花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

情報解読に成功

2021年03月08日 | 研究
学校のホワイトボード。
きれいに消されていましたが、なんとなく文字が残っていました。
そこで写真を撮って、色調やコントラストを変えていくとどうでしょう。
ご覧のように書かれていたものが浮かび上がってきました。
まるでスパイでもしているかのようで、ちょっとドキドキします。
見てはいけないと思えば思うほど、興味がわくのはみな同じ。
じっくり内容を読み解こうと目を凝らして見ました。
すると何だかんだ見に覚えのある文字と図。
これは昨年の秋、ハンターズの指導を受けて研究に取り組んだJr.が
ある東京の大学主催の大会で発表するため勉強したものでした。
男子は先輩の作った三和土に亜麻仁油、柿渋などを3%添加するだけで
浸漬させても成分の溶出をほとんど抑制することに成功。
先輩とともに県学生科学賞で最優秀、さらに久しぶりに
全国でも入賞しました。また女子は石膏を使った塩害抑制の研究。
こちらもいろいろ受賞しましたが、硫化水素の発生問題が解消できず、
結果は残念ながら男子には及びませんでした。
しかし手強い彼女たち。新たな手をいろいろ考えているようです。
このホワイトボードはそんなJr.たちが放課後集まって勉強しあったもの。
消しても情報が簡単に解読されてしまうデジタル写真。
みなさんホワイトボードを使った際は、十分お気をつけください。
さて学校は入試関係の業務で今日もお休み。再開は明日からです。
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あきらめたらそこで試合終了

2021年03月08日 | 研究
ここに小松菜の葉が2枚あります。
栽培時期は1月〜2月。もちろん屋外では栽培したものではありません。
左は温室内で加温して育てもので特に形状の変化はありません。
しかし右はちょっと違います。葉の色がずいぶんと濃いのです。
理由があります。これは寒気にさらして育てた小松菜なのです。
これが有名な寒じめ栽培。東北農業研究センター、かつての東北農試が開発した栽培法で
糖度、ポリフェノールなど機能性が向上するため人気です。
一般には秋からハウス内で栽培し、出荷2週間ほど前から外気を入れて寒じめにします。
ところが最近は、年中効率よく栽培できる水耕栽培が増えてきました。
では水耕栽培では寒じめはできないのでしょうか。
それを試したのがハンターズ。今から1年前の1月〜2月にかけて試験が行われました。
この時期、南部町は最高でも氷点下。いくらビニールハウスでも外気を入れたら
水たまりが凍るように養液槽やパイプが凍結してしまいます。
もちろん生長も止まります。そこでハンターズは養液を温める作戦をとりました。
すると極寒のハウスの中でも小松菜が育つではありませんか。
収穫された葉がこの右側。葉が濃く厚くなるという寒じめの形状を備えています。
そこで糖度を測ってみたのですが、残念ながら温室で加温して育てたものと大差なし。
寒じめにするポイントは根圏を低温にすること。どうやら肝心の根圏を温めたのが
敗因のようです。当時ハンターズは三和土研究に本格的に取り組まなければならないため
残念ながら時間がなく、この実験はここで中止。お蔵入りしてしまいました。
でもこの葉の色や艶。ポリフェノール量を測定したら絶対違いがあると思いませんか。
また室内全体を暖房するのと養液だけを加温するのではどちらが省エネでしょう。
まだ終わっちゃいない。もう少し深掘りしてみるとお宝になるかもしれません。
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