花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

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2019年12月21日 | 
青森県の農産物といえば津軽地方のリンゴとお米、
そして名農のある県南地方ではニンニク、ナガイモなどが有名です。
中でもニンニクは福地ホワイト6片種というあまりにも優れた品種があるため
全国どこに行っても青森のニンニクは高い評価を得ています。
この福地という地名は現在の南部町。つまりこの地域の在来種だったのです。
しかし気候が適していたのでしょうか、
ニンニクの生産地で有名なのはお隣の田子町(たっこまち)。
東京の大田市場にたくさんのニンニクが並びますが
田子という文字が記載されているとそれだけで高値になるといわれるほど
優れたニンニク産地として知られています。
アメリカのニンニク産地である町と姉妹都市を結んだり、
町にガーリックレストランを作ったり、
ニンニク風味のコーラなど新しい加工品を開発するなど
びっくりするぐらいニンニクを使ったユニークな町おこししています。
そんな田子町が今、新たな挑戦をしています。
それが新品種の開発です。一般に品種改良は試験場が行いますが
田子町はニンニクの先進地。したがって地元農家と試験場が連携しながら
町が品種を開発して登録したのです。名前は「美六姫」(みろくひめ)。
田子町にある観光地「弥勒の滝」(みろくのたき)から名前を取りました。
弥勒の滝は、室町時代初期頃に弥勒菩薩を信仰し、この滝の元で修行を積んでいた
「キュウ岳坊」というお坊さんにちなんでつけれられた観光地です。
美六姫は、弥勒の滝をもじって美しい6片という意味で町の子供が名付けています。
福地ホワイトの後継者として次世代を担う新品種登場ということで
青森県では今年、大きなサクランボであるジュノハートとともに話題となりました。
美六姫の登録は2017年ですが、まだ生産量が少なく年5トンぐらいしか採れません。
その貴重な新品種が先日、全国先行販売と称して
田子町のガーリックセンターだけでごく少量ですが初めて販売されました。
球の締まりの良さ、濃厚な味と甘さが魅力ということですが、
町の生産量の半分ぐらいに増えるまでまであと10年もかかるようで
全国に流通するのはまだまだ先かもしれません。
年明けの1月に青森県は東京で大々的な披露イベントを計画しているようですが
問題なのは和牛同様、種の流出防止。貴重な地域資源を守りながら
早く全国の皆さんに楽しんでもらいたいものです。
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だいじょうぶだぁ

2019年12月21日 | 生物生産科
これから真冬を迎えるというのに
名久井農業高校の第1農場では芽を出している作物があります。
このひょろひょろ細い葉を伸ばしている作物、何だかわかりますか?
実はこれが青森県特産のニンニクです。
秋に種である鱗茎を植えつけますが、まだ暖かいので芽が出ます。
それが今の状態です。しかしこのニンニクは
まもなく降ってくる雪に覆われることになります。
そして雪がとける春、今度は一気に元気な葉を伸ばして光合成を行い
6月下旬の収穫に向かい鱗茎を肥大させていくのです。
今の姿を見るとこんなかよわい状態なので不安になりますが
これがニンニクの一生、大丈夫なんです。
さてニンニクは青森県特産といいますが
栽培しているのは、八甲田の東側の県南地方。
夏にヤマセという低温多湿の偏東風が吹く地域です。
冷涼な気候のためお米や果樹類の栽培に向かないこの地域では
温度が変化しにくい土の中で栽培するナガイモやゴボウ、
そしてニンニクの大産地になったのです。
そんなわけで今、この地域の畑を見回してみると
このような状態のニンニクの姿をあちこちで見ることができます。
青森県南ならではの初冬の景色です。
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