日経5月3日付けでは以下のように報道しています。
トヨタは名実ともに世界1になるのも目前です。
「世界販売計画 トヨタ、2010年1000万台に 単体でGM抜き首位
トヨタ自動車は二〇一〇年に単体での世界の自動車販売を約千三十万台とする
計画を策定した。〇五年実績より中国を含むアジアを約二倍に拡大、最大市場の
北米も三五%増を狙い、合計で約三百万台上乗せする。増加分の九割超は海外販
売だが、国内も七%増を見込む。実現すれば一〇年までの間に世界最大手の米ゼ
ネラル・モーターズ(GM)を単体で抜き、世界で一千万台を販売する初の自動車
メーカーとなる。
米中での生産拡大カギ
地域別では低価格の国際戦略車「IMV」を投入したアジアで〇五年比約二倍
の二百十万台を目指す。特に中国では今月広州工場を稼動させ主力セダン「カム
リ」の生産を年十万台規模で開始。○八年には同工場で小型車「ヴィッツ」の生
産を始めて一〇年には約五倍の百万台に増やす。
北米はガソリン高で「カローラ」など低燃費車の需要増を見込むほか、主力セ
ダン「カムリ」などでハイブリッド仕様車を投入し三五%増の三百三十万台規模
を想定。欧州はロシア新工場で〇七年末から「カムリ」の生産を始めて販売車種
を増やし五六%増の百五十五万台を計画している。このほか豪州や中東で販売を
上積みする。
計画達成には特に米国と中国での拡販で、輸出ではなく現地での生産増で対応
できるかがカギとなる見通しだ。
トヨタの〇五年の世界販売台数は七百二十七万台で〇四年に比べ八%増えた。
ダイハツ工業、日野自動車を含めた連結ベースでは八百十万台で、GMの九百十
七万台に次ぐ第二位。
GMはアジアでの販売は好調だが、北米は不振で一部工場を閉鎖するため当
面、〇五年の販売実績を上回る生産は難しい情勢。一方、トヨタは海外で販売が
急増中で早ければ〇七年にも連結でGMの販売台数を抜く可能性がある。販売計
画が順調に推移すれば単体でも一〇年を待たずにGMを抜く公算が大きい。
計画に合わせ海外生産能力も増強。北米では今年後半に米テキサス、〇八年に
カナダで新工場を稼働させるが、販売好調を受け新たな工場を設ける方針。欧州
でも小型車需要が伸びており一〇年前後に工場を新設する。
インドネシアやトルコなど市場が拡大する国・地域でも〇七年から〇九年にか
けて増産する。○七年三月期は過去最高水準の一兆四千億円台の設備投資(連結
ベース)を計画、今後二、三年は一兆円を超える投資を継続する予定。減価償却
費が膨らむため利益の伸びが鈍化する要因となる。
(解説)世界販売計画トヨタ、現地化加速
トヨタ自動車が掲げる世界販売一千万台超の計画実現には、最大市場の北米で
手綱を緩めず拡販する戦略が不可欠となる。このためトヨタは近年、米国との間
で摩擦を起こさないよう細心の注意をはらってきた。
例えば米大手の販売不振が深刻となった昨年四月に奥田碩トヨタ会長は支援に
言及。昨年七月には米国で「プリウス」など主力車の値上げも実施した。昨年十
月には米ゼネラル・モーターズ(GM)が保有していた富士重工業の一部株式を取
得し側面支援。今年末にはブッシュ米大統領のおひざ元の米テキサス州に北米六
カ所目の車両工場を稼働させるなど、現地化も加速している。
北米の販売の拡大は、現地での工場新設と呼応するもので「株主などステーク
ホルダー(利害関係者)のためにも販売で手を緩めるわけにはいかない」(トヨタ
幹部)としている。ただ米自動車大手の販売不振が長引いている中で、どのよう
なぺースで拡販を進めるかでは難しいかじ取りを迫られ、計画の実現に影響を与
える可能性もある。
このほかにも世界生産の急拡大に伴い熟練した人員の確保といった問題が解決
していないほか、品質面でもリコール(回収・無償修理)が急増しており、販売で
