自分であるために、着る服を選ぶのではなく、
自分であるから、この服を着ている。
そして、書店へ行けば、そこに自分が買う本がある。
何かを求め行くのではなく、ただ、そこへ行くのだ。
そして本を開けば、答えるように、その本から檜の香りが立ち上ってくる。
すべてを自分が動かさなければならないことは、何一つなく
ただ、ある事象をそのままに、受け取るのだ。
なぜなら、この世界がすべてのギフトなのだから。
贈られたものをあますことなく、感じる。
そして、そのどれを取っても、そこには、喜びがある。
幾多の末に、誰にでも、この喜びは贈られている。
そのことに、気づき喜ぶひとが、ひとり、また、ひとりと
光灯り増えていくことをみつめている。