気象警報などの地域分割のイメージ
奈良地方気象台は3月13日午後1時から、奈良市全域を一括で発表してきた大雨や暴風などの気象警報や土砂災害警戒情報などについて、「東部」と「西部」に分割して発令する運用を始める。東西に広く地形も異なる同市で実態に近い気象情報を提供する狙い。
旧月ヶ瀬村や旧都祁村など東部は山間部で土砂災害の危険性が高いエリア。一方、西部は市街地や平地が中心で、浸水害のリスクが懸念されるなど、特性が大幅に異なる。現行の市全域での発表では、地域により実際の気象状況とかけ離れた警報や注意報が発令される事例があった。
学校の休校やイベントの中止などに影響するほか、避難情報を発信しても避難につながらない危惧も指摘されていた。市も効率的な人員配置や柔軟な対応がしにくいことなどから、気象台などに発表区域の変更を要望していた。
対象は、特別警報、警報、注意報、土砂災害警戒情報。森永裕幸台長は「住民や市の防災対応に資する。丁寧に説明し進めたい」とする。仲川げん市長は「適切な注意喚起と避難行動につながり、実情に即した形で市民の命を守ることになれば」と期待している。