前日の悪天候から一転、雲が多いものの青空が広がったレッドブル・リンクで12日(日)、2020年FIA F1世界選手権第2戦シュタイアーマルクGP決勝レースが開催され、メルセデスのハミルトンがポール・トゥ・ウインでキャリア通算85勝目を飾った。
大雨の影響で直前のフリー走行がキャンセルとなって迎えた予選は46分の遅延を強いられながらも、ウエット路面で実施にこぎつけ、メルセデスのハミルトンがコンディションのタイミングをうまく読んで1分19秒263のポールタイムを記録。セッションを通してハミルトンとポールを争ったレッドブルのフェルスタッペンはラストアタックでラップをまとめきれず、1.216秒遅れで2番手に収まり、3番手にはマクラーレンのサインツが入っている。
予選を6番手で終えたマクラーレンのノリスは初日のフリー走行で黄旗中にオーバーテイクしたとして3グリッド降格処分を受けていたため、スタート位置は9番手に下がり、ほかに、予選で他車の走行を妨害したペナルティとしてフェラーリのルクレールも3グリッド降格処分で予選結果より後方のポジションに並ぶことになった。予選Q2で敗退を喫したルクレールは11番手から下がって14番グリッドからのスタートだ。
気温20.7℃、路面温度40.7℃、湿度33.4%のドライコンディションでレース開始時刻を迎える。ピレリはシュピールベルクのグランプリにC2からC4のコンパウンドを用意しており、予選が雨天だったため、第1スティントのタイヤは全車が自由に選択でき、上位7台はソフトタイヤ、8番手スタートのリカルド(ルノー)や10番グリッドに並んだフェラーリのベッテルらがミディアムを選んで決戦に挑んだ。
好発進を決めたハミルトンはフェルスタッペンをカバーしながらターン1に向かい、その間にサインツが浮上を狙うも数度の攻防戦の末にフェルスタッペンがなんとか2番手をキープしている。ただ、混み合うターン1への飛び込みでベッテルと僚友ルクレールが接触してしまい、リアウイングにダメージを受けたベッテルはピットに帰還するも、そのままガレージにマシンを入れてリタイア。ルクレールはフロントウイングを交換して最後尾で合流し、タイヤもソフトからハードタイヤに履き替えた。フェラーリ勢の同士討ちでコース上にデブリが散らばったため、1周目から出動を余儀なくされたセーフティカーは3周目の最後に解除されている。
リスタートでは11番手につけていたウィリアムズのラッセルがワイドに膨らんでしまったようで入賞が狙える位置から大きくポジションを落とし、18番手まで下がった。一方、隊列に加わっていたルクレールはダメージの影響が大きかったのか、再びピットに戻り、マシンを止めて戦線を離脱している。
序盤にフェラーリ勢がリタイアを喫するなど波乱の展開のレースはハミルトンとフェルスタッペンがポジションを維持する一方で、サインツは思うようにペースを上げられず、ボッタス(メルセデス)とアルボン(レッドブル)にオーバーテイクされて5番手に後退、さらにルノー勢やアルファ・タウリのガスリーら後続勢からプレッシャーを受けた。
6番手以降はしばらくサインツのペースに付き合う格好となり、まずはマクラーレンマシンを抜きあぐねるオコンを料理しようとリカルドがチームメイト対決を仕掛けていく。ただ、ルノー勢の真後ろにはレーシング・ポイントの2台が控えており、ガスリーやノリスも1秒前後のギャップでチャンスを狙っていた。
その間にトップ5のドライバーたちは徐々にリードを築き始め、ハミルトンは18周目に入った時点でフェルスタッペンを3.6秒ほど引き離し、2人同様に1分08秒台にペースアップしていたボッタスが3秒後方、上位3人より1秒ほどラップタイムが遅かったアルボンはさらに14秒以上離れた位置にいた。
ハミルトンとのギャップが周回ごとにコンマ数秒ずつ広がっている状況だったフェルスタッペンとレッドブルは25周目を前にピットストップを実施、ソフトからミディアムに履き替えた。4番手のアルボンが上位勢から20秒近く離されていたため、フェルスタッペンは1回目のストップを終えてなおチームメイトの前でコースに戻っている。
