キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

つなみ-被災地のこども80人の作文集

2011年08月17日 | Weblog
そういえば日航機墜落事故が発生してから1週間もたっていないときに、新聞の一面を日航機事故にするか、それとも中曽根首相の靖国参拝にするかが本気で議論されたというエピソードが『クライマーズハイ』にあった。
その新聞社がその日に最も伝えたいこと、最も大切だと思うこと、最も国民が必要だとしている情報は何か。
日航機事故の遺族はどんな思いで毎日の新聞を読んでいるか。
とにかく情報が欲しい。
自分たちがどうしてこんな状況にいるのか、とにかく、情報が欲しい。
そんなエピソードだった。

本屋で『つなみ-被災地のこども80人の作文集』という本を見た。
地震と津波の真っただ中にいた子供たちの作文集だった。
手にとって、一つの作文を読んでみた。
手書きで、ひらがなばかりの文だ。

「いっしょに映画をみにいく約束をしていた友達もなくなりました」

と書かれていたところで目が止まり、そのまま本をレジに持っていった。
震災からもう5カ月が過ぎた。
原発のニュースを除けば、地震と津波そのものの被害が新聞の一面に載ることは殆どない。
正直、震災直後に比べると僕自身の中からもいつの間にかその存在は少し薄くなっている。

それでも、地震と津波を真正面から受け止めた人たちは、ここにこうしている「人」がいることを知ってほしいと思っているんじゃないか。
忘れないでほしいと思っているんじゃないか。
これは、自分に対しての自戒である。

作文集の一文。

「避難所でいらいらすることもあるけれど、世界中のひとたちに感謝しています」