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三連休
日中は工作をしていました。
巨大ニュートンの斜鏡のケースを作っていました。
M8の押しネジ3本と、M10の引きネジでガチガチに固定されていると思っていた斜鏡が動いている可能性を考えてます。
斜鏡のケースはアルミ製で、そこそこ重量がある。
塩ビ管のVP100が内径100mmでぴったりの大きさです。
これ以外に換気配管の塩ビ管も内径100mmなのですが、こちらは薄すぎて心配だったので、VP100にしました。
その工作課程は別の記事に起こそうかと思います。
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斜鏡のケース作りに思いのほか手こずって、夕方になってしまいました。
急いで夕飯の支度をしました。
肉じゃがですが、干し椎茸、出汁昆布、結び白滝も加えて豪勢に。
料理をしていて、工作と同じ脳を使ってるなぁと感じてました。
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家族で夕飯を食って、風呂に入ってから天体観測小屋に向けて出発。
出発が20時過ぎになってしまいました。
月の出が3時頃であるよう。
今回は巨大ニュートンの改造がメインミッションですが、今宵も少しは天体撮影ができそう。
前回2025/02/09に光軸修正をした巨大ニュートンで撮れる写真がどんなものなのかも興味があります。
23時前に小屋に到着。
月の出まで時間もそんなにありません。
シンチレーションは良さそうだったので、今回はガイドアシスタントをすっ飛ばしました。
23:43 最初のキャリブレーション。
赤経ステップ 12、赤緯ステップ 6
PHD2は、カメラや望遠鏡の情報を正しく設定してあれば、天の赤道上でキャリブレーションするとこの値になるようにプログラムされています。
(本当は赤緯ステップも12なのですが、この巨大ニュートンの赤緯のウォームホイールの歯数が赤経の半分なので6になります)
このキャリブレーション、天の赤道でやってないんです。
M94に望遠鏡を向けて行ったキャリブレーションなんです。
この巨大赤道儀、よくわからんです。
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2025/02/23 00:00のオートガイド
最悪ではない。
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りょうけん座のM94
巨大ニュートン f=2475mm, F5
EOS Ra+MPCC Mark III
ISO 6400, 120sec
ほぼ撮って出し(Photoshopのノイズリダクションのみ)
全然悪くない。
四方の周辺減光も極端な偏りはない。
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中心部をトリミング。
これだけ星がまるければ僕は大満足です。
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ところが、このあとに例によってドタバタ劇場が用意されていたのでした。
時間と共にPHD2のPPECが学習してゆき、オートガイドの精度が上がってゆきます。
00:14時点のオートガイド
最高ではないが、なかなか素晴らしい。
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そしてその時の写真がこれ。
星が縦に伸びている。
なぜ???
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上の写真の左端の星を拡大したのがこれ。
水平に伸びた光条がブレている。
写真の縦方向が赤経方向(東西方向)です。
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ぶっちゃけ、この程度ならいいんでない?
気分によってはそういう結論でもいいのですが、最初の数枚は星がまん丸なんです。
オートガイドの赤経と赤緯のバラツキをみてもこんな写りが妥当な精度ですが。
でも、なんです。
もし、これが30枚連続で続いたらどうでしょう?
上段のように写るはずなのに、下段のような星像が30枚続いたら、許せますか?
問題を解決すれば、星が丸く写ることに僕は確信を持っていました。
その根拠は、過去に何度となく、まん丸に写ってくれてたからです。
問題を解決すれば必ず星は丸く写る!
その確信が、僕をこのまま撮影し続けることを許さず、次の行動へと駆り立てました。
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まず、10秒露出で撮影します。
やはり楕円。
これはオートガイドの問題ではない。
光軸の問題か、ピントの問題です。
光軸をいじるのはお気軽でない。
まず確認するとしたらピントでしょう。
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とはいえ、実のところ、ピントを確認するのも決してお気軽ではないんです。
真っ暗な中、高さ2mの脚立の上に立っての作業です。
一歩間違えば転落して骨折です。
ちょっと気合いがいるんです。
バーティノフマスクをつけてみました。
まったく問題ないように見えます。
しかし、現実問題、星は丸く写ってない!!
