(台東中央社)台湾鉄路管理局(台鉄)の幹線の電化工事が大詰めを迎えている。台東(東部・台東県)と枋寮(南部・屏東県)を結ぶ南廻線の多良駅周辺の区間は、海に沿って高架橋が続いており、絶景が楽しめると注目を集めている。開通後は車内にいるにもかかわらず、まるで海に浮かんでいるような気分が味わえるという。
台鉄は電化プロジェクトを進めており、これまでは南廻線と屏東線の一部区間で工事が進められてきた。台東県・太麻里郷にある多良駅は、山と山の間にあり、2つのトンネルに挟まれている。利用者の減少で2006年に廃駅となったが、壮大な太平洋に面しており、山と海の景色を一度に見渡せることから、「台湾で最も景色の美しい駅」として知られている。
工事関係者の話によると、トンネル区間が地殻変動の影響で変形してしまっており、電柱を設置するためのスペースが足りず、海沿いに新たに高架橋を建設する必要があった。全長は約2.7キロで、乗客が車窓から海の景色を楽しめるように電柱を山沿いに設置する配慮がなされ、「最も美しい路線になるだろう」と鉄道ファンからすでに期待されている。電車の運行開始は年末を予定しており、これに先立って、ディーゼル車は5月か6月にも走行可能だという。
屏東線は高雄市と屏東県・枋寮(いずれも南部)を結んでおり、2019年12月に潮州―枋寮区間で電化工事が終了している。