



2006年11月3日、埼玉県小鹿野町長留の「とうのした橋」のたもとで、散歩中の初老の男性と獣害-イノシシ・鹿・猿・熊-について立ち話をする。
熊が栗畑に被害を及ぼし、また近くに熊座があるとの話。熊座とは、熊が木実を食べるために、折った枝を木の股に敷き座る場所。
初めて聞く話、興味津々、ワクワク、怖さ半分、ドキドキ。
“今、熊はいますかね”
“いや、いないよ”
“行っても大丈夫ですか”
“あっ、はっ、はっ、大丈夫だよ”
いざ出発。角を曲がり、坂道を五十メートルほど登ると、教えられた通り栗の木が2本(写真3)。そのうち1本の樹上に熊座(写真1・写真2の白枠内)。熊座は、できてから日数を経ている、敷かれた栗の葉は枯れ、茶色に変色、初見の私でも一目で判る。
栗の木と道を挟んで住宅があり、また写真2に見るように、さほど離れてない所に住宅が建つ。さらに写真3に見るように、栗の木に接して石垣があり、その上は共同墓地。人間と熊の物理的距離は非常に短い。新聞・テレビ・ラジオに度々登場する熊。うべなるかな。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2006年11月3日 撮影地:埼玉県秩父郡小鹿野町長留