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エリック・ドルフィーのラスト・デイト

2014-02-24 | JAZZ
エリック・ドルフィーのラスト・デイトを取り上げてみました。

エリック・ドルフィー(Eric Dolphy) 1928年6月20日 - 1964年6月29日 ロサンゼルス生まれ
彼の本格的な音楽活動は、1958年4月のチコ・ハミルトン楽団からで、当時の演奏はまるでクラシックの奏者のようです。
その奏法に変化が現れたのは、59年暮れのチャールス・ミンガスのグループに参加してからで、60年4月にはプレスティッジ・レコードに自身の最初のリーダー・アルバムを録音しています。
ここでは既に、バス・クラリネット(bcl)も使われており、そのプレイは「馬のいななき」のようだと言われたことがあります。
一時期、ブッカー・リトル(tp)との双頭クインテットを組んで活躍した時期があり、名演も残しています。
ジョン・コルトレーンが彼の演奏に惚れ込んで、グループに参加させたこともありました。
ドルフィーは、オーネット・コールマンのアルバム「フリー・ジャズ」で共演していて、時にフリー・ジャズに分類されることもありますが、基本的には音楽理論に則りアドリブを展開していくスタイルです。

今回のアルバム「ラスト・デイト」は、ヨーロッパんに渡った後、死の直前に現地のミュージシャンと共に、オランダの放送局でスタジオで録音されたものです。
オリジナル盤はオランダのフォンタナから出されましたが、米国ではライムライト(マーキュリー)からジャケットを差し替えて発売されています。
「LAST DATE」 FONTANA 681 008 ZL
   
1. EPISTROPHY
2. SOUTH STREET EXIT
3. THE MADRIG SPEAKS, THE PANTHER WALKS
4. HYPOCHRISTMUTREEFUZZ
5. YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS
6. MISS ANN
ERIC DOLPHY(fl,bcl,as) MISJA MENGELBERG(p) JACQUES SCHOIS(b) 
HAN BENNINK(ds)  録音 1964年6月2日

当日は1曲目のセロニアス・モンク作のエピストロフィーが、テスト・テイクとして演奏され、サウンド・チェック後に、改めて上記6曲が演奏されています。
ライナー・ノートによれば、バス・クラで2曲(1.4)、続いてフルートで2曲(5.2)、最後にアルトサックスに持ち替えて2曲(3,2)の順で演奏されたとしています。
バス・クラでの演奏は何時ものドルフィーらしく、強烈な印象を与えるものですが、フルートでのユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズでは一転、静かな奥深い演奏となっています。
後にフリー・ジャズの雄となるミシャ・メンゲルベルク(p)と、ハン・ベニンク(ds)も、ここではオーソドックスなバッキングに徹しています。

ドルフィーは、この録音の翌日にはパリに発ち、6月11日に放送局用として録音がなされています。
1988年なってITM RECORDSにより世に出ましたが、日本ではDIWより発売され、これが正にラスト・レコーディングとなりました。
「LAST RECORDINGS」 DIW -25020
   
1. SPRINGTIME
2. 245
3. G.W
4. SERENE
ERIC DOLPHY(as,bcl) ONALD BYRD(tp) NATHAN DAVIS(ts) JACQUES DIEVAL(p) 
JACQUES B. HESS(b) FRANCO MANZECCHI(ds) JACKY BAMBOU(perc)

このアルバムの録音(6月11日)の18日後に、ベルリンで他界しています。
この年の2月には、ブルー・ノートへ「アウト・ツゥ・ランチ」を吹き込んでおり、その時のジャケット(「WILL BE BACK」の文字と、時間のわからない時計の指針)が既にこの日を予感していたのでしょうか?


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