人生にはなにが起こるか、どんな出会いがあるか、わかったものではありませんね。
赤道儀と望遠鏡合わせて、総重量1トン級の機材を自由に使わせてもらう機会に恵まれています。
40年近く前に設置された望遠鏡らしい。
手作り感満載の望遠鏡です。
赤道儀もおそらくこの1台のみの特注品。
こんなものが、15年くらい放置されていたようです。
2018年12月にこの物件が発掘され、僕は今年の5月からこの望遠鏡や、望遠鏡が収納されている観測小屋の改修作業に参加してきました。
そしてこの2019/11/30に、やっと望遠鏡の稼働までたどり着いたのでした。
口径50cm、焦点距離2,500mmの巨大ニュートンは圧巻ですが、15年くらい放置されていた、40年前の望遠鏡ですので、主鏡は曇っています。
が、なんとか使えそうなレベル。
(巨大ニュートンが口径35cm, 焦点距離2,700のカセグレンをしょっていますが、カセグレンの主鏡は使い物にならないくらいに曇っています。)
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赤道儀も望遠鏡もあまりに巨大で、一人では扱えないです。
使い方をわかっている人が最低2人がかりで稼働させるのが無難な代物です。
改修作業は難題に次ぐ難題を一つ一つ丁寧に解決していく、根性のいる作業でしたが、ほとんどは友人の創意工夫で乗り越えてきました。
その過程はまたの機会にお話しできればと。
今回は、この1年間の集大成を紹介するにとどめようかと思います。
15年ぶりくらいに再稼働した望遠鏡で撮った写真です。
オートガイドはできませんので、すべてノータッチガイド。
カメラはすべてEOS 60Daです。
EOS 60DaはセンサーがAPS-Cなので、画角は4,000mm相当になります。
下の写真は注釈がない限り、ノートリミングです。
M45 スバルのメローペ
ISO 6400 60sec 4枚コンポジット
焦点距離2,500mmなので、当然、M45は画面に収まり切りません。
なので、星間ガスを撮るべく、メローペのみに焦点を合わせました。
普段の常識では考えられない画角です。
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M42 オリオン大星雲
ISO 6400 60sec 4枚コンポジット
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馬頭星雲
ISO 6400 60sec 8枚コンポジット
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M81 渦巻き銀河
ISO 6400 180sec 8枚コンポジット
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トリミングしたのがこれ。
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M82 葉巻銀河
ISO 6400 120sec 4枚コンポジット
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M51 子持ち銀河
ISO 6400 180sec 4枚コンポジット
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圧巻の画像です。
シンチレーションが悪く、星が揺らいでいる夜だったので、星が膨化して写ってしまうのはしかたがないかと。
スバルのメローペ以外の写真は、主鏡が結露したかな?
いずれにせよ、これは、今後が楽しみです。
それと、良くぞここ迄整備されました。
1年掛かったと言いますが、設計がしっかりとした望遠鏡なので、
それも適ったのだと思います。
実物を拝見させて頂きましたが、可動にはやはり安全を考えて
2人態勢が必要に感じます。(^0^;
これを前任者は一人で操作していたのでせうか?
また、何を主目的に観測されちたのでせうか?
写真?眼視?興味が湧きます。
星像が一部で甘いようにも感じますが、少しの曇りがどこかに
あるようにも見え、結露。。かもしれませんネ。
いずれにしてもこれは改善の余地があるように思え、今後が楽しみであります。(^0^v
実は先日来、大型の望遠鏡に何かと触れる機会があり、
逃しはしましたが、1m反射、50㎝反射の方、、以前に何度か
お伺いはしております。
今回は観望会が延期となって再見とはなりませんでしたが、
四国からの知人とかは訪問でした。(^0^8
この四国の方は、前夜に某望遠鏡メーカで忘年会、翌日は1mの方を訪問、
翌月曜に横浜の高校の47cmニュ-トンを分解し、四国へ運搬する
前作業でした。
来週末には搬出を完了させる予定にしており、いや~タフでつ。〇 〇8
分解だけは一部お手伝いしましたが、70年以上前のニュ-トンは
頑丈な造りで重くて大きくて難物でした。(~ ~;
これも1t以上はある大物で、建屋の4Fにあるのでした。
先日の台風でドームのスリットが破壊され、取り壊しの予定だそうです。
最近はこのような大型望遠鏡の無人化が進んでいるようで、
何とも残念ですが、これを生かせる世代の台頭を望んで
止まない(^0^)でした。
その甲斐あってか迫力の画像ですね。
多少画像が甘いのは大口径がシーイングの影響を受けている事も考えられます。
眼視での観望はされたのでしょうか?。
春先で大気が安定した時の系外銀河が楽しみですね。
本当にいい望遠鏡に出会えました。
これを半世紀近く前に、個人で、というのがすごい。
これを作った方については、僕も知りたいところですが、現時点でご家族からあまり情報が出てきてません。
直接お会いした時に聞いてみます。
寝具や食器が3人分あったし、そもそも、この機材、一人での稼働は難易度が高いですから、やはり複数で操作していたのではないでしょうか?
現像液など、現像道具も現場にあったそうですから、写真を撮っていたことは間違いないです。
が、今のところ、写真は出てきていません。
星像を追求すべく、ニュートンの主鏡用に乾燥空気装置を2台、用意しました。
が、なんせ直径50cmもあるので、2台で足りるかどうかはやってみないとわかりません。
次回が楽しみです。
このような放置された巨大望遠鏡が日本各地にあるんですね。
有効利用したいものですね。
望遠鏡、回収・レストアボランティア、お疲れ様です。
今回の人との繋がりや、望遠鏡との出会いは、人生の宝と感じています。
乾燥空気装置を使うことで、今後どれだけ星像がシャープになるか、楽しみです。
眼視、いずれ挑戦してみたいですが、2mの脚立の上に乗らないと接眼部に届かないので、カメラが楽です。
10mのUSBケーブルを使って、カメラとパソコンを繋いで操作してます。
今後の成果をお待ちください (^^)