2024/12/12 和歌山NHKNEWSWE
発掘調査で見つかった石垣(有田川町で)
有田川町にある室町時代の守護、畠山氏の屋敷跡とみられる遺跡で、新たに石垣や土塀などの遺構が見つかりました。
町は、畠山氏の統治の実態解明につながる貴重な資料だとしています。
有田川町は今年度、金屋土居跡と呼ばれる室町時代にこの地域をおさめた紀伊国守護、畠山氏の屋敷跡とみられる遺跡の発掘調査を行いました。
その結果、鎌倉時代の土器や建物の柱の跡をはじめ、室町時代から戦国時代の石垣や土塀などの遺構が新たに見つかりました。
石垣は、自然の石を積み上げ、長さ10メートル、高さ1メートルにわたって築かれているのが確認され、堀の一部を埋める形で改修が行われ、土塀や門が造られたと考えられています。
鎌倉時代には湯浅党と呼ばれる武士団の拠点がすぐ近くにあったことから、湯浅党の衰退後に守護についた畠山氏が、石垣などを築き、城館に改修したと考えられるということです。
有田川町社会教育課の川口修実 学芸員は「畠山氏の屋敷の実態を知るうえで貴重な成果が得られた。この時代の城館の土造りから石造りへの変遷を示す貴重な資料と考えられる」と話しています。
町では今月(12月)15日に現地で説明会を行うことにしています。