花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

トレビアの泉

2021年03月29日 | 学校
春になっていろいろな植物が芽を出し始めています。
こちらをご覧ください。まんまるい形の芽が膨らんできました。
まるでふきのとうのような姿ですが、色が赤く奇妙です。
これはルバーブ。「蓼食う虫も好き好き」というタデ科の植物です。
和名では大黄。漢方薬の原料にもなります。
タデ、薬というワードから想像すると苦そうなイメージですが
食べるととても酸っぱいんです。砂糖との相性が良いことから
ジャムにすると抜群の味。食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
ただ寒さや強光に当たると胆石の原因となるシュウ酸が増えるという欠点があります。
そのため海外では袋をかぶせて遮光して栽培する場合があるそうです。
この辺りでもルバーブ栽培は珍しくありませんが、遮光するとは初耳。
そこでピンときたのが2016年のフローラメンバー。
なんとふきのとうの葉であるふきの葉を地際から葉のすぐ下まで
オガクズや籾殻で覆ったのです。なぜならふきもシュウ酸が多い植物。
煮物にしないと食べられません。遮光したらシュウ酸が減るかという興味本位の研究でしたが
分析してびっくり。ほぼありません。生食するトマトやレタス以下ではありませんか。
遮光したので茎はウドのように真っ白。そこでスライスして洗って食べてみました。
するとえぐみなどありません。ドレッシングをかけると完全にサラダとして生食可能。
おそらくふきを生で食べた人はいないはず。シャキシャキした新食感は感動ものです。
この研究は2年繰り返し行われ、間違いないことを確信した後、
京都大学で開催されるテクノ愛で発表。すると新食材の誕生と評価されグランプリを受賞。
秋の京都で大喜びしたのを覚えています。
なお留意点は葉のすぐ下まで籾殻で覆う必要があること。ふきは日光に敏感で
少しでも茎が出ると緑色になってしまうのです。思ったよりも茎の伸長は早く
担当した彼は毎朝籾殻を足すのが大変だったと話していました。
今もなお馴化温室脇の大鉢からは当時のふきが毎年元気に葉を伸ばしています。
もう春。きっと顔を出しているはずです。
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ハーバリウムランプ

2021年03月29日 | 園芸科学科
園芸科学科といえば、なんといっても花。
昨年から募集停止となりましたが、在校生は花についていろいろ学んでいます。
これは今年度最後の実習で製作したハーバリウムです。
ハーバリウムとはそもそも植物標本のこと。
ガラス瓶の中にドライフラワーを入れ、さらに専用オイルを充填して作りますが
ここ最近、鑑賞用として注目されるようになりました。
確か昨年もこんな楽しい実習をしていましたが、
今年はちょっとひねり技を加えています。
手前の瓶を見てください。上部がランプになっています。
そうです。これに火をつけるときれいなランプになるのです。
これをハーバリウムランプとか植物なのでボタニカルランプと呼んでいるようです。
部屋をちょっと暗くして揺れる炎と浮かび上がる花を鑑賞する。
瓶の下にLEDライトをつけ、瓶そのものをテーブルライトにする。
昔の植物学者が見たらびっくりするはずです。
しかしこれが草花の魅力。食用作物と違ってお腹いっぱいにはなりませんが
人を優しさで包み、温かな気持ちにすることができるのです。
そんな草花の力は、保育園や幼稚園で子供達の豊かな情緒を育てるのはもちろん
高齢者施設などで心を癒すアイテムとして重宝されています。
保育園の先生や福祉施設の指導員はたくさんいらっしゃいますが、
自分で草花を栽培でき、それを上手に活用できる方はまだまだ多くありません。
園芸科学科は長年、そんな人材を育てては地域に輩出してきました。
そんな園芸科学科はまもなく3年生になる皆さんの卒業をもって閉科。つまりあと1年。
すでに草花関連の人材育成は今年から環境システム科へと移行し始めています。
さて今日は名農に新しい先生方が打ち合わせに来校。時代が動いています。
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