アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ナデシコ - 雄しべが先熟?

2020-09-06 21:51:22 | みんなの花図鑑

秋の七草のナデシコは 野生のカワラナデシコのことのようですが、園芸コーナーで ナデシコ(属名のダイアンサスとも呼ばれているようですが)を見ていると、シベが 色々時期があるのに気が付きました。




一枚目と同じ品種のナデシコでは 雌しべが2裂して高く伸びています。雄しべはというと 雌しべの3分の1くらいの高さしかありません。




これなど、めしべは勢いよく伸びていますが、おしべは 枯れたようになって花弁に張り付いています。




別の品種ですが、めしべは2本(深く2裂しているのでしょうか)高く伸びていますが、おしべのほうは あきらかに役割を終えて枯れているみたいです。




また別のはなですが、おしべだけが出ています。このおしべたちは 大きい葯を付けています。めしべは見当たりません。




この花では、おしべたちのあいだに まだ小さいめしべが出て来ています。
これまでの観察結果をまとめると、園芸品種のナデシコは まずおしべが活動したあと、雌しべが伸びて2裂して 活動する(雄性先熟)ということになりそうです。
ただ、「ナデシコ 雄性先熟」で検索しても、ヒットするのは 「カワラナデシコ」のほうばかりです。もっとよく調べてみなくてはなりません。




これまで見てきた めしべの柱頭は2裂していましたが、このナデシコの柱頭は 3裂しています。



トレニア vs クマバチ

2020-09-06 10:37:31 | みんなの花図鑑

ここは安城産業文化公園デンパーク。





寄せ植えにクマバチ(クマンバチ)が吸蜜に来ています。(クマンバチはめまぐるしく飛び回り、ひとつの花に2~3秒しか停まっていないのでほとんどの写真はこのように焦点の定まらないものになります (ToT))





トレニアはアゼナ(ゴマノハグサ)科トレニア属の一年草または多年草です。
めしべ(の柱頭)が触れると閉じることでよく知られています。




左右のおしべがアーチを作ることでも知られています。
これらは受粉をより確実にするための植物の進化の結果なのでしょう。




さて、クマンバチの話に戻ります。
寄せ植えには トレニアのほかに ユーフォルビア・ダイアモンドフロストや日日草が植えてあるのですが、クマンバチがトレニアの花にだけ停まっています。おいしい蜜があるのでしょう。




でもクマンバチにとって トレニアの花は小さすぎます。
トレニアは こういう大型の昆虫に荒らされないために 筒形の花に変化してきたと考えられています。
以下でお話しすることは、シソ科の サルビア・ガラニチカでもすでに観察 したことです。




観察してると面白いことに気づきます。
クマンバチは花冠の筒の中に潜り込もうとしないで、必ず 萼のところに止るのです。時には 花弁のほうに止ることもありますが、瞬時に 萼片のほうに移動します。





クマンバチは どうして蜜を吸うかというと、 頑丈な顎と太い口吻を使って花の付け根に穴を開けて蜜を食べちゃうのです。これを「盗蜜」といいます。




でもサルビア・グァラニチカの萼片は もう少し柔らかかったような気がします。こうしてみると、トレニアの萼片はかなり強そうです。
でも見ていると、クマンバチは一つの花に数秒しか停まってません。穴をあけるには短すぎる時間です。
もしかしたら、トレニアは サルビア・グァラニチカとちがって クマンバチ用に萼片の内側に蜜を提供しているのかもしれませんよ(^_-)-☆