;
これも1t以上はある大物で、建屋の4Fにあるのでした。
先日の台風でドームのスリットが破壊され、取り壊しの予定だそうです。

最近はこのような大型望遠鏡の無人化が進んでいるようで、
何とも残念ですが、これを生かせる世代の台頭を望んで
止まない(^0^)でした。
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Unknown (demio)
2019-12-11 21:04:24
観測所と望遠鏡の整備、お疲れさまです。
その甲斐あってか迫力の画像ですね。
多少画像が甘いのは大口径がシーイングの影響を受けている事も考えられます。
眼視での観望はされたのでしょうか?。
春先で大気が安定した時の系外銀河が楽しみですね。
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> ★凄い!凄い!★ (猫五郎)
2019-12-22 17:56:45
(^0^)コメトさん
本当にいい望遠鏡に出会えました。
これを半世紀近く前に、個人で、というのがすごい。
これを作った方については、僕も知りたいところですが、現時点でご家族からあまり情報が出てきてません。
直接お会いした時に聞いてみます。
寝具や食器が3人分あったし、そもそも、この機材、一人での稼働は難易度が高いですから、やはり複数で操作していたのではないでしょうか?
現像液など、現像道具も現場にあったそうですから、写真を撮っていたことは間違いないです。
が、今のところ、写真は出てきていません。

星像を追求すべく、ニュートンの主鏡用に乾燥空気装置を2台、用意しました。
が、なんせ直径50cmもあるので、2台で足りるかどうかはやってみないとわかりません。

次回が楽しみです。

このような放置された巨大望遠鏡が日本各地にあるんですね。
有効利用したいものですね。
望遠鏡、回収・レストアボランティア、お疲れ様です。
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Unknown (> demioさん)
2019-12-22 18:04:37
demioさん
今回の人との繋がりや、望遠鏡との出会いは、人生の宝と感じています。
乾燥空気装置を使うことで、今後どれだけ星像がシャープになるか、楽しみです。
眼視、いずれ挑戦してみたいですが、2mの脚立の上に乗らないと接眼部に届かないので、カメラが楽です。
10mのUSBケーブルを使って、カメラとパソコンを繋いで操作してます。
今後の成果をお待ちください (^^)
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