続いてルノーがオコンをピットに呼び入れるも、マシンからは白煙が上がっており、相棒リカルドとの攻防戦など好レースを見せていたが、残念ながらマシンを降りることになった。ルノーによると、クーリングに問題が発生している可能性があり、予防措置としてレースを終えたという。初戦ではリカルドが同様のトラブルでリタイアを喫しており、ルノーの頭痛の種になっているのかもしれない。
フェルスタッペンから遅れること2周、メルセデスがハミルトンのタイヤをミディアムに交換してコースに送り出す。これでボッタスが先頭に立ったものの、ラップタイムは新しいタイヤを履くハミルトンやフェルスタッペンの方が速く、一時はフェルスタッペンに1秒強まで迫っていたボッタスをどのタイミングでピットインさせるのか、メルセデスの采配に注目が集まった。
単独走行中のアルボンから5秒ほどの位置にいたサインツがタイヤ交換に向かったのはレースが折り返し地点を迎える目前の34周目。それを見てレーシング・ポイントも対応に動き、先にストロールを呼び入れる。ハースF1のグロージャンとサイド・バイ・サイドの状態でコースに復帰したストロールだが、サインツの前に出ることには成功しており、グロージャンを攻略した2人はストロールが11番手、サインツが12番手で第2スティントを進めている。
ボッタスは71周のレース前半を終えてピットインし、ミディアムを選んで隊列に戻るも、フェルスタッペンとのギャップは8秒以上に広がっていた。すでに1分07秒台のタイムを刻み始めていたハミルトンとフェルスタッペンに対し、ボッタスは自己ベストをマークして2人を追いかけるが、それでもペースは上位2台の方が速く、距離を詰められない。
第1スティントにミディアムを選んだリカルドは38周目にソフトタイヤに交換。ソフトスタートだったセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)は次のラップでピットストップを完了したが、ノリスはさらに1周を引っ張ってミディアムタイヤに履き替えた。マクラーレンとレーシング・ポイントの対決はドライコンディションだった初日に速さを示していた後者に軍配が上がり、レース前半こそマクラーレンが優位に立っていたものの、第2スティントではストロール、ペレス、サインツ、ノリスのオーダーに入れ替わっている。
第1スティントを最も長く取ったのはアルファロメオ・レーシングのライコネンだ。ミディアムでスタートしたライコネンは47周目にようやくピットインし、ソフトタイヤを履いて14番手のポジションで隊列に戻った。フレッシュタイヤを得たライコネンはハースF1勢を料理し、さらにチームメイトのジョビナッツィを追いかけた。
その頃、入賞圏内ではペレスがリカルドの背中をとらえ、DRSを生かしてオーバーテイクを成功させる。ソフトタイヤに履き替えてからペースが上がらない様子のリカルドはペレスからポジションを奪い返そうとするも距離は徐々に離れてしまい、逆にDRSゾーンを維持していたストロールから攻撃を受けた。
また、同じアルファ・タウリを駆るクビアトと10番手を争っていたガスリーはタイヤが苦しかったのか、2回目のピットストップで別のソフトタイヤに履き替えた。一時は最後尾に下がっていたものの、ウィリアムズ勢の前に出たあとは20秒近く前にいたハースF1勢を追いかけるレースとなった。クビアトのライバルはアルファロメオ・レーシングの2台に変わり、残り15周を切ってジョビナッツィが2秒後方、そのコンマ数秒後ろにライコネンが迫っていた。ライコネンは自己ベストタイムを連発してまずはチームメイトを料理し、ポイント獲得を目指してチャージをかけていく。
先頭集団では「今のペースだと最終ラップでフェルスタッペンに追いつく」とエンジニアからの連絡を受け取ったボッタスが終盤に残しておいたパワーを使ってペースを上げ、フェルスタッペンよりも0.5秒ほど速いラップタイムでその差を縮めにかかる。もう1台のレッドブルにも脅威が迫り、ファステストラップを刻んで接近してくるペレスが残り7周を切ってついにDRS圏内に入った。
65周目にはレッドブル勢がいずれもコンマ数秒後方にライバルを抱える状態となり、開幕から2週連続でホームグランプリに挑んだレッドブルのピットウオールは手に汗握る展開に。アルボンは必死にペレスを抑え込んでいたが、フェルスタッペンはメルセデスに追い込まれていく。DRSを使って一度はボッタスが2番手に上がるも、タイヤが残っていないとつらい状況を訴えていたはずのフェルスタッペンが巻き返してポジションを取り戻した。
