花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

BIO-ENGINE HISTORY

2021年03月18日 | 研究
ツナギ姿の5人衆。これは2017年、解散1年前のフローラ3年生です。
男子3名女子2名たちは、環境班として農業クラブ県大会に
出場した最後の年のメンバーです。彼らが取り組んだのは草花による水質浄化。
サンパチェンスという蒸散力の極めて高い草花を池に設置し
富栄養化を抑制しようという研究です。フローラにとっては
BIO-ENGINEといった方がピンとくる継続研究でした。
最初に取り組んだのは2013年。サンパチェンスの優れた能力に目をつけた
3年生が空気浄化に、2年生は水質浄化に利用できないかと
それぞれ予備試験を行ったのが最初です。
事前に水に浸け、水中根を発生させてから池に設置するノーマルスタイルを
BIO-ENGINE TYPE1としたら、エンジン本体であるサンパチェンスに
ブラシナゾールを散布して光合成能力をぐんと高めたものがTYPE2。
植物研究チームらしい発想で園芸科学科時代に誕生しました。
その後、ビーズ化した硝化菌を鉢底に設置し、効率よく栄養分をサンパチェンスに
提供するというターボのような過給器を搭載したTYPE3が誕生。
環境システム科第1回生のメンバーが2015年に完成させました。
園芸科学科から工業系の環境システム科に移籍した新生フローラらしい
開発で、青いツナギを着てバイオエンジニアを演出していたのを覚えています。
この時のリーダーだったメンバーの弟がフローラに入ったのが2016年。
兄を超えるべく菌根菌を鉢内に入れ、能力をさらに高めることに成功し
2つの過給機を持つ史上最高能力のTYPE4が2017年に完成します。
浄化力はノンターボのTYPE1に比べるとまさにF1マシンほどの差がありました。
兄を見習ってのツナギ姿がこれ。兄弟の4年間のリレーは
まるでプロジェクトXでした。しかしBIOーENGINEの物語はまだ続きます。
2018年最後のフローラが開発途上国向けに池でイカダに浮かべる工夫を加え
青少年水大賞で準グランプリを受賞するのです。誤解を招くので世界大会では
BIO-ENGINEの名は用いませんでしたが、頭の中ではBIO-ENGINE。
凱旋した彼らが最後の校内発表した際は、またBIO-ENGINEという名を使いました。
でもTYPE4ではありません。答えはfor the WorldのWをとって
BIO ENGINE TYPE-W。男たちの物語です。
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FLORA TUNING TEAM

2021年03月18日 | 研究
水上で白、赤、オレンジの見事な花を咲かせているのは草花のサンパチェンス 。
サカタのタネが開発した大ヒット商品です。
現在はアジアはもちろん、アメリカ、ヨーロッパでも大人気です。
フローラはこの草花の優れた蒸散力に目をつけ、
水質浄化できないかと2013年から研究を始めました。
それがBIO-ENGINE。燃料である池の栄養分を吸収して
ぐんぐん生長しながら水を浄化する姿がエンジンのように見えたので名付けました。
インパクトある素敵な名称なので商標登録すべきとたくさんの方に言われましたが
出願する予算などないため結局しませんでした。
さてこのBIO-ENGINE、研究は代々後輩に引き継がれ
最終的には6年かけてTYPE-Wまで進化しました。
この写真はTYPE4。エンジンであるサンパチェンスに
栄養分をどんどん送り込む硝化菌と菌根菌という2つの微生物を過給器として搭載した
高性能生物浄化システムです。これを完成させた2017年のフローラメンバーの
ユニフォームにはBIO-ENGINE TYPE4と大きく表示されており
2つの過給器を持つことからツインターボという文字や
「powered by Honda」を真似て「powered by Sunpatience」という記載もあったはず。
複数の生物の営みを歯車のように組み合わせて浄化エンジンを作ったため
まるで自動車メーカーのようだといわれましたが、彼らの答えはNO。
エンジン本体であるサンパチェンスは開発せず、チューンナップして
性能を引き出すことに徹したためチューニングチームだと話していました。
自動車好きのメンバーが集まった時代です。
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