駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

クリントン辛勝、トランプ惜敗

2016年02月03日 | 世界

             

 アメリカ大統領の予備選挙が始まった。アメリカの大統領選挙は不思議な形式になっており、馴染みのない日本人には分かりにくい。予備選挙で各党の候補を絞り込んで決め、それから本選挙になってゆく、本選挙は架空の選挙人をオールオアナンの方式で獲得するため総得票数と獲得選挙人数に乖離が生まれることもあり、不公平と言えば不公平な方式だ。他の国の選挙と違うのは、選挙期間が長いことだろう。その意味や効果についての評価と見直し論を、私が気が付かないだけかも知れないが、ほとんど目にしない。どの方式にも一長一短があり、現制度はアメリカ人の心に染みこんでいるのだろう。いづれにしても極めてアメリカ的なのは確かだ。

 私の見るところ,この方式はフロックでは勝ちにくく、民意を反映する形式で、中にはB級時にはC級の大統領も居たが落第点のD級や狂気のE級は避けられているようだ。それと惜敗でもアメリカ人はきちんと負けを認める。惜敗でつべこべ言うと、資質を疑われ相手にされなくなってしまう。

 クリントン辛勝、トランプ惜敗の結果は、政治評論家があれこれ言おうが、アメリカ国民のまともな感覚を表していると思う。アメリカの病理や衰退を言い募る人達がいるが、この結果を見て、勿論これは予備選の端緒でこれからどうなるかは分からないが、アメリカ大衆の知恵というか底力を感じた。問題山積、格差拡大で腐敗するアメリカが、それでも崩れない事にも注目すべきだと思う。

 猿谷要先生だったらアメリカの現況に何と言われただろう。移民から成り、三世紀そこそこの歴史しかないアメリカ合衆国の分析理解が浅い気がする。猿谷先生を継ぐ人は居るのだろうか。派手粗野短慮に見えて、味わい深く以外に懐の深い国のような気もするのだが

コメント
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