しかしながら、2度目の攻撃には耐えきれず、3番手に下がったレッドブル陣営はフェルスタッペンのタイヤを新品のソフトに交換させてファステストラップポイントの1点に狙いを変えた。同じく1点でも多く手に入れようと後続に十分なギャップを築いていたサインツをピットに呼び入れたのがマクラーレンだ。
残り2周となってアルボンをロックオンしたペレスだったが、ファイナルラップのターン4でホイール同士がぶつかり、ペレスがマシンに損傷を受けてバトルは突然の終わりを迎える。しかしながら、レースは最後の最後まで何が起こるか分からない。ダメージを抱えながらもチェッカーを目指すペレスにチームメイトを含む3台が接近。
三つ巴のバトルとなったリカルド、ストロール、ノリスの攻防戦は、ストロールがリカルドにオーバーテイクを仕掛けた際にルノーマシンをコース外に押し出す格好となり、リカルドはわずかに飛び出しながらもコースに戻ったが、そのスキにノリスが先行し、さらにファイナルラップ終盤にストロールを追い抜いた勢いのまま、ノリスがチェッカーフラッグ目前でペレスをも料理する。コントロールラインに4台が団子状態で突進し、最終的にはノリス、ペレス、ストロール、リカルドの順番でゴールしたが、各車のギャップは1秒となく、とりわけペレスとストロールは0.066秒差のフィニッシュ劇だった。
それよりひと足早くチェッカーフラッグを受けていたのはトップでレースを終えたハミルトン、ボッタスが2位に入り、フェルスタッペンが3位表彰台、アルボンは4位入賞を果たしている。5位のノリス以下、ペレス、ストロール、リカルド、サインツ、クビアトがポイントを獲得。暫定リザルトではあるが、サインツがファステストラップを刻んで1ポイント多く手に入れている。
アルファ・タウリを駆るガスリーは15位完走にとどまった。
オーストリアでの開幕2連戦を終えたF1サーカスは2週間の休息を取って次の舞台となるハンガロリンクで再集結する。シーズン第3戦ハンガリーGPは7月17日(金)に開幕します。
ホンダPU勢は、3台がポイントを獲得したものの、フェルスタッペンが3位と期待された結果はだせませんでしたが、次のハンガリーGPに期待しましょう!
大雨の影響で直前のフリー走行がキャンセルとなって迎えた予選は46分の遅延を強いられながらも、ウエット路面で実施にこぎつけ、メルセデスのハミルトンがコンディションのタイミングをうまく読んで1分19秒263のポールタイムを記録。セッションを通してハミルトンとポールを争ったレッドブルのフェルスタッペンはラストアタックでラップをまとめきれず、1.216秒遅れで2番手に収まり、3番手にはマクラーレンのサインツが入っている。
予選を6番手で終えたマクラーレンのノリスは初日のフリー走行で黄旗中にオーバーテイクしたとして3グリッド降格処分を受けていたため、スタート位置は9番手に下がり、ほかに、予選で他車の走行を妨害したペナルティとしてフェラーリのルクレールも3グリッド降格処分で予選結果より後方のポジションに並ぶことになった。予選Q2で敗退を喫したルクレールは11番手から下がって14番グリッドからのスタートだ。
気温20.7℃、路面温度40.7℃、湿度33.4%のドライコンディションでレース開始時刻を迎える。ピレリはシュピールベルクのグランプリにC2からC4のコンパウンドを用意しており、予選が雨天だったため、第1スティントのタイヤは全車が自由に選択でき、上位7台はソフトタイヤ、8番手スタートのリカルド(ルノー)や10番グリッドに並んだフェラーリのベッテルらがミディアムを選んで決戦に挑んだ。
好発進を決めたハミルトンはフェルスタッペンをカバーしながらターン1に向かい、その間にサインツが浮上を狙うも数度の攻防戦の末にフェルスタッペンがなんとか2番手をキープしている。ただ、混み合うターン1への飛び込みでベッテルと僚友ルクレールが接触してしまい、リアウイングにダメージを受けたベッテルはピットに帰還するも、そのままガレージにマシンを入れてリタイア。ルクレールはフロントウイングを交換して最後尾で合流し、タイヤもソフトからハードタイヤに履き替えた。フェラーリ勢の同士討ちでコース上にデブリが散らばったため、1周目から出動を余儀なくされたセーフティカーは3周目の最後に解除されている。
