アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

グレビレア - ロビンゴードン

2020-09-11 18:05:59 | みんなの花図鑑
グレビレアはヤマモガシ科グレビレア属の半耐寒性常緑低木。当地では屋外で冬でも咲いていることがあります。


原産地は フトモモ科と同じくオーストラリア方面。




グレビレア属には 沢山の種類がありますが、日本で単にグレビレアといえば、この「ロビンゴードン」のことが多いです。




それにしても面白い形をした花です。細長い袋のようなものから シベがまた長く伸びています。




細長い袋のようにみえるのは総苞で、そこから長い花柱を突きだし花となっているようです。
ところが、別の記事には 飛び出しているのは おしべ としています。
「丸まった苞から長い雄シベが伸びた姿はとても独特で華やかです。」(BOTANICA「グレビレアの育て方」)
本当のところは どっちなんでしょう?!




今回もまた
続・樹の散歩道
  奇妙なグレヴィレア(グレビレア)の花の構造とその挙動はどうなっているのか

に詳細な記事がありました。以下に その序論のところを引用させてください。

「花を見ると、当初は雌しべが勾玉(まがたま)型の花被の筒に湾曲した状態で納まっていて、やがて筒状花被の背の部分が割れて雌しべがツンと突き出すのであるが、その柱頭を見ると既に花粉をタップリとつけている。ということは、奇妙なことであるが雌しべは柱頭に花粉をタップリとつけてからおもむろに姿を現したことになる。こんなことは一般にあり得ないことである。花弁がないのはこの花の個性であるが、雄しべの姿も見えないということは、雄しべは筒状花被の中に隠れたままということになる。
 一体全体この花は受粉を何と心得ているのか!!【2017.11】」(太字は引用者)

キキョウ、トルコギキョウ - めしべが違う

2020-09-11 09:05:36 | みんなの花図鑑
キキョウと名がつく2つの花、そのめしべの観察です。


まず、キキョウのほうから。西尾市憩の農園で9月1日午後3時過ぎの撮影です。
英語で balloon flower といいます。まさにその状態。




キキョウでは、はじめ雄しべが中の めしべのこん棒を包み込みます。その中を雌しべのこん棒が上へ伸びることによりおしべの花粉がこん棒の膨らんだところに擦りつけられます。キキョウでは おしべの役目はここまでで、虫が着て花粉を運ぶのは 雌しべこん棒の頭の花粉なのです。
役目を終えたおしべたちは 花弁に倒れ枯れていきます。




めしべこん棒は花粉が無くなるころ 頭を5つに割り、柱頭を開きます。ここから ほんとうの めしべとしての活動が始まります。




さて、トルコギキョウのほうに話題を移します。撮影日時、場所は 上のキキョウと同じです。

「トルコキキョウ プッチーノ・ミント」とラベルにありましたが、肝心なのは キキョウの名が入っているけど、トルコギキョウは キキョウ科の植物ではないのです。




シベを観察してみます。大きな おしべ。キキョウのおしべと違いますね




ユリのおしべみたい (^^)/




下のほうに めしべが見えてきました。 めしべも キキョウのようなこん棒型 ではないですね




ここまでの観察でお分かりのように、トルコギキョウは キキョウ科ではなく リンドウ科の花だったのです。
もっとも、まだ調べてませんが、リンドウそのものとも おしべ・めしべの動きはちがうようです。
本物のリンドウのばあいには、最初は雄しべが開いていて、雌しべの柱頭が2つに分かれています。その後、雄しべは閉じてきて、雌しべに花粉を付けるようですが。