花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

FLORAがFLORAを育てる

2023年01月10日 | 研究
ここにあるのも古い古い写真。薄紫や黄色のTシャツを着ているのは
2013年のTEAM FLORA PHOTONICSのメンバーです。
そしてメンバーの指導を受けながらPCに向かっているのは地元の中学生たちです。
これは「アグリサイエンス」というフローラが企画運営していたイベント。
体験入学のように見えますが、中3限定ではありません。
中学生なら1年生でも2年生でも参加できます。
また学校案内というよりも、農業各分野の実験実習が中心。
朝9時から午後14時頃まで不思議な実験に没頭してもらい
農業や農学の楽しさを実感してもらうのが目的でした。
立ち上げたのはFLORA。学校企画ではないので
FLORAが賛同してくださる先生方を集めて実施していました。
コースの数は栽培、加工、環境、活用などなんと毎回7〜8つもありました。
参加者には修了証と実習の成果物がお土産。
参加人数こそ30名ぐらいでしたが、リピーターが出るほど人気でした。
これは主催者であるFLORAが講師を務めた植物コース。
花壇苗やサボテンなど5つぐらい並べた植物の中から、どれが一番二酸化炭素を吸収するかを
中学生たちがインターネットなどを駆使して調べ、想像で順位をつけもらいます。
そして最後はみんなで測定して答え合わせをするというクイズのような実験を企画しました。
もちろん1位はサンパチェンス。ここから環境と特性、植物による浄化へと話を導いていました。
さて注目したいのは、この中学生たち。実はFLORAの実験や活動を楽しく感じた彼らは
数年後に名農に入学。そして2015年にはFLORAの一員となり大活躍します。
考えてみるとFLORAには代々そんなメンバーがいました。
FLORAが次なるFLORAを育てていたんですね。今はなくなってしまったイベントですが
FLORAは「未来に種を蒔く人材育成こそ名農を元気にさせる」と信じ取り組んでいました。
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ポスター#3 生活雑排水による水質汚染抑制と再利用

2023年01月10日 | 研究
こちらの研究も水質汚染を抑制しようという環境研究。
取り組んだのは2021年4月から。2020年のTreasure Huntersが
製作した三和土にはアルカリ成分が溶出するという欠点がありました。
それを逆手に利用して、水に入浴剤状の三和土ブロックを投入して
強アルカリ水を作り、洗剤の代わりに除菌洗浄しようという研究。
布についた油汚れが落ち、微生物を数分で殺菌できるのには驚きました。
取り組んだのはフローラの女子メンバー。たった1人で三和土を作り
地道に実験を行いました。彼女の願いは、途上国のコロナ対策でもありました。
さまざまな発表会で成果を披露しましたが、アルコールが手に入らない地域でも
簡単に殺菌液が作れるので衛生管理に使ってもらいたいとメッセージは響きました。
しかしそれ以上に可能性を感じたのが、生活雑排水を三和土で除菌し
含まれている栄養分を農業や緑化のための液肥にするというアイデア。
こちらはまだ栽培実験できていませんが、後輩たちへの置き土産となり
引き継がれたら嬉しいと思います。
この研究はストックホルムでの国際大会出場を決める日本代表選考会に出場。
残念ながら日本代表は塩害抑制チームになりましたが、半年でよくまとめたと思います。
なおポスターは6月に開催された環境化学会で奨励賞を受賞した時のもの。
その後、2022年の環境科学会高校活動奨励賞の最高賞を受賞し
学会で受賞発表もしています。受賞発表の関係上、
彼女はなんと学会員にもなっています。フローラ初の学会員です。
フローラ1の才女。今年度は赤土流出抑制研究に取り組みましたが、
最後は彼女のオリジナルである「生活雑排水による水質汚染抑制と再利用」を披露し、
2年間の研究に幕を下ろします。
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