アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

センニンソウから髭が伸び・・・

2024-11-10 07:00:00 | みんなの花図鑑

場所は 於大公園(愛知県東浦町)の薬草薬木園。



薬草園にあるということは・・・
何らかの薬効があるということ。




熊本大学薬学部薬用植物園・植物データベースによれば扁桃腺炎に効くらしい(↓)
「扁桃腺には,生の葉1~2枚をよくすり潰し,片方の手首の内側に貼り,ガーゼをあてて包帯で軽く押さえる.約5分ほどで痛みを生じ,そのころから扁桃腺炎の痛みが取れてくる.葉を取り除いて発疱した部分をぬるま湯で軽く洗う.毒草なので5分以上放置すると火ぶくれの痕が直りにくく,皮膚炎を起こしてしまう.」



毒草ですが「毒性の少ない若葉を酢に漬けて保存食の一つにされたこともある.」(同上)




センニンソウのヒゲは雌しべの先が変化して毛になったもので 穂綿(ほわた)と言うそうです。




センニンソウのヒゲの役割ですが、Google AIによると「実を散布させる役割」とあります。




でも、実が大きいので、どうみてもタンポポのように風に乗って飛んでいくようには見えません。









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アサギマダラがフジバカマに!

2024-11-09 07:00:00 | みんなの花図鑑
11月連休最後の4日、安城デンパークに行ったら、アサギマダラに出会いました(^^♪



花木園では子福桜と十月桜が咲いていて、子福桜の木の下に たくさんのヒヨドリバナに似た花が植えてありました。






花が白いのでヒヨドリバナかと思って調べたらフジバカマの葉でした(後述します)。






アサギマダラは撮りやすいチョウです。
一度花に止まるとしばらくは同じ花で吸蜜します。その間、思い出したように翅を広げたり閉じたりしてくれるので撮りやすいです。








アサギマダラは「ゆっくりと飛ぶが、飛行能力にすぐれていて、あまり羽ばたかずに気流に乗って長距離を飛び続けることができる」(胡蝶の森「アサギマダラ」)。







翅の白い部分が「浅葱(あさぎ)色」であることから「アサギマダラ」と呼ばれています。浅葱色とは
日本古来の色名で、神主の袴の色でもある淡い水色のことです。(宗像あさぎまだらの会「旅をする蝶 アサギマダラ」)










フジバカマの葉について



ここで 今回のフジバカマと同じ属のヒヨドリバナの葉の比較をしておきます。



フジバカマとヒヨドリバナ

が今回の白い花のフジバカマ、がヒヨドリバナ。
葉は両者とも対生ですが、フジバカマの葉は深く3裂しています。







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食べられるアキグミとアズキナシ

2024-11-08 09:13:47 | みんなの花図鑑
トピックの写真があまりにさみしいので、過年度に撮った熟したアキグミの写真をトップに挿入しましたm(_ _)m

中東シリアに アキグミあったかどうか知らないけれど、もしあったら、あっちの人は 種吐き出さずに ぜったい 呑み込んじゃうからね!(そのことは、ザクロ、サボテンで実証済み (^^)/)
記事 「アキグミ - ソバ畑の横に」 より


アキグミ
11月4日 安城デンパークにて



夏に実るナツグミやトウグミと比べるとかなり小ぶりですが、熟すとおいしいです。






ナツグミはいろいろ薬効があり、よく果実酒に用いられます。
「咳や下痢には根または果実を用いる. 狭心症には枝を用いる. 喘息,気管支炎などの咳には葉とツユクサを混ぜてを用いる.」(熊本大学薬学部薬用植物園・植物データベース「アキグミ」)










アズキナシ



本州・四国・九州のほか北海道にも分布しています。2月に北海道旅行をしたとき、行く先々でこの果実を見ました。






赤い実を鳥が食べ、種子が散布されます。






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君はススキの花粉を見たか?

2024-11-07 07:00:00 | みんなの花図鑑

このススキは愛知県の西三河地方の洪積台地を流れる小河川「追田川」で撮ったものです。
一帯はかつて「安城が原」と呼ばれ、キツネの走るススキ野原でした。




現代の私たちは「野原」と一般に言いますが、古い日本語では、「野」と「原」は別の意味をもっていました。「野」が単なる未墾地を指すのに対して、「原」は水が乏しく、農業もできない台地のことを指していたのです。かつての「安城が原」にはキツネしか住まないといわれるような荒寥たる草野が広がっていたのです。



2024-11-04 安城デンパーク グラスウォークにて




さてここからは同じく安城が原の今度は西側を流れる猿渡川の堤防にあったススキです。
2024-10-24



花の時期は 前期と後期に分けると後期です。
どうしてそんなことが分かるのかというと・・・




上の画像をよく見ると、穂の下側にぶら下がっているのが雄しべの葯(花粉を入れた袋)で、
葯の中はからっぽです。



イネ科は風媒花ですから、おしべの葯が風に吹かれて中の花粉を飛ばすことで授粉が行われます。
下にぶらさがっている雄しべの葯から花粉が飛散し、上の実験室のブラシのようなめしべに付くことにより授粉します。



