5月26日、2024年F1第8戦モナコGPの決勝レースがモンテカルロ市街地コースで行われ、モナコ出身のルクレール(フェラーリ)がポール・トゥ・ウインで、2022年第11戦オーストリアGP以来2年ぶりのキャリア通算6勝目、そして悲願の母国GP初優勝を飾った。
2位にピアストリ(マクラーレン)、3位にサインツ(フェラーリ)が続いた。角田(RB)は8位となり、今季6度目(スプリント含む)の入賞、そして日本人3人目となるモナコでの初入賞を果たした。
スタートタイヤはミディアムが10台、ハードが10台と別れた。上位10グリッドのうち、5番グリッドのラッセル(メルセデス)、6番グリッドのフェルスタッペン(レッドブル)、7番グリッドのハミルトン(メルセデス)の3台はホワイトのハード(C3)をチョイス。
上位10グリッドのうち、角田を含む残る6台はイエローのミディアム(C4)を選択。8番グリッドの角田はハードタイヤの3台を追う展開となった。
快晴のもと、気温22度、路面温度47度というコンディションで78周の決勝レースはスタートを迎えた。
ターン1は混乱なく各車通過。しかし、その先のターン3で最後列スタートのマグヌッセン(ハース)によるペレス(レッドブル)への接触が起因する多重クラッシュが発生し、ヒュルケンベルグ(ハース)を含めた3台がリタイアに。ドライバーは3名とも無事だったが、レースは早々に赤旗中断となった。
また、3番手スタートのサインツ(フェラーリ)はスタート直後のターン1でピアストリとわずかに接触。左フロントタイヤがパンクし、ターン4(カジノ)で曲がりきれず、サインツは一気に16番手まで順位を落とす。
さらに赤旗導入直前のターン8(ポルティエ)で、11番手スタートのオコン(アルピーヌ)がガスリー(アルピーヌ)に仕掛けた。サイド・バイ・サイドの最中、オコンの左リヤタイヤとガスリーの右フロントタイヤが接触。
オコンのマシンは跳ね上がり15番手まで後退したほか、ガスリーは9番手をキープするも、チームメイトとの接触に不満を露わにする。
これにより、赤旗導入時点でのトップ10は、ルクレール、ピアストリ、ノリス、ラッセル、フェルスタッペン、ハミルトン、角田、アルボン(ウイリアムズ)、ガスリー、ストロール(アストンマーティン)というオーダーとなっていた。
ただ、リスタート順はグリッド順に戻るかたちとなり、サインツは3番手からリスタートを迎えることが叶った。なお、オコンはガスリーとの接触でマシンにダメージを負っており、ここでリタイアを選択している。
ガードレール交換のための約40分の中断を経て、3周目にスタンディングスタートでリスタートを迎えた。なお、赤旗の間に全車がタイヤを履き替え、ハードからハードに交換した14番手のサージェント以外はタイヤ交換義務をここで消化している。
16台によるリスタートは、接触もなくクリーンな走りだしとなった。赤旗の間にタイヤ交換義務を終えた多くの車両は、そのままチェッカーまでの70周以上を走り切ることを念頭に、タイヤを持たせる走りを展開する。
ダーティエアの影響を避けるべく意図的に車間を取るようにペースをコントロールする車両もあり、序盤からオーバーテイクもない均衡状態が続いた。
12周目には4番手ノリスと5番手ラッセルのギャップが6.6秒まで開いた。ラッセルは「もっと詰めたほうがいいんじゃない?」と無線を飛ばすが、メルセデスは「今は速く走る必要はない」と指示。このメルセデスの戦略により、トップ4台と5番手ラッセル以降のギャップが毎周開いていく。
そんななか、角田も無理にミディアムタイヤの3台との間合いを詰めることはせず、同じハードタイヤで76周を走り切ることを念頭にペースコントロールに徹する。背後には9番手のアルボンがピタリと着くが、抜けないモナコ・モンテカルロなだけに、アルボンも仕掛けることができない。
ペースの上下はあれど順位変動はなく周回は続いた。34周目を迎え、4番手ノリスと5番手ラッセルは13秒差にまで広がった。それゆえに3番手のサインツは、終盤に4番手ノリスがミディアムタイヤに履き替えるリスクを心配する。1周目にミディアムタイヤにダメージを負ったサインツは、ハードタイヤで76周を走り切る選択しか残されていないからだ。
43周目、11番手ストロールがミディアムからハードに交換。12番手アロンソに16秒差を築いていたことから11番手をキープすることが叶った。そんなストロールだったが49周目のヌーベルシケインで左リヤタイヤをガードレールにぶつけ、トレッドが外れ緊急ピットイン。残り28周をソフトタイヤで走らざるを得ない状況となる。
