「ホームページを作ってみたいんだけれど、どうすればいいのかな」
「ブログのほうがいいですよ、簡単で」
ずいぶんいい加減な会話です。
お互いに、ホームページとは何か、ブログとは何か、何の目的でホームページを作りたいと思うのかなど肝心なことを後回しにして、それらしい名前でそれぞれ勝手にイメージを描いてのやりとりでした。
求めているものを想像しながら、もう少し近づいてみることにします。
話のはじめは、多分こんなことだったのではないかと思います。
ウェブを見ていて気に入ったサイトがあり、これがホームページと呼ばれているものらしい、では私もという気になったのでしょうか。
最初の会話をいい加減といったのは、ホームページとは、またブログとは何かをはっきりせずに、両方とも俗称を使ってしまっているところなのです。
ホームページという呼び名は、温かい酒をみな熱燗と呼んでしまうのとどこか似ています。
「お酒一本」「はい、熱燗ですか」「うん、ぬるめがいいね」「はい、ぬるめの熱燗一本」
『ホームページとは、ユーザーが一番はじめに接触するWebページ、あるいは一番親の階層に位置するWebページを指す』(IT用語辞典バイナリBINARY・・Weblio, Inc.)
これがいちばん簡単で確からしいのですが、それでも真ん中の「あるいは」を仕切りに二とおりの定義があるのです。
ホームという言葉が人の心を和ませやすいからか、ウェブページ全体をホームページと呼んでみたり、ウェブページの形式をホームページと呼んでみたり、ウェブページにできるようにまとまった画像入りの文書をホームページと呼んでみたり、さまざまな使い方をされています。
ホームページという言葉が会話に出てくれば、どれを指すのか、話を進めながら相手の意図を探り出して聞き取る器用なやり取りが行われています。
「どうだ、一杯やるか」と言われたとき、すぐさま酒の種類を問いただすことはしないのと似ています。
「ホームページを作ってみたい」のはじめの言葉は、多分ウェブページにできるようにまとまった画像入りの文書を作ってみたいという意味だろうと思います。
長談義になったので、ブログとは、はまた明日ということになりました。
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