花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

南大門

2021年03月05日 | 学校
ここは名久井農業高校の職員玄関の正面。
3つの校舎を貫くよう真正面に長い渡り廊下があります。
さて注目したいのは、この廊下の入り口の左右にある掲示物。
賞状の下にあるパネルです。ちょっとわかりにくいのですが
向かって左のパネルには、2020年ストックホルム青少年水大賞で
ハンターズが受賞したグランプリの賞状コピーと
トロフィーを誇らしげに携えた4名のメンバーの写真です。
では右側はなんでしょう。こちらは2018年に同大会で
準グランプリを受賞したメンバーとその賞状のコピーです。
ふたつの掲示物はまるで黄門様の印籠。
この賞状が目に入らぬかといわんがばかりです。
また左右に巨大な仁王像が設置されていることで有名な
奈良の東大寺南大門にも見えてくるから面白いものです。
いつのまにか緑化活動日本一とともに、この大会での活躍が
名農の大きな誇りになっているようです。
さて今日は高校入試。周辺から受検生がやってきます。
雪対策、コロナ対策などいろいろなことを想定して
準備をするのは中学生も向かい入れる高校側も同じ。
無事、日頃の力を発揮してもらいたいものです。
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先を読んで攻める

2021年03月05日 | 学校
夏休みの名農の実験室に集まっているのは、当時のフローラの3年生と中学生たち。
着ているユニフォームから2011年だということがわかります。
なぜなら2011年は東日本大震災があった年。彼女たちは草花班として
津波被害を受けた種差海岸のサクラソウを救出しようと立ち上がった初代メンバーで
海岸で人命救助に当たるライフセービングを真似て、
背中に十字のレスキューマークが入ったTシャツを着ています。
彼女たちが中学生に指導しているのは「藍の生葉染め」。
「あおもり藍」というブランドが生まれる前のことですが、
草花班のフローラは種子から育て、中学生たちに植物の面白さを伝えていました。
このイベントはアグリサイエンスと呼ばれる体験入学と似ていて異なる企画です。
体験入学は、受験生対象なので、どうしても学校紹介と短時間の体験学習が中心ですが
こちらは大違い。学校説明なんかほぼしません。純粋に自然や環境、食や植物など
農学の楽しさを知ってもらうのが目的で、朝9時過ぎから午後14時までじっくり実験を行ったり
農場散策を楽しんでもらいました。もちろん学年は問わず、指導は本校の各研究班員。
中学生に指導することで自分自身も育てていました。
現在、このアグリサイエンスはなくなりましたが、もうひとつ行っていたイベントの
アグリチャレンジは今も続けられています。確かこの当時、イベントに必要な費用の多くは
フローラがもらった賞金から出していました。せっかくもらった賞金なのに
なぜ中学生のために使うのでしょう。不思議に思う方もいらっしゃいました。
実はアグリチャレンジもサイエンスも、本当は別のところに目的があったのです。
それは仲間を増やすこと。農業が大切なのは皆さん頭ではわかっていますが
農業学習の実際は、ほとんど知られていません。一日いっぱい畑で草をとったり
牛の糞でもとってるんだろうと話している中学校の先生もいるぐらいです。
しかし実際の農業は自然と生命を相手にする学問。サイエンスに裏づけされているのです。
これが農業なの?まるで理科実験だ。栽培や加工を体験した中学生は目からウロコ。
みんなビックリして帰ります。そんな面白い学習をしている農業高校ですが
知ってもらわないと学んでみようと仲間になってくれる人がきてくれません。
つまりこのままでは研究班の活動自体も将来できなくなってしまうのです。
絶好調の時こそ、先を読んで次の手を打つ。これはトレンドに左右される草花界の鉄則。
だから将来に危機感を感じていた草花班フローラは、自分たちの研究費を提供してまでも
仲間の研究班を誘い、未来の名農のために動いたのです。
中学生へ農学の楽しさを知ってもらうのがアグリサイエンス。
その対象範囲を小学生まで範囲を広げたのがアグリチャレンジ。
企画を立ち上げてから13年経ちました。時代は変化するもの。
みなさんならどんな次なる一手を考えますか。今日は高校入試です。
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