そんななか、52周目に7番手ハミルトンがピットイン。8番手の角田とは45秒のギャップが開いていたこともあり、7番手をキープしたままコース復帰する。その動きに反応してフェルスタッペンが53周目にハードタイヤへ履き替えると、1分15秒台を連発する。
一方、フェルスタッペン、ハミルトンと同じ戦略だったラッセルはなかなかピットに入らない。その間にフェルスタッペンは1周3秒近く間合いを詰めるも、最後までオーバーテイクには至らなかった。
8番手角田は、7番手のハミルトンが65周目を迎えたところで、ハミルトンにラップダウンとなるも、アルボンをDRS圏内に従えながら我慢の周回が続いていた。そんななか65周目にRBから「プッシュしていいよ」という無線が届くと、「それを待ってたよ」と答えた角田は1分17秒台までペースを上げる。
角田だけではなく、終盤を迎えそれまでペースをコントロールしていたドライバーたちが、総じてプッシュを開始。ピアストリ、サインツ、ノリスは終盤も1秒以内という僅差の戦いが続いたが、抜けないモナコ・モンテカルロなだけに順位は変わることはなかった。
40分強の中断も挟んだ78周を終え、モンテカルロ出身のルクレールがポール・トゥ・ウインで、2022年第11戦オーストリアGP以来2年ぶりのキャリア通算6勝目、そして悲願の母国GP初優勝を飾った。
なお、モナコ国籍のドライバーがモナコGPを制したのは1931年のルイ・シロン(ブガッティ)以来史上2度目。1950年からF1世界選手権として開催されて以降ではルクレールが初となる。モナコ人のモナコGP制覇という記念すべきレースとなり、表彰式ではアルベール2世モナコ公殿下もシャンパンファイトを行う珍しいシーンも見られた。
2位に今季初表彰台のピアストリ、3位にサインツが続いた。以下、4位ノリス、5位ラッセル、6位フェルスタッペン、7位ハミルトン、8位角田、9位アルボン、今季初入賞となる10位ガスリーまでがポイント獲得となった。
リスタート後は長く、厳しいハードタイヤでの76周となった角田は、ファイナルラップに自己ベストの1分15秒205をマーク。8位のポジションを守り切り、2008年の中嶋一貴(ウイリアムズ・トヨタ)、2011年の小林可夢偉(ザウバー)に続く、日本人3人目となるモナコでの入賞を果たした。
次戦となる2024年F1第9戦カナダGPは、6月7〜9日にジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。
2位にピアストリ(マクラーレン)、3位にサインツ(フェラーリ)が続いた。角田(RB)は8位となり、今季6度目(スプリント含む)の入賞、そして日本人3人目となるモナコでの初入賞を果たした。
スタートタイヤはミディアムが10台、ハードが10台と別れた。上位10グリッドのうち、5番グリッドのラッセル(メルセデス)、6番グリッドのフェルスタッペン(レッドブル)、7番グリッドのハミルトン(メルセデス)の3台はホワイトのハード(C3)をチョイス。
上位10グリッドのうち、角田を含む残る6台はイエローのミディアム(C4)を選択。8番グリッドの角田はハードタイヤの3台を追う展開となった。
快晴のもと、気温22度、路面温度47度というコンディションで78周の決勝レースはスタートを迎えた。
ターン1は混乱なく各車通過。しかし、その先のターン3で最後列スタートのマグヌッセン(ハース)によるペレス(レッドブル)への接触が起因する多重クラッシュが発生し、ヒュルケンベルグ(ハース)を含めた3台がリタイアに。ドライバーは3名とも無事だったが、レースは早々に赤旗中断となった。
また、3番手スタートのサインツ(フェラーリ)はスタート直後のターン1でピアストリとわずかに接触。左フロントタイヤがパンクし、ターン4(カジノ)で曲がりきれず、サインツは一気に16番手まで順位を落とす。
さらに赤旗導入直前のターン8(ポルティエ)で、11番手スタートのオコン(アルピーヌ)がガスリー(アルピーヌ)に仕掛けた。サイド・バイ・サイドの最中、オコンの左リヤタイヤとガスリーの右フロントタイヤが接触。
オコンのマシンは跳ね上がり15番手まで後退したほか、ガスリーは9番手をキープするも、チームメイトとの接触に不満を露わにする。
これにより、赤旗導入時点でのトップ10は、ルクレール、ピアストリ、ノリス、ラッセル、フェルスタッペン、ハミルトン、角田、アルボン(ウイリアムズ)、ガスリー、ストロール(アストンマーティン)というオーダーとなっていた。
ただ、リスタート順はグリッド順に戻るかたちとなり、サインツは3番手からリスタートを迎えることが叶った。なお、オコンはガスリーとの接触でマシンにダメージを負っており、ここでリタイアを選択している。
