



山陽新幹線、西明石~姫路は車窓から溜池(タメイケ)が飛び込んでくる
この溜池地域、加古川市と明石市へ溜池調査に出かけた
これまで筆者が調査した長大農業用水路に係る水利慣行と溜池水利慣行の比較のため
全国21万余の溜池のうち、約4万4千の溜池が兵庫県にある
加古川市、明石市を含む東播磨地域には600余の溜池がある
車窓から飛び込むのは、むべなるかな
伺った加古川市志方町西牧は、農家約110戸、水田面積33㌶、総戸数142戸の自治会・「村」(2010年12月14日・前水利組合長H氏の御教示)
農地・水・環境保全向上対策事業の対象水田は26㌶
H氏は西牧をムラと呼ぶ
西牧への途中、原自治会の皿池(サライケ)についてお話しの40歳代性も、原を“わたしのムラ”と呼んだ
西牧の水田を潤す溜池(タメイケ)は、写真3の山裾に10ヶ所ある
緩やかな逆V字型山裾(幅広の谷状)の頂点部、最上段に(写真の電柱、左から4本目と5本目の間の奥)に①上の池(カミノイケ)
続いて棚状に②奥の池(オクノイケ)と③姥ヶ池(ウバガイケ)が下がり、3つの重ね池(カサネイケ)になる
写真2にカミノイケとオクノイケの堤体や洪水吐がみえる
写真3の左の山裾、オクノイケから下方に離れて④辻堂池(ツジドウイケ)があり、続いて棚状に⑤片山池(カタヤマイケ)が下がる
2つは重ね池
カタヤマイケから下方に田圃と宅地を挟み⑥犬立池(イヌタテイケ・インダテイケ)
写真3の右の山裾、ウバガイケから離れて⑦兎ヶ池(ウサギガイケ)
さらに離れて隣り「村」(永室自治会)との境近くに⑧鍋屋池(ナベヤイケ)
ナベヤイケより山裾に⑨鍋屋上池(ナベヤカミイケ)があると言われるが、草薮に遮られ視認できない
居住区域内に⑩藤の池(フジノイケ)と⑪菰池(コモイケ)
コモイケは隣り「村」・永室自治会との境にあり、水利権は西牧にあるが、永室自治会が管理している
他に、西牧を含む、5ヶ村共同管理・利用の⑫大池(オウイケ)と7ヶ村共同管理・利用の⑬松の木谷池(マツノキタニイケ)がある
マツノキタニイケは水不足時に使う予備池
写真1は、カミノイケの堤体からオクノイケと残照に映える灌漑水田、西牧、永室などの居住区域を望む
謝辞:今回、前水利組合長H氏及び現自治会長M氏、兵庫県加古川流域土地改良事務所の担当者に、ご協力、ご教示を賜りました
あらためて感謝申し上げます。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2010年12月12日・14日 撮影地:兵庫県加古川市志方町西牧