花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

神のみぞ知る

2021年03月12日 | 研究
八戸市の種差海岸です。震災当時は県立自然公園でしたが、
今は三陸復興国立公園に指定されています。
それにしてもこの潮騒と天然芝が同時に堪能できる種差海岸は美しいの一言につきます。
東山魁夷の「道」のモデルとなった風景ですが、作家の司馬遼太郎さんが
「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき
一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした。」と評したことでも有名です。
東日本大震災から10年ということでフローラの活動を紹介してきましたが
なぜフローラが救出に立ち上がったのか、なぜ震災の1ヶ月前に
これから行うことになるサクラソウ救出の練習となるプリムラの人工授粉を行ったのか。
考えると不思議なことばかりです。この疑問に対してフローラは面白い結論を出しています。
それが花の女神フローラの神話。フローラの息子はある日、失恋の傷心がたたり亡くなります。
とても悲しんだフローラは、息子の姿をプリムラに変えたというお話があるのです。
この神話を知った時は、みんな何ともいえない不思議な感覚に包まれたのを覚えています。
プリムラは日本語でサクラソウ。つまり母フローラが子のサクラソウを救出に向かうのは当然。
おそらく女神フローラの導きによって、
私たちはサクラソウ救出へと向かったのだろうと納得させています
さて県立公園から国立公園に変わる春、県庁の方がフローラを訪ねて名農にやってきました。
そこで皆さんが話されたのは、種差海岸はこれから国立公園に変わるけれど
今までと同じように調査を継続してほしいというお願いでした。
今が引き時と考えていたフローラですが、それを受けてその後数年間、
サクラソウ自生地の保全研究を継続。その間、アジア国立公園会議などに招かれては
全国に保全活動を紹介しました。その後、活動から撤退しましたが
この経験こそフローラが環境活動に方向転換を切るきっかけとなりました。
コロナが落ち着いたらぜひ宝石のように美しい種差海岸に足を運んでいただければ嬉しいです。
今日は高校入試の合格発表。名農に歓喜の声が響きます。
なお今日の地元新聞に超巨大なハンターズの写真と記事が掲載されています。ご覧ください!
コメント

願いは届く

2021年03月12日 | 研究
東日本大震災で津波被害を受けた塩害土壌を
マイクロバブルで除塩した2代目と3代目のフローラ。
これはペットボトルの中に塩害土壌を詰め、
水とどれぐらい除塩能力が違うかを調べているところです。
確か5月連休返上での作業だった気がします。
当時、フローラといえばサクラソウの救出活動と
マイクロバブルでの除塩活動のふたつが代表的な活動でした。
ドタバタが一段落し、被災地が復興へと歩み出したころ
よくマスコミの皆さんからこれらの活動について取材を受けました。
すると皆さん驚かれることがあります。それはこのふたつの研究及び活動が
まったく同じメンバーで、それも同時進行で行われていたという事実。
ひとつは県庁と種差海岸を飛び歩く活動。
もうひとつは岩手県山田町や八戸市の保育園など被災地がステージです。
どちらも重くボリウムのある社会貢献プロジェクト。
映画だったら2本同時上映。ちょっと古い表現ですがレコードなら両A面。
火事場の馬鹿力とはよくいったもので、今なら体がもたない頑張りです。
このふたつの活動に無我夢中で立ち上がった女子たちは
「とにかく何かしなければと思った」。取材に対していつもこう話していました。
でもこの除塩活動にもサクラソウ同様、不思議なことがあります。
このマイクロバブルを使った除塩研究ですが、どこで披露してどこで活用するかなど
まったく当てもないまま活動していたのです。フローラが面白い活動をしていると
本校農業クラブが目をつけ、岩手県山田町のボランティアに誘ってくれなかったなら
まったく日の目を見なかったと思います。実際に行ってみて効果があったことから
専門家ならきっと役立ててくれるだろうと願い、初めて土壌肥料学会に参加。
さらに青少年水大賞にも応募し、フローラは初の日本代表となりました。
もちろん世界に知ってもらったことは嬉しいことですが、一番感動したのは数年後、
世界大会に出場したことで他県の造園家たちがこの技術に注目し、実際に岩手県の
桜並木の除塩活動をされているのを知った時。彼女たちの願いが届いていたのです。
コメント