アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シオン - 蝶がいれば

2020-09-18 20:52:52 | みんなの花図鑑
シオンは 紫苑。野菊の仲間です。
デンパークのグラスウォークで 先ほどのユーパトリウムと一緒に咲いています。
蝶がいれば、もっと良かったのですが、あいにく出会えませんでした (´・ω・)



キク科の花は 沢山の小花から構成されています。中央の黄色い部分が筒状花、花びらのような部分が舌状花といって、一枚一枚が独立した花です。




外側の紫色をしているのが舌状花。舌状花は 舟型の花弁一枚の付け根に雌しべがあるだけです。




中央の黄色い小花が筒状花(とうじょうか)といって、これは小花ひとつひとつが両性花です。ただし花弁がありません。




いまいちわかりにくいのですが、キク科の筒状花は一般的に まず雄しべが成長します。雄しべと言っても 複数のおしべが合着して円筒形になっています。その筒の中を 雌しべの柱頭が 花粉を押し上げながら上に突き上げ、花粉が無くなるころ、柱頭が展開して雌しべになります。




画像で 色の濃い円筒形が 雄しべ筒です。そのなかを雌しべの花柱が伸びて 花柱の先に柱頭を展開します。



ユーパトリウム - アゲラタムにそっくり

2020-09-18 18:17:35 | みんなの花図鑑
キク科のユーパトリウムですが、花はキク科のアゲラタム(オオカッコウアザミ)の花にそっくりです。


私も園芸に詳しくないので、あれっ、どっちだったっけとなります。そんなときは 葉を見るといいです。
ユーパトリウムの葉っぱの先は尖っていて三角状です。
アゲラタムのほうは キクの葉に似てるかな?
〔参考〕アゲラタム - 安城デンパーク




ずーっと 「花と虫」やってきましたので、一枚だけ 虫のいる画像をアップします。




ユーパトリウム(セイヨウフジバカマ)は、北アメリカに約4種が分布するキク科コノクリニウム属の多年草です。主に流通するのは、アメリカ南東部からメキシコにかけて分布するコノクリニウム・コエレスティヌム種(Conoclinium coelestinum)です。(ガーデニングの図鑑「ユーパトリウム(セイヨウフジバカマ)の育て方」)




ところで、花のほうはどうなってるのでしょう。
ユーパトリウムの最大の特徴は、他のキク亜科の花に見られるような舌状花(花弁のように見える小花)がありません。全部 筒状花で出来ています。




そしてこの長いひも状の器官は 雌しべの花柱で、各小花から 2つづつ出ています。




伸びた雌しべに白い粉のようなものが付いていますが、花粉でしょうか?




伸びているものが 雌しべだとすると、この画像では おしべがはっきり写っていないことになります。
他のキク科の筒状花からの推定ですが、最初に雄しべ筒が産まれ、そのあとその筒の中を貫通して この雌しべの花柱が伸びたんだろうと思います。



ワレモコウ - ハチと花粉と

2020-09-18 10:47:35 | みんなの花図鑑

安城デンパークのグラスウォークでまたぞろ ワレモコウ を観察していたら、つがいのハチが飛んできました。メスは花を求めて次から次へと忙しく飛び回ってるのに、オスはただ乗っかってるだけなんです。




お尻の黄色が特徴的なので ドロバチ亜科のスズバチでしょうか??
でも、ハチって蜜を求めてワレモコウにやってくるんだと思うんですけど、ワレモコウって蜜を出すんでしょうか?




こちらは じっと動かないハナムグリ。花粉を食べに来ています。
間違ったらごめんなさいですが、背中には毛が生えていて、ちょっとふわっとした印象になっているので、コアオハナムグリでしょうか??




ワレモコウは バラ科バラ亜科の植物。イチゴやバラと同じ亜科に属します。
小花は花穂の上から順に咲き下がっていきます。この花穂は ようやくてっぺんでまず雄しべの開花が始まったところです(雄性先熟)。




蕾の部分を見ると 頭が4つの割れているのが分かります。花を包んでいるのでこれは花弁ではなく萼片です。萼片は4本です。
咲いた花を観察します。おしべの先の赤い2つの袋が葯です。これが割れて中から黄色い花粉が出てきます。
黒い雄しべは 花粉を出し終わったもの。
ひとつの小花に おしべは何本あるのでしょう?
ワレモコウの花は 4数性といって、萼片4個で、おしべも 4本です。花弁はありません。
中央の小花では 早くもめしべが伸びて来ています。




この花穂では おしべは見られず 萼の中には 雌しべが1本だけ伸びています(雌性期)。
花が終わった後も赤い萼片はいつまでも残るので、花がいつまでも咲いているように見えます。

〔追記〕ワレモコウは蜜を出すのか?
日本産ワレモコウ属の花は,ワレモコウ型とカライトソウ型が認められ,(中略)ワレモコウ型は,花弁を無くしても花盤を発達させ,強い香りと多量の蜜を出していると考えられる。
(日本産ワレモコウ属の花の比較形態.pdf)