ガードレール交換のための約40分の中断を経て、3周目にスタンディングスタートでリスタートを迎えた。なお、赤旗の間に全車がタイヤを履き替え、ハードからハードに交換した14番手のサージェント以外はタイヤ交換義務をここで消化している。
16台によるリスタートは、接触もなくクリーンな走りだしとなった。赤旗の間にタイヤ交換義務を終えた多くの車両は、そのままチェッカーまでの70周以上を走り切ることを念頭に、タイヤを持たせる走りを展開する。
ダーティエアの影響を避けるべく意図的に車間を取るようにペースをコントロールする車両もあり、序盤からオーバーテイクもない均衡状態が続いた。
12周目には4番手ノリスと5番手ラッセルのギャップが6.6秒まで開いた。ラッセルは「もっと詰めたほうがいいんじゃない?」と無線を飛ばすが、メルセデスは「今は速く走る必要はない」と指示。このメルセデスの戦略により、トップ4台と5番手ラッセル以降のギャップが毎周開いていく。
そんななか、角田も無理にミディアムタイヤの3台との間合いを詰めることはせず、同じハードタイヤで76周を走り切ることを念頭にペースコントロールに徹する。背後には9番手のアルボンがピタリと着くが、抜けないモナコ・モンテカルロなだけに、アルボンも仕掛けることができない。
ペースの上下はあれど順位変動はなく周回は続いた。34周目を迎え、4番手ノリスと5番手ラッセルは13秒差にまで広がった。それゆえに3番手のサインツは、終盤に4番手ノリスがミディアムタイヤに履き替えるリスクを心配する。1周目にミディアムタイヤにダメージを負ったサインツは、ハードタイヤで76周を走り切る選択しか残されていないからだ。
43周目、11番手ストロールがミディアムからハードに交換。12番手アロンソに16秒差を築いていたことから11番手をキープすることが叶った。そんなストロールだったが49周目のヌーベルシケインで左リヤタイヤをガードレールにぶつけ、トレッドが外れ緊急ピットイン。残り28周をソフトタイヤで走らざるを得ない状況となる。
そんななか、52周目に7番手ハミルトンがピットイン。8番手の角田とは45秒のギャップが開いていたこともあり、7番手をキープしたままコース復帰する。その動きに反応してフェルスタッペンが53周目にハードタイヤへ履き替えると、1分15秒台を連発する。
一方、フェルスタッペン、ハミルトンと同じ戦略だったラッセルはなかなかピットに入らない。その間にフェルスタッペンは1周3秒近く間合いを詰めるも、最後までオーバーテイクには至らなかった。
8番手角田は、7番手のハミルトンが65周目を迎えたところで、ハミルトンにラップダウンとなるも、アルボンをDRS圏内に従えながら我慢の周回が続いていた。そんななか65周目にRBから「プッシュしていいよ」という無線が届くと、「それを待ってたよ」と答えた角田は1分17秒台までペースを上げる。
角田だけではなく、終盤を迎えそれまでペースをコントロールしていたドライバーたちが、総じてプッシュを開始。ピアストリ、サインツ、ノリスは終盤も1秒以内という僅差の戦いが続いたが、抜けないモナコ・モンテカルロなだけに順位は変わることはなかった。
40分強の中断も挟んだ78周を終え、モンテカルロ出身のルクレールがポール・トゥ・ウインで、2022年第11戦オーストリアGP以来2年ぶりのキャリア通算6勝目、そして悲願の母国GP初優勝を飾った。
なお、モナコ国籍のドライバーがモナコGPを制したのは1931年のルイ・シロン(ブガッティ)以来史上2度目。1950年からF1世界選手権として開催されて以降ではルクレールが初となる。モナコ人のモナコGP制覇という記念すべきレースとなり、表彰式ではアルベール2世モナコ公殿下もシャンパンファイトを行う珍しいシーンも見られた。
2位に今季初表彰台のピアストリ、3位にサインツが続いた。以下、4位ノリス、5位ラッセル、6位フェルスタッペン、7位ハミルトン、8位角田、9位アルボン、今季初入賞となる10位ガスリーまでがポイント獲得となった。
リスタート後は長く、厳しいハードタイヤでの76周となった角田は、ファイナルラップに自己ベストの1分15秒205をマーク。8位のポジションを守り切り、2008年の中嶋一貴(ウイリアムズ・トヨタ)、2011年の小林可夢偉(ザウバー)に続く、日本人3人目となるモナコでの入賞を果たした。
次戦となる2024年F1第9戦カナダGPは、6月7〜9日にジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。
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