ヘーゲル『哲学入門』中級 第一篇 序論 第九節[意識の三つの段階]
§9
Das Bewusstsein hat im Allgemeinen nach der Verschiedenheit des Gegenstandes überhaupt drei _Stufen._ Er ist nämlich entweder das dem Ich gegenüberstehende Objekt; oder er ist Ich(※1) selbst; oder etwas Gegenständliches, das eben so sehr dem Ich angehört, der Gedanke(※2). Diese Bestimmungen sind nicht empirisch von Außen aufgenommen, sondern Momente des Bewusstseins selbst.(※3) Es ist also:
1) Bewusstsein überhaupt;
2) Selbstbewusstsein;
3) Vernunft.(※4)
第九節[意識の三つの段階]
一般に、意識には対象の区別に応じて三段階がある。すなわち、1) 対象が「私」にふつうに相対する客体であるか、あるいは、2) 対象が、「私」自身であるか。あるいはさらに、3) 対象がまったく同じように「私」に属するものであるような客体物の或る物、たとえば思想のようなものであるか。これらの規定は外から経験的に把握されるものではなくて、意識それ自身の要素である。
意識には、したがって、以下の三段階がある。
1) 意識一般
2) 自己意識
3) 理性
※1
Ich 「私」、自我、自分
※2
Gedanke
思考の結果生まれたもの。観念、思想、概念、思考、想像、意見などの訳語が考えられる。
※3
Momente des Bewusstseins selbst. 意識それ自体の要素
Moment 契機、要素、要因、動機、境界
1) 意識一般 2) 自己意識 3) 理性 の三つの段階が、私たちの意識の要素である。
私たちの意識の要素、契機としては、この三つ段階「1) 意識一般 2) 自己意識 3) 理性」の他にはなく、それらだけで尽きているのか、必要にして十分であるのか、そのことが論証されていなければならない。
※4
Vernunft. 理性 とは、ここでも明らかなように、「「私」に属するものであるような客体物」。すなわち、観念、思想、概念、ロゴスなど。これは哲学の主題でもある。
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