


筆者暮らす緑豊かな住宅団地は、1984年頃、日本でも有数の地盤沈下地域
象徴の一つはレストランの窓に張られた目隠しテープ
地盤沈下すなわち道路沈下により、用をなさない
歩行者に、誰が、何を食べているかがわかる
当住宅団地内でも地盤沈下の影響は現れる
たとえば、汚水管マンホールの露出部は高くなる(写真2)
他方、樹木は生長し根を張り高くなる(写真1)
ここに、問題が出てきた。それは次のとおり
住宅管理組合理事会は、生長する樹木の根や枝葉が汚水管など生活必須施設・設備(生活インフラ)に悪影響を及ぼす、との見解
それゆえ、300本弱の中高木を緊急に伐り、その後植栽管理に係る委員会を立ち上げる、と主張、唐突に
2010年12月あたりから動き出し、少数の理事で樹木伐採案を決めた
2回の組合員説明会を実施し、2011年03月13日に臨時総会を開き、伐採を議決する予定
可決されると、写真1の桜はほとんど伐られる
第2回説明会(2011年02月06日)の前に、各棟1階の世帯だけに自由記入方式アンケートを実施
アンケート結果はすべて公表されず
理事会の主張及び計画に都合の良い答えだけを援用
第2回説明会において、各棟1階~5階の全戸にアンケートして議案書に反映すべきとの声あり
再アンケート
しかし、理事会主張・計画に沿う誘導アンケート
2011年02月20日の理事会において、全戸(600戸弱)アンケート(回収率約30%)の結果を発表
あいも変わらず理事会の主張・計画に沿う発表
臨時総会議案書にもアンケート結果はまともに反映されず
翌21日に全戸アンケート結果をA4版1枚1頁で全戸配布
内容は理事会の主張・計画に好都合の回答だけ
とにかく、アンケートは理事会の主張・計画に沿う誘導設問であり、好都合の回答だけを援用し公表
上記の経過・方向をうけ、女性グループが立ち上がる
住民が30年かけて育てた緑豊かな快適環境
それを、短・中・長期計画のないまま、突然、今伐るとは何事か、と反対
世の中、万事、計画あっての物種
ちなみに、近年、当住宅団地は犬や猫など愛玩動物飼育と駐車場増設が課題
当時の理事会は1年~3年かけて緻密な手順・検討・計画・内容で組合員の合意を得た
それを知る叙上の女性グループは、次のように主張して提案
1.現理事会は上記の組合員合意手法に学ばず、あいまいな基準で伐採樹種及び本数を一方的に決め、伐採し、緑豊かな生活環境という資産価値を低下させる、と主張
2.生活インフラや日当たりなど日常生活に悪影響を及ぼす樹木まで伐るな、とは主張しない
3.みんなで考え、知恵を出し合い、緑と生活インフラが両立する術を得よう、と主張
具体的には、①専門委員会を立ち上げ⇒②短期・中期・長期の植栽・管理計画をたて⇒③伐採基準を設け⇒④伐採樹種及び本数を決め⇒⑤伐採、を提案
さて、筆者も、現理事会は、なぜ、今、伐採なのか、なぜ急ぐのか、不思議でならない、納得できない
たとえば、現理事会は、樹木根で機能不全に陥ってるという1ヶ所の汚水処理管の補修費二百数十万円を、2011年06月定期総会に上程の予定
ならば、今すぐ補修すべきである
それを06月まで放置するのは、樹木根の悪影響の緊急性を現理事会が自ら否定していることになる
それゆえ、公表できない裏の事情があるのか、と勘ぐられる
緑を育てるのは幾星霜、失うのは一瞬、と現理事会は銘記すべきである
とにもかくにも、現理事会案は時代に逆行している
残念至極
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2011年2月13日 撮影地:埼玉県