リスタートでは11番手につけていたウィリアムズのラッセルがワイドに膨らんでしまったようで入賞が狙える位置から大きくポジションを落とし、18番手まで下がった。一方、隊列に加わっていたルクレールはダメージの影響が大きかったのか、再びピットに戻り、マシンを止めて戦線を離脱している。
序盤にフェラーリ勢がリタイアを喫するなど波乱の展開のレースはハミルトンとフェルスタッペンがポジションを維持する一方で、サインツは思うようにペースを上げられず、ボッタス(メルセデス)とアルボン(レッドブル)にオーバーテイクされて5番手に後退、さらにルノー勢やアルファ・タウリのガスリーら後続勢からプレッシャーを受けた。
6番手以降はしばらくサインツのペースに付き合う格好となり、まずはマクラーレンマシンを抜きあぐねるオコンを料理しようとリカルドがチームメイト対決を仕掛けていく。ただ、ルノー勢の真後ろにはレーシング・ポイントの2台が控えており、ガスリーやノリスも1秒前後のギャップでチャンスを狙っていた。
その間にトップ5のドライバーたちは徐々にリードを築き始め、ハミルトンは18周目に入った時点でフェルスタッペンを3.6秒ほど引き離し、2人同様に1分08秒台にペースアップしていたボッタスが3秒後方、上位3人より1秒ほどラップタイムが遅かったアルボンはさらに14秒以上離れた位置にいた。
ハミルトンとのギャップが周回ごとにコンマ数秒ずつ広がっている状況だったフェルスタッペンとレッドブルは25周目を前にピットストップを実施、ソフトからミディアムに履き替えた。4番手のアルボンが上位勢から20秒近く離されていたため、フェルスタッペンは1回目のストップを終えてなおチームメイトの前でコースに戻っている。
続いてルノーがオコンをピットに呼び入れるも、マシンからは白煙が上がっており、相棒リカルドとの攻防戦など好レースを見せていたが、残念ながらマシンを降りることになった。ルノーによると、クーリングに問題が発生している可能性があり、予防措置としてレースを終えたという。初戦ではリカルドが同様のトラブルでリタイアを喫しており、ルノーの頭痛の種になっているのかもしれない。
フェルスタッペンから遅れること2周、メルセデスがハミルトンのタイヤをミディアムに交換してコースに送り出す。これでボッタスが先頭に立ったものの、ラップタイムは新しいタイヤを履くハミルトンやフェルスタッペンの方が速く、一時はフェルスタッペンに1秒強まで迫っていたボッタスをどのタイミングでピットインさせるのか、メルセデスの采配に注目が集まった。
単独走行中のアルボンから5秒ほどの位置にいたサインツがタイヤ交換に向かったのはレースが折り返し地点を迎える目前の34周目。それを見てレーシング・ポイントも対応に動き、先にストロールを呼び入れる。ハースF1のグロージャンとサイド・バイ・サイドの状態でコースに復帰したストロールだが、サインツの前に出ることには成功しており、グロージャンを攻略した2人はストロールが11番手、サインツが12番手で第2スティントを進めている。
ボッタスは71周のレース前半を終えてピットインし、ミディアムを選んで隊列に戻るも、フェルスタッペンとのギャップは8秒以上に広がっていた。すでに1分07秒台のタイムを刻み始めていたハミルトンとフェルスタッペンに対し、ボッタスは自己ベストをマークして2人を追いかけるが、それでもペースは上位2台の方が速く、距離を詰められない。
第1スティントにミディアムを選んだリカルドは38周目にソフトタイヤに交換。ソフトスタートだったセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)は次のラップでピットストップを完了したが、ノリスはさらに1周を引っ張ってミディアムタイヤに履き替えた。マクラーレンとレーシング・ポイントの対決はドライコンディションだった初日に速さを示していた後者に軍配が上がり、レース前半こそマクラーレンが優位に立っていたものの、第2スティントではストロール、ペレス、サインツ、ノリスのオーダーに入れ替わっている。