ピントが甘いですが、左側のめしべの柱頭部(赤いブラシの部分)に細かい粒子がついているのが分かりますか?
これが花粉です



ススキの花粉は小さい(小さくないと風に乗って飛べない)ので200mくらい飛ぶそうです。あまり聞かないけれど、花粉症を引き起こすこともあるそうです。
ちなみに、秋の花粉症のほとんどは ブタクサの花粉症です。
セイタカアワダチソウと思っている方がまだいらっしゃいますが、こちらは虫媒花なので飛散しません!




〔欄外〕わが家に来たジョウビタキ♀






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クミス・クチンといえば?

2024-11-06 07:00:00 | みんなの花図鑑

「ネコノヒゲ」の名は 原産地のひとつインドネシア語のクミス・クチンから来ています。
Kumis が「髭」
Kucing が「猫」
というわけで、和名の「ネコノヒゲ」は由緒正しく原産地での呼び名に由来したものでした!(^^)!




なお、Wikipedia(日本語)には「和名はマレー語(Kumis Kuching、猫のヒゲ)に由来し・・・」
と書いてありますが、Google翻訳で 「ネコノヒゲ」をマレー語に翻訳すると misai kucing と出て来ます。
インドネシア語では Kumis Kucing です。
インドネシア語はインドネシアが多民族国家として独立するときにマレー語を母国語として取り入れた訳ですが、たぶんですがその後使われているうちに独自の変化を遂げた部分があるのではないでしょうか?
いずれにしても「猫」はインドネシア語でもマレー語でも kucing であり、Kuching ではないです "(-""-)"




あと、英語でも Cat's whiskers でやはり(猫のヒゲ)ですね。



長いヒゲの正体は おしべとめしべ。
おしべが4本で めしべが1本。




本物のネコの(口元の)ヒゲはおおよそ24本と言われてますから、ネコノヒゲはこれよりずっと少ないですね(^^)/








〔欄外〕わが家に来たジョウビタキ♀






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シャクナゲはいつ咲く?

2024-11-05 07:00:00 | みんなの花図鑑
先日リトルワールドで撮ったシャクナゲです。



シャクナゲはネパール仏教寺院まえの周回道路ととなりのインド ケララ州の村にあります。
撮影日は10月24日です。



一般にシャクナゲの開花時期は 4月下旬から5月中旬と言われています。



品種や個体によっては秋にも咲くことがあります。



秋に咲く西洋シャクナゲは、狂い咲きではなく品種や個体の特性である可能性があります。



西洋シャクナゲでは春と秋の2季咲きのシャクナゲも結構あるそうです。









5月のシャクナゲ

上と同一株の5月の花です。















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紅くなりかけた葉 ‐ 県緑化センター

2024-11-04 07:00:00 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターにて
カメラは 一部を除きコンデジで撮影です。


モミジバフウ

モミジバフウ(紅葉葉楓、学名:Liquidambar styraciflua)は、フウ科フウ属の落葉高木。(wiki)



別名、アメリカフウ。


隣に フウ(タイワンフウ)の木がありますが、こちらはまだ紅葉してませんでした。





トウカエデ

トウカエデ(唐楓)は、ムクロジ科の落葉高木です。(wiki)
一部分、紅葉していました。





ピンオーク

この樹は 造園実習園のいちばん奥にあるのですが、オークの仲間であることは分かるのですが、
ピンオークか スカーレットオークか、イマイチ明確に区別できていません。



「ピンオークは葉の裂片の間の裂欠がU型に開いた葉を持つオークとして知られ、スカーレットオークの閉じ気味のC型の裂欠と比較対照される。」(出典ブログ閉鎖)








ベニバスモモ

ベニバスモモ(紅葉李)は、バラ科サクラ属の落葉小高木です。



葉は若葉のころから紅紫色で、秋になると紅がさらに濃くなります。








ハゼノキ

ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木、学名:Toxicodendron succedaneum)はウルシ科ウルシ属の落葉小高木。単にハゼとも。(wiki)


「果実を蒸して圧搾して採取される高融点の脂肪、つまり木蝋は、和蝋燭、坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨンなどの原料として利用される。 日本では、江戸時代に西日本の諸藩で木蝋をとる目的で盛んに栽培された。」(同上)




ドウダンツツジ

「ドウダンツツジ(灯台躑躅、日本吊鐘、学名Enkianthus perulatus)は、ツツジ科ドウダンツツジ属の植物。「ドウダン」は、枝分かれしている様子が昔夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似通っており、その「トウダイ」から転じたもの、また、「日本吊鐘」の方は中国名に由来する。」(wiki)








