
写真1 2階建て住宅のトタン屋根に小さな屋根(越屋根)2つ 写真右に棕櫚1本

写真2 2階建て住宅の瓦屋根に小さな屋根(越屋根)2つ

写真3 落葉を掃く女性 写真2の住宅の奥様 写真左に棕櫚3本

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群馬県は、日本農業が「米と繭」の時代、屈指の繭産出県、養蚕地域だった。
その遺構を桐生市黒保根町(旧勢多郡黒保根村)に見る。
一つは住宅の構え。
横に長い2階建て、屋根に二つの小さな屋根・越屋根(写真1・写真2)。
写真3の落葉掃きの人生ベテラン女性は次のように教える。
繭になる直前の蚕を回転マブシに入れた。
それをオーアゲ(筆者注:上蔟)と云っていた。
2階全部を使った。
その時の煙抜きが、空気抜きが屋根にある二つの小さな屋根。
暮らしは蚕を第一にした。
そのため、オコサマと呼んだ。
オコサマは義父母が世話した。
自分は世話しなかった。
今、夫と2人暮らし。
子どもたちは、地区外に暮らし、この住宅を嫌う。
冬は寒いなどと言って。
壊すにも100万円以上かかる。
すなわち、蚕を育てる保温のために火(薪・炭)を焚く。
その煙抜きや空気抜きが小屋根、越屋根。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:2013年12月02日 撮影地:群馬県桐生市黒保根町