第1スティントを最も長く取ったのはアルファロメオ・レーシングのライコネンだ。ミディアムでスタートしたライコネンは47周目にようやくピットインし、ソフトタイヤを履いて14番手のポジションで隊列に戻った。フレッシュタイヤを得たライコネンはハースF1勢を料理し、さらにチームメイトのジョビナッツィを追いかけた。
その頃、入賞圏内ではペレスがリカルドの背中をとらえ、DRSを生かしてオーバーテイクを成功させる。ソフトタイヤに履き替えてからペースが上がらない様子のリカルドはペレスからポジションを奪い返そうとするも距離は徐々に離れてしまい、逆にDRSゾーンを維持していたストロールから攻撃を受けた。
また、同じアルファ・タウリを駆るクビアトと10番手を争っていたガスリーはタイヤが苦しかったのか、2回目のピットストップで別のソフトタイヤに履き替えた。一時は最後尾に下がっていたものの、ウィリアムズ勢の前に出たあとは20秒近く前にいたハースF1勢を追いかけるレースとなった。クビアトのライバルはアルファロメオ・レーシングの2台に変わり、残り15周を切ってジョビナッツィが2秒後方、そのコンマ数秒後ろにライコネンが迫っていた。ライコネンは自己ベストタイムを連発してまずはチームメイトを料理し、ポイント獲得を目指してチャージをかけていく。
先頭集団では「今のペースだと最終ラップでフェルスタッペンに追いつく」とエンジニアからの連絡を受け取ったボッタスが終盤に残しておいたパワーを使ってペースを上げ、フェルスタッペンよりも0.5秒ほど速いラップタイムでその差を縮めにかかる。もう1台のレッドブルにも脅威が迫り、ファステストラップを刻んで接近してくるペレスが残り7周を切ってついにDRS圏内に入った。
65周目にはレッドブル勢がいずれもコンマ数秒後方にライバルを抱える状態となり、開幕から2週連続でホームグランプリに挑んだレッドブルのピットウオールは手に汗握る展開に。アルボンは必死にペレスを抑え込んでいたが、フェルスタッペンはメルセデスに追い込まれていく。DRSを使って一度はボッタスが2番手に上がるも、タイヤが残っていないとつらい状況を訴えていたはずのフェルスタッペンが巻き返してポジションを取り戻した。
しかしながら、2度目の攻撃には耐えきれず、3番手に下がったレッドブル陣営はフェルスタッペンのタイヤを新品のソフトに交換させてファステストラップポイントの1点に狙いを変えた。同じく1点でも多く手に入れようと後続に十分なギャップを築いていたサインツをピットに呼び入れたのがマクラーレンだ。
残り2周となってアルボンをロックオンしたペレスだったが、ファイナルラップのターン4でホイール同士がぶつかり、ペレスがマシンに損傷を受けてバトルは突然の終わりを迎える。しかしながら、レースは最後の最後まで何が起こるか分からない。ダメージを抱えながらもチェッカーを目指すペレスにチームメイトを含む3台が接近。
三つ巴のバトルとなったリカルド、ストロール、ノリスの攻防戦は、ストロールがリカルドにオーバーテイクを仕掛けた際にルノーマシンをコース外に押し出す格好となり、リカルドはわずかに飛び出しながらもコースに戻ったが、そのスキにノリスが先行し、さらにファイナルラップ終盤にストロールを追い抜いた勢いのまま、ノリスがチェッカーフラッグ目前でペレスをも料理する。コントロールラインに4台が団子状態で突進し、最終的にはノリス、ペレス、ストロール、リカルドの順番でゴールしたが、各車のギャップは1秒となく、とりわけペレスとストロールは0.066秒差のフィニッシュ劇だった。
それよりひと足早くチェッカーフラッグを受けていたのはトップでレースを終えたハミルトン、ボッタスが2位に入り、フェルスタッペンが3位表彰台、アルボンは4位入賞を果たしている。5位のノリス以下、ペレス、ストロール、リカルド、サインツ、クビアトがポイントを獲得。暫定リザルトではあるが、サインツがファステストラップを刻んで1ポイント多く手に入れている。
アルファ・タウリを駆るガスリーは15位完走にとどまった。
オーストリアでの開幕2連戦を終えたF1サーカスは2週間の休息を取って次の舞台となるハンガロリンクで再集結する。シーズン第3戦ハンガリーGPは7月17日(金)に開幕します。
ホンダPU勢は、3台がポイントを獲得したものの、フェルスタッペンが3位と期待された結果はだせませんでしたが、次のハンガリーGPに期待しましょう!