カツラ

最後に 黄葉したカツラ です。


カツラ(桂、学名:Cercidiphyllum japonicum)は、カツラ科カツラ属の落葉高木。別名、トワダカツラ。(wiki)








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マリーゴールド - シベの観察3

2024-11-03 07:00:00 | みんなの花図鑑

Wikipedia(日本語版)には「マリーゴールド(英語: marigold、学名:Tagetes)」とあります。
英語の marigold を スペイン語になおすと caléndula(カレンデュラ ← キンセンカのこと)と言ってきますが、これには理由があります。





元々"マリーゴールド"と呼ばれたのは、カレンデュラが先と言われているようです。
キリスト教において、年に何度もある聖母マリアの祭日。
開花時期の長いカレンデュラは、そのすべての時期に黄金色(Gold)に輝く花を咲かせ、これを見た初期のキリスト教徒たちが、聖母マリア(Mary)の名をとってMarigoldと呼ぶようになったそうです。
しかし、その後は、カレンデュラに似た花をも、"マリーゴールド"と呼ぶように。
そして16世紀、観賞用としてフレンチマリーゴールドが広まったことで、フレンチマリーゴールドの方を単に"マリーゴールド"と呼ぶようになり、現在までの混乱を招いています。
(以上、Natural Island「「カレンデュラ」ってどんな植物?」)




さて、いつものように、シベの観察をしようと思うのですが・・・




この花は八重咲きの花のみたいで、ヒマワリやルドベキアのように筒状花のシベがはっきりしていません。







シベが観察しにくい理由は 筒状花の小花のそれぞれの花冠が比較的大きく毛が生えていること、そして何よりもシベと花冠が同じ黄色をしていることにありそうです。



それでも何枚か写真を撮ってみると、この画像のように、雄しべ筒の中からめしべが押し上げた花粉粒が写っているものもあります。





そして、めしべが花粉を押し上げたあと、他のキク科の筒状花と同じように、ヒツジの角のような柱頭を展開していることも確認できます。






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シオン - シベの観察2

2024-11-02 07:00:00 | みんなの花図鑑

シオン(紫苑)は日本にも自生していましたが、今見る栽培種は朝鮮半島や中国から渡来したもの(またそれの逸出したもの)です。
英名を「Tatarian aster(タタリアン・アスター)」といい、「タタールの星」を意味します。シオンの原産地であるモンゴルで暮らしていた遊牧民族タタールと、星のように見える花の形を指しています。





シオンもキク科キク亜科の花です。外周の花弁は一枚一枚が独立した花で舌状花と言います。
中心の黄色の盛り上がった部分が筒状花という雄しべ筒の中から雌しべが伸びている小花の集団です。




筒状花に注目します。
筒状花は小さい花冠を持っていてその中から雄しべ筒(その中に雌しべの柱頭)が伸びています。



筒状花の集団は外周から開花していきます。中心部はまだ蕾の状態です。
色の濃い部分が雄しべ筒で、筒の中からめしべが伸びて柱頭を展開するころには雄しべ筒は崩れ落ちるようです。





雌しべの花柱が雄しべ筒の上に花粉を押し出して放出した後、柱頭を成熟させます。
シオンの柱頭部分は 菱形のアンテナのような形をしているものが多いようです。

以下、もう少し近づいて撮ったものです。



「柱頭は2分岐して線形」(三河の植物観察「シオン」)







柱頭は受粉すると白くなってくるようです。
「筒状花の下部に萼が変化した冠毛がありその下に子房がついている(子房下位)。」(里山コスモスブログ「シオン」)




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キバナコスモス - シベの観察

2024-11-01 07:00:00 | みんなの花図鑑

キバナコスモスはキク科キク亜科の花です。
花弁のように見える部分が舌状花と言って一枚一枚が独立した花です。舌状花は一枚の花弁が極端に肥大化しています。
中心部のシベシベしい部分が筒状花という小花の集合です。
これから 筒状花のシベを観察します。






筒状花の色の濃い部分が雄しべ筒です。複数の雄しべが合着して筒になったものです。
そして雄しべ筒の中に産み出された花粉をめしべの花柱が自分の体にこすりつけて、雄しべ筒の頭部を割って、花粉を押し上げています。





上と同じ雄性期のシベです。
めしべが花粉を身にまとうわけですから自家受粉してしまわないかと心配する必要はありません。
めしべはこのときまだ未成熟で受粉器官である柱頭をもっていません。





同じく雄性期(花粉放出期)のシベですが、雄しべ筒の中から伸びてきた雌しべの花柱の花粉を纏った頭の部分だけでなくそれより細い本体部分までが顔をだしています。
このあと 雌性期に入ります。





雌性期では 花柱の頭部が2つに割れ、内側に柱頭(受粉器官)を展開します。




雌性期のキバナコスモスの花です。





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