一干万台を超えるための課題は山積している。」
トヨタは名実ともに世界1になるのも目前です。
「世界販売計画 トヨタ、2010年1000万台に 単体でGM抜き首位
トヨタ自動車は二〇一〇年に単体での世界の自動車販売を約千三十万台とする
計画を策定した。〇五年実績より中国を含むアジアを約二倍に拡大、最大市場の
北米も三五%増を狙い、合計で約三百万台上乗せする。増加分の九割超は海外販
売だが、国内も七%増を見込む。実現すれば一〇年までの間に世界最大手の米ゼ
ネラル・モーターズ(GM)を単体で抜き、世界で一千万台を販売する初の自動車
メーカーとなる。
米中での生産拡大カギ
地域別では低価格の国際戦略車「IMV」を投入したアジアで〇五年比約二倍
の二百十万台を目指す。特に中国では今月広州工場を稼動させ主力セダン「カム
リ」の生産を年十万台規模で開始。○八年には同工場で小型車「ヴィッツ」の生
産を始めて一〇年には約五倍の百万台に増やす。
北米はガソリン高で「カローラ」など低燃費車の需要増を見込むほか、主力セ
ダン「カムリ」などでハイブリッド仕様車を投入し三五%増の三百三十万台規模
を想定。欧州はロシア新工場で〇七年末から「カムリ」の生産を始めて販売車種
を増やし五六%増の百五十五万台を計画している。このほか豪州や中東で販売を
上積みする。
計画達成には特に米国と中国での拡販で、輸出ではなく現地での生産増で対応
できるかがカギとなる見通しだ。
トヨタの〇五年の世界販売台数は七百二十七万台で〇四年に比べ八%増えた。
ダイハツ工業、日野自動車を含めた連結ベースでは八百十万台で、GMの九百十
七万台に次ぐ第二位。
GMはアジアでの販売は好調だが、北米は不振で一部工場を閉鎖するため当
面、〇五年の販売実績を上回る生産は難しい情勢。一方、トヨタは海外で販売が
急増中で早ければ〇七年にも連結でGMの販売台数を抜く可能性がある。販売計
画が順調に推移すれば単体でも一〇年を待たずにGMを抜く公算が大きい。
計画に合わせ海外生産能力も増強。北米では今年後半に米テキサス、〇八年に
カナダで新工場を稼働させるが、販売好調を受け新たな工場を設ける方針。欧州
でも小型車需要が伸びており一〇年前後に工場を新設する。
インドネシアやトルコなど市場が拡大する国・地域でも〇七年から〇九年にか
けて増産する。○七年三月期は過去最高水準の一兆四千億円台の設備投資(連結
ベース)を計画、今後二、三年は一兆円を超える投資を継続する予定。減価償却
費が膨らむため利益の伸びが鈍化する要因となる。
(解説)世界販売計画トヨタ、現地化加速
トヨタ自動車が掲げる世界販売一千万台超の計画実現には、最大市場の北米で
手綱を緩めず拡販する戦略が不可欠となる。このためトヨタは近年、米国との間
で摩擦を起こさないよう細心の注意をはらってきた。
例えば米大手の販売不振が深刻となった昨年四月に奥田碩トヨタ会長は支援に
言及。昨年七月には米国で「プリウス」など主力車の値上げも実施した。昨年十
月には米ゼネラル・モーターズ(GM)が保有していた富士重工業の一部株式を取
得し側面支援。今年末にはブッシュ米大統領のおひざ元の米テキサス州に北米六
カ所目の車両工場を稼働させるなど、現地化も加速している。
北米の販売の拡大は、現地での工場新設と呼応するもので「株主などステーク
ホルダー(利害関係者)のためにも販売で手を緩めるわけにはいかない」(トヨタ
幹部)としている。ただ米自動車大手の販売不振が長引いている中で、どのよう
なぺースで拡販を進めるかでは難しいかじ取りを迫られ、計画の実現に影響を与
える可能性もある。
このほかにも世界生産の急拡大に伴い熟練した人員の確保といった問題が解決
していないほか、品質面でもリコール(回収・無償修理)が急増しており、販売で
一干万台を超えるための課題は山積している。」