桃の節句
小鳥どもの歌詠みける中に
1399 声せずは 色濃くなると おもはまし
柳の芽食む 鶸(ひわ)の群鳥
小鳥たちが囀らなかったら、春になって柳の色が濃くなったことすらも気づかなかったでしょうね。鶸(ひわ)たちが群れをなして柳の新芽を啄んでいます。
鶸ひわ
1400 桃園の 花にまがへる 照鶯(てりうそ)の
群れ立つをりは 散る心地する
桃園に咲く花と見まちがえそうな照鶯(てりうそ)たち。群れなして飛び立つときのその様子は、桃の花びらが散ってゆくようです。
頬の赤いオスは照鷽(てりうそ)、 赤くないメスは雨鷽(あまうそ)ともいわれるそうです。
1401 並びゐて 友を離れぬ こがらめの
塒をたのむ 椎の下枝
こがらめたちが小枝にキチンと居並んで仲間の友から離れようともしません。今宵のねぐらに椎の木の下枝をあてにしているようです。
平安時代から " こがら " こがらめ " の名で知られているそうです。
小鳥たちの囀り、柳青める水辺。園に咲く桃の花びらのように飛び去るてりうそ。仲間とともに今宵の塒にしようと大きな椎の木の下枝を宿り木にしているこがらめたち。小枝の上で囀り鳴く小鳥たちに西行は春の訪れを感じています。歌を詠む小鳥たちというのも西行らしい。
早いもので二〇一五年平成二七年も三月三日、今年も桃の節句。
この日にはたいがい日記を残している。娘たちに読んでもらいたいために。ジェンダーフリーの蔓延る日本においてもいつもやまと撫子でいてほしい。
お一人様の好きなフェミニストたちに汚染されることなく、オトコ女になることなく──こんなことを言えば人権侵害といって訴えられるかな?;(*◇*);──窮屈な世の中になったものだ──とにかく心にヒゲを生やしたオトコ女だけはご免こうむりたい。それからアメ女?と。
うれしいひなまつり(歌詞付) 桑名 貞子
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