「更新がインストールされています」というメッセージが現れるたびに、わかっていても「あ、もう終わったのか」と勘違いします。
「更新をインストールしています」と書いてくれたほうが、進行中である状況がすぐわかるのに、なぜそうしないのかを考えてみました。
これはどうやら、文章には主語がないといけない、という主語信仰がそうさせるもののようです。
「更新を」と言ったのでは主語がなくなる、「何が」更新をインストールしているのか、それを書かないと文章にならないということなのでしょう。
偏見的言語教育被害者の模範作文です。
「更新が」と書けば、そこでたちまち主語に生まれ変わります。
しかし、「更新がインストールしています」では「何を」がないので述部の形としては不十分になります。
それなら「インストールされています」にしてしまえ、で迷文誕生となったものと想像しました。
文法への信仰は整形信仰に似ています。
形を整えたい、よく見せたい、それが文章で言えば意味混乱の結果を招く、ごく大げさに言えば整形が破壊行為になることもあるのだと、自戒半分にそう思っているところです。
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石井 美恵子 | |
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