花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

柿の話?

2019年12月28日 | 学校
どこの町にも町の話題やお知らせを掲載する広報誌があるものです。
ここ南部町にもあり、毎月発行されています。
もちろんこの広報誌を読めるのは、南部町に住む町民の皆さん。
本屋さんで売っているものではありません。
したがって名農生や職員といえども読める人は多くありません。
先日、学校でピンク色のラインマーカーがひかれている広報誌を見つけました。
見出しを見ると地域特産の妙丹柿の記事です。
取材を受けているのは地元の農産物加工メーカー。
干し柿などをスライしてチョコディップするなど
人気のお菓子に加工して販売されている会社です。
読んで見ると名久井農業高校の研究をベースにして
商品開発されたことなどが書かれています。
もちろん技術のベースになったのはチームフローラが
2011年に開発した紫外線による妙丹柿の渋抜き法と
その数年後にフローラと生物工学班が開発した真空による渋抜き法です。
メーカーのご相談を受け、技術開発してからもう何年も経っています。
また高校生のアイデアを実用化するためにメーカーさんは相当の努力をされたはず。
それなのに、このようにまだ名農の名前を出してくれるとは嬉しい限りです。
渋抜きに最初に取り組んだのは自分たちの研究をすべて休止し
東日本大震災による塩害を受けたサクラソウの救出に立ち上がった女子メンバー。
被災した山田町でマイクロバブルを駆使して除塩活動した彼女たちの
残した数少ない研究成果のひとつです。
翌年、後輩たちが除塩活動を引き継ぎ大活躍していますが
そのベースはすべて彼女たちが築いてくれたものです。
もし彼女たちがこの広報誌を家で読んでいるとしたら
きっと当時を懐かしく思い出しているに違いありません。
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元祖甘!

2019年12月28日 | 
ここに珍しい柿があります。
名前は「御所柿」。奈良や鳥取で栽培されている甘柿です。
富有柿のような大きく平らな柿ですが、少しお尻が飛び出ています。
青森県ではこのような姿の柿はどこのお店を探しても見ることはできません。
この柿の売りは濃厚な甘さ。甘柿なのでいつ食べてもいいのですが
少し柔らかくなってきたところを
手で割って食べるのが産地の食べ方だと紹介されています。
食べてみましたが、妙丹柿をはるかに超えたねっとりとした甘さです。
さてこの柿がすごいのは歴史です。
なんと室町時代に渋柿が突然変異を起こしたもので
日本に初めて誕生した甘柿だというのです。
つまり今、流通している甘柿のルーツ。
そう考えるとなんだかありがたくなってきます。
ビジネス類型のある環境システム科では
ビジネスの基礎や起業などについても学びます。
また生物生産科では地域の特産品を考える商品開発という授業もあります。
そこで学ぶのが商品のストーリー性。
商品の背景にある歴史や苦労を紹介することで売り上げが向上するのです。
この御所柿も知らずに食べるとただの柿ですが
歴史を知ることで貴重性を感じられて面白いものです。
渋柿の妙丹柿しかない青森県と違い
暖かな西日本にはまだまだ見たこともない柿がきっとあるはず。
歴史を学びながら食べてみたいものです。
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