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近くの明るい星に移動してピントを合わせ直しました。
しかし、実際、改善したのかどうかが正直、よくわからない。
なぜなら、ピント修正前の画像が、僕的には十分、合格ラインを超えているからです。
(補足 この星、二重星であるようです。中心部がちょっと変ですよね)
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念の為、バーティノフマスクを外して撮影した星像がこれ。
完璧な真円ではない
が、先ほどとは写りが異なる。
これで撮影してみよう!と、再度、M94へ移動。
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(リサイズしてますが)JPEG撮って出し
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星像が改善した。
赤経方向(この写真では縦方向)の光条が割れてない!
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結論
バーティノフマスクだけでのピント合わせは危険!
バーティノフマスクで大まかにピントを合わせたら、ライブビューで目視で星像を確認する。
星が丸ければ、試し撮りをして、実際に星が丸く写るかどうかを確認。
星が丸く写っていればOK。
星が楕円だった場合は、バーティノフマスクを用いず、ライブビューで自分の目でみながら微調整を行う必要がある。
23時に到着したにもかかわらず、この時点でAM1:30
月の出まであと1時間半しかない!
撮影したM94
EOS Ra
ISO 6400, 120sec
16枚くらいコンポジット合成
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トリミング。
まだ若干ですが、赤経方向(この写真では水平方向)の光条が太い。
しかし、このとき、僕は満足してました。
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この通り、オートガイドは決して悪くないので、ピントの追い込みが甘いか、それか光軸の問題が残っているということです。
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AM2:00頃、M94が子午線を超えてしまったので、ちょっと東に戻って、M63ひまわり銀河に移動しました。
M63の撮影をする前に、、、レーザーコリメーターで光軸調整を行いました。
赤経方向に伸びる光条がまだ若干太いことが気になってしまってたんです。
まったく、本当にしつこい性格だと思います。
案の定、レーザーの光は主鏡の中心に当たりませんでした。
(もちろん、レーザーコリメーターを接眼部でクルクル回転させて、色々調整した上でです)
レーザーコリメーターで調整を行った結果・・・。
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改善しました。
大満足です。
つまり、ピントもズレていたが、光軸もズレていたということです。
にしても、この星像は気持ちいい!
心置きなく撮影できます。
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りょうけん座のM63 ひまわり銀河
ISO 6400, 180sec
2枚コンポジット合成
なぜ2枚かというと、すぐに子午線を超えてしまったから。
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トリミング
Photoshopのノイズ軽減機能、優秀だと思います。
2枚コンポジット合成でここまでノイズが少なくて済む。
コンポジット合成のみだった場合、16枚コンポジット合成でもここまでノイズが少なくなることはなかったです。
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このあと、僕はM94を追って、望遠鏡を西の空へ向けました。
我ながらしつこいなぁと思います。
気分的に、撮影よりも巨大ニュートンの動作チェックに心の重心があったのだと思います。
東の空で、先ほどピントを修正したことで満足なレベルに写るようになりました。
それに加えて、光軸も修正しました。
同じM94が西の空でも満足のいくレベルで撮影できるかを確認したくなりました。
西の空のM94でのオートガイドがこれ
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りょうけん座のM94
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M94 トリミング
ピントは変えてない。
東の空で撮影した時よりも赤経方向の光条が細くなっている。
光軸を修正した成果でしょう。
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すでに時刻はAM4:00です。
気温はなんとマイナス9℃。
この小屋で僕が体験した中で最低の気温です。
ドアノブに触れたらなぜかベタつく。
皮膚の表面が一瞬で凍結して、ドアノブにくっついてた!
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すでに月が出ている。
すぐ近くのNGC4490へ移動
オートガイド
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りょうけん座のNGC4490 まゆ銀河
距離2500万光年
ISO 6400, 180sec
10枚コンポジット合成
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トリミング
粒々が印象的ですね。
脇にある小さなNGC4485と近接したことで引き延ばされてこのような形になったとか。
粒々は接近によってガスが圧縮され、恒星が爆発的に生まれている様子を反映しているそうです。
今の僕は撮影することに夢中で、自分が撮影している天体について、何一つ知らないなぁと感じ始めている今日この頃です。
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さてさて、なんとも学びの多い夜だったことか。
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