スメ8のメカニカルな部分について。
とにかく単純だ。
僕が一番好きなところは電池を使わないこと。
全て手動。撮る前にレバーを引いてバネを蓄え、その力でシャッターを切る。
シャッターを切ったときの、バネが戻るなんとも安っぽい音が好きだ。
デジカメや今の一眼レフカメラの全て電子制御とは大違いだ。
フィルムを送るのも手動。
だから失敗が多い。
つい急いでいると、フィルムを送るのを忘れてまた同じところで撮ってしまう。
すると、二つの景色が1枚の写真になる。
失敗だけど、面白い写真になることもある。わけ分からなくなることもある。
青い空を撮って、フィルムを送らずに違う景色を撮ると、全体に青っぽい景色になる。
ちょっと裏技ちっく。
絞りとシャッタースピードはマニュアル操作。
この辺になってくると、カメラを知ってる人じゃないと分かりにくいと思う。
スメ8はなぜか絞りを固定にすることを推奨されている。
ピントが大雑把なために被写界深度を深くするためだろうが、そんなの無視してバックをぼかしたい時や室内なんかは、絞りもいじる。でも、やっぱり暗いところではきれいに写らない。
シャッタースピードは面白くて、数字じゃなくてお天気マークで示してある。
太陽マークや雲マークにあわせるだけなので非常に便利。
しかも、これがなかなかのもので、本当に適正露出であることが多い。
バネが戻る力だけでどうしてちゃんとシャッタースピードを制御できるのか不思議だ。
ちゃんと、裏にはシャッタースピードの具体的な数字も載っているが、ほとんどそちらは見ずに、今は晴れているから太陽マーク・・・という具合で撮っている。
なんか、天気で判断するほうがこのカメラには合っている気がする。
もう一つ、スメ8ではないがトイカメラですごいと思ったのが、カメラの後ろにちょっとした部品をつけるだけでポラロイドカメラになる製品があるということ。
このカメラは、設計上全くそんなことを想定して作られていない。
でも、作りがあまりに単純だから、ちょっとした部品をつけるだけでポラロイド化できるのだ。
現代の複雑なカメラではそうはいかない。
それ以外にも、単純さゆえにいろんな工夫、改造の余地があるのがうれしい。
今、自分が何枚撮ったのかを知るためのカウンターは当てにならない。
説明書には「最新式の超チープなカウンターです」とある。
確かにこんな簡単な構造でカウンターを作る工夫はすごいと思うけど。
日本のカメラでは考えられないが、スメ8は全身プラスティックでできている。だから軽い。
まるで、使い捨てカメラ。
でも、そのチープなプラスティックボディのせいで思いもよらないところから光が入り、また面白くしてくれる。
ずいぶん長く書いた。スメ8について書いていると飽きない。
フィルムなのでHPに載せづらいのが残念。一人で楽しむか・・