現地時間26日(土)、2019年FIA F1世界選手権第18戦メキシコGP予選が実施され、レッドブルのフェルスタッペンがポールタイムを記録するも、後にペナルティを科せられて4番手に降格となり、ポールポジションにはフェラーリのルクレールがつくことになった。
3回にわたって実施されたフリー走行はいずれも異なるドライバーがトップタイムを記録しており、初回はメルセデスのハミルトン、2回目以降はフェラーリ勢が速さを示し、ベッテルとルクレールがそれぞれ最速タイムを残している。
海抜2,250mの高地にあることから、空気が薄く、パワーユニットやタイヤの使い方などさまざまな点で他のコースと異なる特殊なサーキットのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスにはC2からC4のピレリタイヤが用意され、フリー走行ではインターミディエイトタイヤが登場することもあったが、予選Q1は雲が多いものの晴れ間も見え、気温19.9℃、路面温度36.5℃、湿度60.7%のドライコンディションでスタート時刻を迎えた。予選Q3用のタイヤにはC4のソフトタイヤが指定されている。
ピットレーンオープンと同時にウィリアムズのラッセルが出陣し、少し間を置いて僚友クビサが合流するも、他陣営はさらに始動が遅く、スタートから3分ほど経ってハースF1のマグヌッセンとグロージャンが動き出すと徐々にコースがにぎやかになり、ガレージにとどまっていた面々も全員がコースインした。
タイヤはすべてのドライバーがソフトタイヤを選んでおり、最初のアタックラップを終えて1分15秒949をたたき出したレッドブルのフェルスタッペンがトップに立ち、0.226秒差で相棒のアルボンが2番手に食い込んだ。メルセデスはハミルトンが3番手、ボッタスが6番手となり、間にフェラーリのルクレールとベッテルが入っていたが、ルクレールが自己ベストを更新してハミルトンをわずかに上回り、3番手に上がっている。ルクレールとハミルトンのギャップは0.06秒だ。
上位3チームのドライバーがガレージで戦況を見守る中、Q1終盤のアタックに参加した陣営ではトロ・ロッソのクビアトが6番手に、マクラーレンのサインツが7番手に飛び込み、ボッタスが8番手に後退している。トロ・ロッソとマクラーレンはガスリーとノリスもトップ10タイムを残しており、Q3進出を期待させるパフォーマンスを見せていた。
18分間のQ1を終えて予選順位を確定させたのは16番手から順にストロール(レーシング・ポイント)、マグヌッセン、グロージャン、ラッセルとクビサのウィリアムズ勢だ。
タイヤ戦略に注目が集まったQ2はミディアムタイヤを履いたトロ・ロッソ勢とサインツに続いて同じコンパウンドを選んだメルセデス、フェラーリの面々がコースに加わった。土曜フリー走行でハイドロリック漏れのトラブルに見舞われ、ヒュルケンベルグが1周しただけに終わったルノー勢はソフトタイヤを選択。マクラーレンはノリスにソフトタイヤを履かせてコースに送り出しており、サインツとタイヤ戦略を分けている。
アルファロメオ・レーシングの2人とレーシング・ポイントのペレスは他チームとタイミングをずらし、ペレスは新品のタイヤセットだったが、ライコネンとジョビナッツィはユーズドのソフトタイヤを装着してアタックラップを走った。
15名のタイムが出そろった時点でタイムシート最上位に名前を刻んでいたのはベッテルだ。1分15秒914をマークし、2番手にいたフェルスタッペンには0.222秒差をつけていた。トップ6は0.7秒差以内のギャップで連なるも、混戦の中団グループは7番手タイムを残したペレスから11番手のサインツまで5台が0.2秒差で、ノックアウトゾーンにいたサインツは9番手につけるチームメイトのノリスとは0.03秒差しかなかった。
レースを見据えてQ2のタイヤ戦略を決めたマクラーレンやトロ・ロッソだったが、上位3チームのように速いラップタイムを刻めず、トロ・ロッソの2台はユーズドタイヤだったアルファロメオ・レーシングにも遅れていたため、2セット目にはソフトタイヤに切り替えている。レッドブルとフェラーリも新品のソフトタイヤを履かせてドライバーたちを見送ったが、メルセデスはハミルトンとボッタスがミディアムタイヤのまま再びコースに向かった。
そのメルセデスコンビがそろって自己ベストタイムを更新し、1分15秒721をマークしたハミルトンがトップに浮上、0.131秒差でボッタスが2番手に躍り出た。マクラーレンとトロ・ロッソもポジションアップに成功し、サインツが6番手、ノリスが7番手、アルボンを挟んでクビアト、ガスリーの順で予選トップ10入りを果たしている。
11番手以下でノックアウトされたのはペレス、ヒュルケンベルグとリカルドのルノー勢、ライコネン、ジョビナッツィだった。
メルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレン、トロ・ロッソがそろい踏みとなった予選Q3はユーズドのソフトタイヤを履いたマクラーレンとトロ・ロッソの各車が先陣を切り、メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームは新しいソフトタイヤで始動する。
1回目のアタックはフェルスタッペンが1分14秒台の速いラップタイムを刻んで暫定ポールにつき、0.114秒差ながら1分15秒台のルクレールが2番手、ベッテルは0.260秒遅れの3番手だ。ハミルトン、アルボン、ボッタスと並ぶトップ6に、サインツ、クビアト、ガスリー、ノリスが10番手にいた。
その後、10台すべてがピットに戻り、新しいタイヤセットに履き替えて再出陣。ソフトタイヤで印象的なパフォーマンスを見せるフェルスタッペンは最後にガレージを出発している。
最終アタックはベッテル以外のドライバーがセクター1を自己ベストタイムで通過し、セクター2ではメルセデス勢が速さを示すも、それを上回るペースだったのがフェルスタッペンだ。
しかしながら、ルクレールがセクター3でわずかにコースを飛び出してタイムロスを喫した直後、最終コーナーの立ち上がりでボッタスがコントロールを失ってクラッシュを喫してしまう。幸い、ボッタスは無事だったが、マシンは相当のダメージを受け、インシデントが発生した区間では黄旗が振られた。
後続勢がバックオフを強いられる中、フェルスタッペンが記録した1分14秒758がポールタイムとなるはずだったが、黄旗区間で減速していなかったことが判明し、予選終了後に3グリッド降格処分を受けている。結果、ルクレールがポールポジションに並ぶこととなり、ベッテルが隣のフロントロー、ハミルトンが3番手に繰り上がり、フェルスタッペン、アルボン、ボッタス、サインツ、ノリス、クビアト、ガスリーのスタート順になる予定だ。
ホンダPU勢は、フェルスタッペンがポールタイムだったのですが、ボッタスのクラッシュで黄旗区間で減速しなかったとのことで3グリッド降格処分のため4番手スタート、アルボンが5番手、トロロッソ・ホンダのクビアトが9番手、ガスリーが10番手と4台すべてがトップ10スタートです。
フェルスタッペンにとっては残念な結果ですが、決勝では全員頑張ってほしいですね!