アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アレチウリ - 花とアリと・・・

2020-09-17 20:28:17 | みんなの花図鑑
アレチウリはウリ科の大型のつる性植物。
英名は burr cucumber(トゲのあるキュウリ)。


雌雄異花で、今は 雄花のシーズンのようです。(雌花はもう少し後)
副題は「花とアリと・・・」ですが、この「・・・」の部分の一つが このマダラナガカメムシ(?)です。




雌花序は 球状に花が咲きますが、雄花序は ばらばらに花が付きます。
雄しべは花糸も葯も合着し、キノコのように見えます。



場所は 矢作川の河川敷なのですが、イエバエが吸蜜に来ています。




英名は「棘のついたキュウリ」ですが、トゲというのは この長い腺毛のことですか?




さあ、今日の話題 アリさん 登場です。




見てほしいのは、アリさんが 花のどこをなめているかです。




アリさんが舐めているところを 他の小花で観察すると、ほら、大量の蜜が出ています。




ヤブガラシ(ブドウ科)の花は 虫のレストラン と言われていましたが、時期が変わると、アレチウリが その役割をしているかのようです。




日光の差し込む角度を考慮して2度撮影してみました。まず 1回目。




そして2回目 (見出し画像も 同じ角度です)。




最後に 合着したおしべの葯の近接画像です。
木のアオギリのおしべ に似ています。
おしべって合着するとみなこのような模様の球になるのでしょうか?

タラノキ - 花にハエ

2020-09-17 14:41:38 | みんなの花図鑑
春には タラの芽のてんぷらを食べてる自宅庭のタラノキです。


こんなふうに 細かい花がいっぱい。花の下の葉は 落ちてきた雄しべで真っ白です。




タラノキはウコギ科の木で、花期は8~9月。よくハエが集まってきます。ハチも来ますけど、ハエやアブのほうが多いです。




さて本題の花なんですが、雌雄同株といわれてます。「花序の枝の上部には両性花の花序、下方には雄花の花序がつくことが多い。(樹に咲く花)」(松江の花図鑑「タラノキ」)
ところが実際は どれが両性花でどれが雄花か、一目瞭然でないのです。




上の小花は 雄性期でなく 雌性期であることは明らかです。
画像の右手の花は 柱頭が5つに割れて開いています。柱頭の先は赤く染まっています。
画像の左上手の小花は蕾らしき小花とそれが開いて雌しべの柱頭が頭をもたげています。まだ5つに割れていません。
両方とも おしべらしきものはありません。




この画像では 中央の花序が一番最後の状態(柱頭が開いて受粉が終わって果実になりつつある)、下側の両方の花序の一部に雄しべがちょっと見られます。おそらく、ですが、おしべの活動期(雄性期)の最後で 花弁とおしべは脱落し雌しべが成熟しだす時期にあるものと思われます。




順番が逆になりましたが、雄性期の花です。
「花弁は5個あり、三角状卵形で先は尖る。雄しべと花柱は5個。」(同上)
この状態が 一番花っぽいですね。




雄性期の花というのは分かるんですが、これが両性花の雄性期か 雄花の雄性期かは分からないのです。
なぜなら、雄花といっても、めしべが退化しているとか、無くなっているわけではないからです。
「結実する両性花も脱落する雄花といわれているものも、形態的にはすべての花が両性花で構成されているように見える。」
「結実しない花の雌しべが明確に退化していれば雄花として認知しやすいのであるが、実際には雌しべが退化しているわけでもなく、5本の花柱を開くことから、見た目には〝結実しなかった両性花〟としか見えない」
(以上、続・樹の散歩道「タラノキの花は何ともわかりにくい!!」より)




見出しに使った画像の元の画像ですが、ハエが舐めている部分、ちょうど ヤブガラシの花のようですね。ウコギ科でも 花盤というのかどうかは知らないですが、花盤に相当する部分に蜜があるようです。


セロシア(ケイトウ)‐ 花とクモ

2020-09-17 09:50:44 | みんなの花図鑑
セロシア 'アジアン・ガーデン' って書いてありました。 セロシア(ケイトウ)と書いてくれてりゃもっと分かりやすいのに(´・ω・)



ケイトウ Celosia cristata
ノゲイトウ Celosia argentea
ケイトウもたくさんの小花が集まってこの形を作ってると分かったときの 驚き (^^)/
タコみたいなのが出てきましたよ




ハナクモの仲間でした。このハナグモでははっきりしてませんが、お尻の部分が人の顔みたいな模様があるので 人面グモ とも言われてます。




話を元に戻して、開花した小花は こんな形です。先が鋭くとがった花弁(正しくは 花被片)がお星さまのように開いています。
(ケイトウの属するヒユ科やタデ科は古い科で、萼片が花弁から独立していません。萼片と花弁をまとめて花被片と呼んでいます)




おしべは5本。見れば、下部で合着している。王冠みたいです。




斜め横から。小花にここまで近づいてみた画像はあまりないですよ~~と自画自賛 \(^o^)/
(ピントはおしべのほうに合ってますが)雌しべの柱頭が3裂しているのが分かります。