感謝状を受け取る大南さん(左)(大津市で)
自殺しようとしていた高齢者を説得したとして、大津署は19日、大津市幼保支援課長の大南公彦さん(55)に感謝状を贈った。
同署によると、大南さんは1月13日午後1時頃、同市瀬田付近をランニング中に瀬田川の方を見ている高齢女性に気づいた。つえを持っており、「転んで落水するかもしれない」と思って300メートルほど走ったところで引き返すと、女性が左足を川に入れていた。大南さんが「大丈夫?」と声をかけると「死にに来た。死なせてほしい」と答えたので、「あかん。家族が悲しむからやめなさい」と諭し、女性を後ろから抱きかかえて引き上げて110番。駆け付けた署員が保護した。
女性は80歳代で、同日中に家族に引き渡されたといい、野村正明署長から感謝状を受け取った大南さんは「女性にけががなく、安心した」と話した。
同署によると、瀬田川では今年度、入水自殺と思われる遺体が複数見つかっている。小谷正樹・生活安全課長は「通り過ぎてから、もう一度戻って声かけすることはなかなかできない。命を救ってもらい、ありがたい」と感謝していた。