アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

この実、なんの実?

2020-09-19 18:22:47 | みんなの花図鑑

場所は安城市のデンパーク。
そこに写真のような、ちょっとおいしそうな実の生った木があります。
樹名板が無いので 名前が分かりません。
そこで、掲示板に質問してみたのですが、正解が分かるまでの過程がとても面白かったので、ざっとご紹介します。




大きさは ナツメの実にちょっと似ていて、それよりちょっと小さいくらい。果柄が長いです。





以上2枚と、木肌を見るために 上の画像と合わせて3枚を添付して、掲示板に質問してみたのですが、なかなかお返事がもらえません。





だいぶたってから、レスがありました。
Mさん 「ヒトツバタゴ(モクセイ科)だと思いますが、実の付き方、樹皮に違和感が残ります。」
びっくりしました。私は実物を見ているから これはヒトツバタゴではないと直感で分かるけど、そうか、写真だけだとそういう風に見えるのかなぁ・・・
「Mさん、ありがとうございます。
> 実の付き方、樹皮に違和感が残ります
私もそう思います。なんとなく、ですが、モクセイ科の果実はもっと黒っぽくなりませんか?」
そうお返事して 別の回答を待っていました。




別の方からレスがありました。そのレスが ヒトツバタゴに賛成だとおっしゃるのです。
Aさん 「ヒトツバタゴですか。言われてみるとなるほどです。小生もMさんのおっしゃるように樹皮が気になるところですが、生育する場所によっての変化幅はかなり大きいですからね。
心配されている実の色ですが、熟していけば黒っぽいものになっていくと思います。」
実は デンパークには 「なんじゃもんじゃの森」があり、ヒトツバタゴは嫌というほど見ることができるのです。
この木は 名前が分からないから「なんじゃもんじゃ」の樹ですが、ヒトツバタゴ ではありません。

私「ヒトツバタゴの青い実は 表面に白い点々が付いてませんか?
wikiのヒトツバタゴの画像へのリンク




またしばらく経って 別の方からレスがありました。
Kさん 「ヒトツバタゴは果柄が多段で果柄に関節がありますね。
ヒトツバタゴではないように思います。
種名は解りませんが外国産の木でしょうか。」

「ありがとうございます。実は 質問タイトルの 「ナツメでもオリーブでもない木」ですが...
質問する前に スマホの Google Lensアプリで画像検索してみたんです。ナツメ、オリーブというのは このとき Google Lensアプリが出した3つの候補のうちの2つだったのです。
それで、3つ目の候補は 「ムラサキフトモモ」という木でしたが、見たこともなかったので 端から候補から外してましたが、「外国産」ということになるとそちらの方面でしょうか?」


Uさん「ムラサキフトモモ(ジャンボラン)の葉は『琉球の樹木』にありますように側脈が多数並び、少なくともおたずねのものではないように思います。
もし、葉のつき方が互生でしたら、長めの果柄の先に数個の果実が集まってつく様子から紅葉が美しいことで植えられるというヌマミズキ(Nyssa sylvatica )やニッサボク(Nyssa sinensis)は候補としてどうかなと考えたのですがもう調べられましたか。」
Kさん 「側脈角度からヌマミズキのようですね。
ヌマミズキ、ニッサボクとも京都府立植物園で観たことがありますが果実は見たことがありません。
早速出かけたいと思います。有難うございました。」




というわけで、ヌマミズキでほぼ決定かな? と思っていたとき、デンパークさんから(実は ヒトツバタゴが回答に出た時点で、デンパークさんに問い合わせていたのです)返事があって、 候補の2つのうち もう一つのほうだということが分かりました。
デンパーク様「「Nyssa sinensis 」という植物です。
この付近にNyssa sylvatica も植えてありますが、ラベルが未設置となっています。
早速、ラベルを設置します。
ご指摘いただきまして、ありがとうございました。」




フロックス - ルリマツリとどこが違うの

2020-09-19 09:46:31 | みんなの花図鑑

この花、たくさん名前があって、フロックスとかクサキョウチクトウとかオイランソウとか呼ばれてます。それぞれの名前の由来についてはきょうは話題にしません(実は調べてません(ToT))




今日の話題は この花、ルリマツリに似ていませんか? という点です。

下に ルリマツリの画像を示します。

ルリマツリ、別名 Plumbago(プルンバーゴ)(白花の写真があるともっとよく似ているのですが・・・)




私が教わった区別の仕方は 正面から見るのでなく、横から、萼や葉を見るというものです。
とくにだれでも分かる区別の仕方として、花筒の付け根を調べます。(上のルリマツリの画像のばあい、右をご覧ください)




ルリマツリの花筒を支える萼の部分には 腺毛が出ています。
(ここ⇒なんである、アイデアル にうまいこと書いてあります^^)
このフロックスにはそれがありません。




もちろん科も違います。
 フロックス: ハナシノブ(Polemoniaceae)科フロックス(Phlax)属
 ルリマツリ: イソマツ科ブルンバゴ属
でも科が違うことは 2つが同じように見える時点では判断材料にはなりませんよね